「未熟で多感な年代にも鑑賞して欲しい」コンセント 同意 1987種さんの映画レビュー(感想・評価)
未熟で多感な年代にも鑑賞して欲しい
初めての映画の感想。
他の人の感想を読んだし、自分の感想も残しておきたいと思った。
自分は37歳男なので、大人の視点でこの映画に出てくる違和感について、母親や同級生の気持ちがすぐに理解できる。
ある大人が社会的にどのように言われているかという外的な評価だけでなく、
(映画では小児性愛者としての風評がすでにある)
普通の大人が子どもという未熟な相手に対して恋に落ちるというのがあり得ないと、
自分自身の頭や心でわかっているからだ。
今の自分は「こんな大人には近づいてはいけない」と本能でわかる。
しかし、それと同時に、主人公の女性の気持ちが痛いほどわかる。
思春期で、同世代の仲間には馴染めず、親の姿は尊敬できず、
自分の価値を認めてほしい承認欲求があり、寂しさ、心の穴が目にみえる。
そこで登場したのは、自分の関心ある文学の世界の成功者。
さらに、自分に興味を持ってくれているとなれば、
自分なら、これほど隙のある状態でつけ込まれたら、逃げる自信があるだろうか。
自己責任というほど成熟できてはいないが、大人や周りの言うことを素直に聞けない時期でもある。(事実周りは何度も忠告してくれているのに、ずるずると洗脳されてしまっている)子どもというのは、そもそも不自由で身動きのとれない環境下に置かれていることが多い。
話術を通じて恋愛だと思い込ませていく展開に
「グルーミングというのは、こうやって少しずつ関係性を近づけて相手を洗脳していくのだな」という感想は、大人になっている人の分析的な視点で、
大人がダメだという結論はあまりに率直で簡単だ。
過激なシーンが多いのでR指定ではあるが、子供を持つ親や未熟で多感な年代にも鑑賞して欲しい。
大人はあらゆる立場の人と適切な距離を持って関わるべきだし
恋愛や性というものは一歩間違えれば危険で人生を後悔する関係性になり得るのだと
早くに学ぶ必要がある
「同意」というだけで済まない。
改めて考えさせられた。