「パリの暗部を抉るように描き出す社会派作品!」バティモン5 望まれざる者 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
パリの暗部を抉るように描き出す社会派作品!
市長サイド、移民サイド、いずれも公平に描いている作品だなと思い、
私としては好感が持てました。
ともすれば、「移民の扱いがかわいそう」となりそうな話であるにもかかわらず、
そうは描いていないところが秀逸だと思います。
もちろん、移民に対する差別は酷いものがあると感じますが、
移民は移民でフランスの社会的なルールを守っていなかったりもして、
どっちサイドに立って思考するかで見方は変わるのですが、
どっちサイドにも立たずに、客観的に俯瞰して観れるようなつくりになっているところも
また秀逸だと思いました。
とにかく、終始緊張感が漂うスリリングな映画でした。
いろいろ考えてしまう内容ですし、
きっとこの問題は解決はしないのでしょうが、
解決すべく思考することこそ大事なのだろうと思った次第です。
ラジ・リ監督作品は初鑑賞ですが、『レ・ミゼラブル』も観てみたいと思います。
※本日、宮崎キネマ館のレイトショーで鑑賞しましたが、貸切でした!!
願わくば、多くの方に観ていただきたいです。
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