「「レ・ミゼラブル」よりも過激か」バティモン5 望まれざる者 羅生門さんの映画レビュー(感想・評価)
「レ・ミゼラブル」よりも過激か
「レ・ミゼラブル」も面白かったが、これはもう救いがないね。タイトで緊迫感のある演出で見応えがあった。これがリアルなフランス、ヨーロッパなのかな。近代から現代にかけて成立した「国民国家」という概念が、あまりにも空しい自己満足の虚像に思えて怖い。安価な労働力受け入れ、移民・難民を受け入れることが正義というような理念は綺麗事でしかないと思われて悲しくなる。テレビの報道で、入国管理が厳しく難民受け入れに冷たいと言われる日本だが、この映画を見て恐ろしくなる。経済格差による貧民の流入は悲劇しか産まない。どれだけ時間がかかろうが、血が流れようが、自国内で解決してもらうしかない、としか言えないのではないか。「幸せ」の総量はきっと決まっていて、どこかが出っぱると、どこかが凹むんでしょう。
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