劇場公開日 2024年5月24日

「一緒に行けるぬいぐるみは、1つだけなの?」バティモン5 望まれざる者 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5一緒に行けるぬいぐるみは、1つだけなの?

2024年6月3日
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 映画は興行です。エンタメ産業です。そこで、このお話を興行するのは、何故ですかね。
 自由、平等、博愛のクニの現状と、どこまてリンクしたお話なのか、分かりませんけど、全くのデタラメなわけもなく、たった一つの落書きから、誰もが望まないディストピアへまっしぐらな様は、果たして他人事なのか、私達の未来なのか…?。

 このクニの、何処の街だが覚えてませんけど、クルドの皆さんが暮らす街が、分断状態だとか。双方の言い分あるようですが、どうにも溝が埋まらない。この話に関心領域のある方、このクニにどれほどいるのか不明ですが、学校で無味乾燥な歴史の年表覚えるより、この映画観て、クラス討論会でもした方がマシな気がします。尤も、入試問題に関与しない授業で、ただでさえ忙しい学校の先生に、これ以上の期待と負担を、押し付けようとする考えの方が、このクニの問題かもね。

 家を追い出される気持ちって、想像できます?。シリア、アフガニスタン、ウクライナ、ガザ、そして、まさかのパリ…。
 先日、何でもないことが幸せだったと思うって、主人公が呟いたら、それ、ギャグですか?って、突っ込まれる映画観たんですけど、それくらい、他者の不幸にヒトは鈍感なものです。
 分断と不寛容の果てに何があるのか、身をもって体験したくもないし、映画で観ているだけでも、しんどい。いきなり家を追われた子ども達、その後、どんな大人になると思います?。あの時、一緒に家を出たミニカーやぬいぐるみ、きっと一生忘れられない記憶になりそう。

 あの子たちが築く未来は、どんな色をしているんだろう…。

機動戦士・チャングム