「絶対、監督の自伝的記憶入ってると思ったら、乳母に捧ぐとあった。映像...」クレオの夏休み えみりさんの映画レビュー(感想・評価)
絶対、監督の自伝的記憶入ってると思ったら、乳母に捧ぐとあった。映像...
絶対、監督の自伝的記憶入ってると思ったら、乳母に捧ぐとあった。映像も挿入される、精神分析的な絵や映像も美しく心を揺さぶる。
最後に乳母はクールに振り返って別れるので、彼女にとってクレオはそんなに大事な存在ではないのかなと思ったら、激しく泣くシーンは感動的だった。それは、監督にとっての欲望でもあるのか。
クレオにとっての乳母の存在のあり方は過酷だ。突然の別れが来るし、当然グロリアには、大事な家族がいる。きょうだいでさえ、新たなメンバーは敵対と嫉妬の対象なのに、このシチュエーションはきつい。グロリアはある意味、暴力的だけれど、でも、クレオの後の人生にとって、この夏休みの経験は忘れがたいものになっていたことがわかる。赤ん坊への儀式を迷信と言い放つグロリアそのものが2つの文化の中で引き裂かれている。
この映画はケアのグローバル化というものを映像として描き出しているのである。
海に飛び込むシーンも感動的だ。クレオは少しずつ大人になっていく。現地の少年たちの通過儀礼は、クレオにとってもそのように機能する。
とても心を強く揺さぶられる映画だった。愛着あるものから離れていくときの感情。
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