「ただただクレオの思いが伝わります」クレオの夏休み Qooさんの映画レビュー(感想・評価)
ただただクレオの思いが伝わります
乳母のグロリアが大好きすぎる6歳のクレオ。
時々でてくるアニメーションから、クレオがかなり小さい頃から、グロリアが乳母としてクレオを娘のように育ててきたのかなと思える。
グロリアが母親を亡くしたことでアフリカへ帰ってしまい、寂しくて仕方ないクレオの為に、父親は夏休みに1人でグロリアの元へ行かせることに。
グロリアに会えて嬉しいクレオだが、グロリアには家族もいて妊娠中の娘ナンダと、クレオより少し大きな息子セザールがいた。言葉の壁がありながらもグロリア家族はクレオを可愛いがる。
しかしナンダが出産し、赤ちゃんが生まれると、グロリアの注意は赤ちゃんに向いてしまう。
クレオのグロリアだったのに、、、という思いだ。当然。
赤ちゃんにいなくなって欲しいと本気で願うクレオ。
赤ちゃんにいなくなって欲しいと思うのは良くないことだけど、そう思ってしまうのはたった6歳のクレオには仕方のないこと。
だってまだクレオは幼いし、ママが恋しいのだ。幼くしてママをガンで亡くし、本当のママのぬくもりすら知らないクレオが、唯一ぬくもりを感じていたグロリアがいなくなる不安にかられたのだ。
泣いてばかりいる赤ちゃんのせいでグロリアが疲れていると思ったクレオは、揺さぶってしまう。
それに気づいたグロリアはクレオを叱る。
クレオにとっては、今までにない寂しさと孤独感で不安と恐怖が入り交じって辛く深い悲しみに陥ってしまう。
しばしば流れるアニメーションに、クレオの気持ちが現れる。
グロリアはクレオを叱ったが、それでもクレオにしっかりと優しく諭し、最後はずっと愛してることを伝える。
2人にとって辛い別れとなるが、クレオはグロリアのところで過ごしたことで、大事ことを経験し、成長していくのだろう。
クレオの役作りとは思えないほど、直にその純真さ、苦しみ悲しみ、可愛らしさが伝わった作品でした。
赤ちゃんができた時のグロリアをとられたような気持ちや、クレオを受け入れようとしないグロリアの子どもの様子など、美化されずに表現されていたところが、実際にありそうで感情移入しやすくなりました。