「タイトルに違和感あり」朽ちないサクラ 邦画好きさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルに違和感あり
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「孤狼の血」の作者でもある柚月裕子の原作は読みました。で、この映画化も基本的には原作を変えていません。
原作を読んだときから違和感があり、また映画を見てからもその思いはより強くなったのですが、「朽ちないサクラ」というタイトルだと、「サクラ」を称賛しているとしか感じられません。
劇中では公安警察のことを古い人間はサクラと呼ぶと説明され、また物語自体もサクラの蕾が膨らみ始めた頃に事件は起き、三分咲き、五分咲き、満開と話が進み、落花盛んになった頃にエンドクレジットということになります。
私も古い人間なので、タイトルのサクラは警視庁の俗称でもある「桜田門」も表しているのかな?とも思いましたが、物語は映画では愛知県ということなので桜田門は関係なかったです。ただサクラに関しては、有名な軍歌「同期の桜」や「若鷲の歌」にある「若い血潮の 予科練の七つボタンは 桜に錨」など、どうしても戦争を感じ、軍を感じ、警察を感じるのも事実です。またサクラの持つ意味が古くからの日本人の精神的支柱だと思います。
「日本国全体の為なら、多少の犠牲も仕方がない」などという考え方が本当に公安警察の考え方かどうかはわかりませんが、少なくとも原作者はそういう考え方なのでしょう。いや、ひょっとしてそれを否定するために、こういう原作を書いたのかもしれません。
タイトルからもこの映画の本当の主人公は・・・公安警察であるということだけは事実だと思います。
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