配信開始日 2024年3月29日

「3回目の映画化」恐怖の報酬 みるさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0 3回目の映画化

2025年7月7日
PCから投稿

本作は1953年の映画「恐怖の報酬」およびそのリメイクである1977年版の「恐怖の報酬」のさらにリメイクした映画です。
1作目は金熊賞を取るほどの名作で、2作目は巨匠ウィリアム・フリードキン監督による名リメイクでした。
本作は「原作より面白くしてやろう」という意気込みはふんだんに感じるのですが、原作のどこが面白かったのか理解できてないまま、原作の面白さからズレた部分をピックアップして大きく空振りしている感じがします。
原作の一番面白い部分は「トラックに危険な爆発物を載せて、それを目的地まで届ける」という部分でした。そして原作はその設定を最大限に活かしたイベントがいっぱい出てきてワクワクドキドキさせてくれます。
しかし本作はどちらかというと設定がぼやけるような描写が多く、視聴者は何に対してドキドキしていいのか分からなくなるのではないでしょうか

原作より面白くしてやろうと戦争映画のような作風で銃撃戦や地雷を踏むシーンなど描かれますが、それをしてしまうと原作で一番の面白ポイントだった積み荷の爆発物の面白さがかなり薄れます。
また過去作2つでは爆発物で火を消化すると「良かったね!」という盛り上りがあり、視聴者も安堵できるのですが、本作は安堵できないまま映画が終わるのでモヤっとします。

また『主人公が誰か分からない』という内容も良くないです。過去作と同じ内容があっても主人公が誰か分からないと楽しみにくいです。

みる