「警察の不正」正義の行方 RAIN DOGさんの映画レビュー(感想・評価)
警察の不正
1992年に福岡で起きた2人の女児が殺害された飯塚事件、DNA鑑定などにより犯人とされ逮捕された久間さん、口封じの如く異例のスピード死刑執行…
死刑執行後、冤罪を訴える再審請求がなされ…
『殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―』を読み、飯塚事件を知りました。
桶川ストーカー殺人事件で警察の腐敗を暴いた清水潔さんの著書で、
冤罪で無実の菅家利和さんを刑務所に入れた足利事件を中心に、北関東で発生した類似の幼女誘拐殺人事件を扱ったノンフィクションです。
この本が北関東から遠く離れた福岡の飯塚事件にも触れている理由は、
足利事件と飯塚事件は同じタイプのDNA鑑定が使われているのですが、このDNA鑑定MCT118法は証拠として使うには無理がある不正確なDNA鑑定なのです。
足利事件は再審によりMCT118法とは別の新しいDNA鑑定で再鑑定を行い、冤罪だった事が明らかになり無実の菅家利和さんは晴れて釈放。
当然ながら、飯塚事件も正確なDNA鑑定で再鑑定されるべきなのだが…
前述した本には、もっと詳しい事が書いてあります。
その本を読み、警察の不正で冤罪を確信していて、その目線で観賞したのですが、すごい見応えで期待以上のモノを観せてくれた。
犠牲者を弔う双子地蔵が立つ死体遺棄現場、その上の犯人らしき人物が目撃された峠の道、女児が連れ去られた三差路…
カメラの前でインタビューに答える、犯人とされ死刑執行された久間さんの奥さん…
分かっていたけど、やっぱり警察の不正で冤罪だと、より強く思いました。
気になったら観て頂きたいのですが、事件の概要は詳しく語られないので、飯塚事件を知らない方は、ネットで調べてから観た方がいいと思います。
あまりにも興味深い内容で、僕は2回観ました。
最後、強く印象に残ったのは、事件当時1992年に死体遺棄現場に駆けつけた新聞記者が語った、飯塚事件との出会い…
「あの夜の雪と、ご遺族の慟哭…」
『殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―』も読んで下さい。
より、このドキュメンタリーが興味深くなります。