「最初からわかっていたのに巻き込まれた友人は可哀想」ポーカー・フェイス 裏切りのカード Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
最初からわかっていたのに巻き込まれた友人は可哀想
2024.3.7 字幕 TOHOシネマズ二条
2022年のオーストラリア映画(94分、G)
旧友を集めて「訳ありポーカー」をする様子を描いたクライム・サスペンス
監督はラッセル・クロウ
脚本はステファン・M・コーツ&ラッセル・クロウ
原題は『Poker Face』
物語の舞台は、オーストラリアのとある田舎町
少年ジェイク(Darcy Tadich)は、親友のドリュー(Rakeem Diggs)とともに川で遊んでいた
そこにマイケル(Bede Warrock)、アレックス(Calum Anderson)、ポール(Zack Greech)らも加わって、ポーカーゲームをして遊び始めていく
ポールの兄ヴィクター(Oscar Michell)は、その輪を乱すように友人たちとやってきて、ポーカーゲームに加わるが、いつもジェイクが勝って追い払っていた
時を経て、ジェイク(ラッセル・クロウ)は大人になり、ドリュー(RZA)と一緒に始めたオンラインポーカー事業で富豪となっていた
アレックス(エイデン・ヤング)は作家となり、ポール(スティーブ・バスティーニ)は現職の大臣として活躍している
マイケル(リアム・ヘムズワース)だけは金とは無縁だが、立派な大人に成長していた
ジェイクは担当弁護士サム(ダニエル・マクファーソン)の力を借りて4人を集め、再びポーカーゲームに興じようと考えていた
だが、このポーカーゲームには、ある「裏」が潜んでいたのである
映画は、ポーカーゲームのギャンブル性を用いた緊迫感があるわけではなく、現在進行形の夫婦の諍いを暴露する内容になっていた
妻アリソン(リン・ギルマーティン)に先立たれたジェイクは、ニコール(ブローク・サッチウェルス)と再婚しているのだが、彼女が誰かと浮気しているらしいので薬を盛ってみた、みたいな感じになっていた
薬を盛られてもポーカーフェイスでいられるのか?みたいな感じでもなく、不倫相手もわかっているのに他の友人が巻き込まれているのは忍びないように思えた
ポールの兄ヴィクター(ポール・タッソーネ)が襲撃する経緯も結構雑で、あの日を狙ってくる偶然性なども何とも言えないシナリオ構成になっていた
彼が侵入してからは共闘して倒そうみたいな流れになっていて、これまで「疑いまくって薬まで盛っている」のに手を合わせようとなるのは微妙だと言える
また、ラストは財産分与の話になるのだが、あらかじめ「妻の不倫暴露を見越した上で書かれている」ので、その理由を衆目監視の中でわからせる、という目的があったのかな、と思う
この辺りも「スタイリッシュに決めようとして滑っている感じ」が否めないので、なんだかなあと思ってしまった
いずれにせよ、期待していたものと違ったというのは否めず、ポーカーである理由もない
ニュートン力学だの、色んな哲学的な文言を取り入れては、この人たちその意味わかってんの?というぐらいに行動が浅いので微妙な感じになっている
暇つぶしに観るなら良いと思うが、色々と脳内補完しないといけない部分が多いので、そういうのを楽しめる人向けかな、と感じた