「スクリーンという盤面を桂馬のようにストーリーがナナメ横っ飛びしていく」No.10 ばとーさんの映画レビュー(感想・評価)
スクリーンという盤面を桂馬のようにストーリーがナナメ横っ飛びしていく
実話ベースものを除き、基本は公式のあらすじ以上の情報は入れずに映画館に足を運ぶことにしている。本作もそのようにして鑑賞したらブッ飛んだ映画だった。
劇団の舞台稽古で、役者たちのギスギスした関係や、演出家と女優の不倫で序盤が展開していき、また主人公とおぼしき男優の周囲に怪しいひとびとが見え隠れして、これらが一体となってある種不穏な空気のなかで物語は進行していく。 ふーん、そういう系のサスペンス・スリラーかねと思っていると、中盤、ある驚愕の事実が明らかにされてトンデモな方向に。唖然とするなか、主人公の旅立ちののちに宗教批判(実に痛快だ)まで語られる。要するに、一体なにを見せられているんだ系の映画です。
クセは強いが、ハマるひとにはハマる。私は好きだよ、この手のスクリーンという盤面を桂馬のようにストーリーがナナメ横っ飛びしていく作品。 この監督の次回作に期待する。
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