「悪魔誕生」オーメン ザ・ファースト 稲浦悠馬 いなうらゆうまさんの映画レビュー(感想・評価)
悪魔誕生
・原題は「THE FIRST OMEN」
なぜ語順を逆にしたんだろう。たぶんその方が響きがカッコいいからだろう。
デラックスマツコっていう名前にするよりマツコデラックスの方が格好良いみたいに。
・PG12
残酷系の映画だと思ったので恐る恐る観に行ったけれど、期待を裏切らずちゃんと残酷系だった。
目を背けたくなるような恐ろしいシーンがあった。
だけど怖いシーンを観ると一気に脳に血が巡る気がする。もしかして早めの認知症予防には良いのかもしれないと思うのは僕だけだろうか。
・拘束される女
拘束された女。
拷問を受けているのか、犯されているのかは分からないが、何か残酷な仕打ちを受けている。どこの誰かは分からない。そんな謎のシーンから物語は始まる。
・シスター
主人公であるシスターが新しい教会にやって来る。なかなか可愛くて綺麗な顔をしている。
だがシスターは段々とこの教会の変なところに気づき始めるのだった。
この教会の間取りに妙な違和感があることに気づきませんか…?
・病んでる子供
この教会には病んで心を閉ざしている子供がひとりいる。
この子はシスターが教会を訪れて早々に首に噛み付く。
謎めいた存在。
・手術
この教会では謎の手術が行われている。
女が部屋で拘束され、何かをされているのだ。
シスターはその女から悪魔の角を持つ生き物が生まれて来るのを目撃してしまう。果たしてそれは夢だったのだろうか、現実だったのだろうか。
ちなみに出産シーンでは思い切りモザイクがかかりまくっている。映画ってテレビとは違って際どいシーンでもモザイクなしで流れる場合もあるけれど、どういう判定なのだろう。さすがにモザイクなしで上映してしまうと年齢制限を上げなくてはいけないとかだろうか。
・教会の目的
この教会にはとある裏の目的があった。
最近世間ではアンチ教会派が台頭して来ている。これは教会のピンチだ。
今までは信仰によって人々を支配していたのに、これではその支配を続けることが出来なくなる。
なので全く逆に「アンチ・キリスト」の王を生み出して、その者に世界を支配させようと企てたのだ。
つまり信仰や宗教など全く関係ない。ただ人を支配することだけが目的というわけだ。
・世界を支配する方法
アンチキリストの王を生み出す方法としては、おぞましい手段が取られた。
次々に女を山羊と交配させ、その子供を生み出すのだ。
だが生まれて来た子供はだいたい人の形さえしていないものが多い。そして多くの子どもが生まれては死んで行った。
また、悪魔の数字である(たしか)6月6日の6時に子供を誕生させようとした。どうすればそんなに正確な時間に出産ができるのか?
それは自然な出産日とは関係なく帝王切開で子供を取り出すことだったのだろう。だからこそ出産には数々の「器具」が使われたのではないだろうか。
・ホラーホラー
前半はクラブでの恋愛シーンなどもあるが、後半にかけてほとんどホラーな展開になって行く。
ホラーな演出を見ると「さあ大きな音や変な動きで観客を驚かせてやろう!」みたいな監督の作為を感じる。
・主人公の出自
主人公のシスターもまた山羊と母の交配によって生まれた子供であった。そして彼女自身も山羊との交配によって妊娠する。
ついに教会に待ち望まれた「悪魔の子」を宿すのだった。
・悪魔誕生
その名前はダミアン。まさに悪魔そのものだ。
そういえば日本のバント聖飢魔IIの創設者も「ダミアン浜田」という名前だ。劇中で生まれた悪魔もやがて成長して来日し、バンド聖飢魔IIを結成したのだろうか。
「豚の胃で作られた子宮の中に悪魔の国の王子が宿る」
・エピローグoverエピローグ
この手法をなんと呼んだら良いだろう。最近ではエピローグの後にエピローグがさらに続くみたいな作が多い。
言ってみたら蛇足に感じるのだが、物語の全てを語り尽くさなければ監督の気が収まらないのだろうか。もしくは観客が満足しないのだろうか。
・リッチなエンドロール からの 通常エンドロール
この手法もなんと呼ぼう。まずは主演や主要人物を紹介する手の込んだエンドロールが流れた後に、通常のシンプルなエンドロールに切り替わる映画が多い。
リッチな方のエンドロールは作中の雰囲気を保ったままの作りになってることが多くて、けっこう好きだ。