「邦題が微妙に変わっている理由はわからないが、思いっきり意味が違うと思うのは私だけだろうか?」オーメン ザ・ファースト Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
邦題が微妙に変わっている理由はわからないが、思いっきり意味が違うと思うのは私だけだろうか?
2024.4.5 字幕 イオンシネマ京都桂川
2024年のアメリカ映画(118分、PG12)
伝説のホラー映画『オーメン』の前日譚として、シリーズ5作目の作品
アメリカから来た修道女見習いが奇妙な出来事に遭遇する様子を描いたホラー映画
監督はアルカシャ・スティーヴンソン
脚本はティム・スミス&アルカシャ・スティーヴンソン&キース・トーマス
原題は『The First Omen』で「最初の予感」という意味
物語の舞台は、イタリアのローマ
そこにあるヴィッツァデリ修道院では、孤児たちの他に出産費用に困っているシングルマザーたちの受け皿にもなっていた
ある日、その修道院にアメリカのピッツフィールドから、一人の修道女見習いの女性マーガレット(ネル・タイガー・フリー)がやってきた
修道院を支援するローレンス枢機卿(ビル・ナイ)がアメリカに来た際に結ばれた縁で、若手のガブリエル神父(タウフィーク・バルホーム)が彼女の案内係として駅まで迎えに来ていた
修道院はシルヴァ修道院長(ソニア・ブラガ)の元に数十人の修道女がいて、見習いの人たちもたくさん従事している
マーガレットは、その中の一人ルス(マリア・カバレロ)とルームシェアをすることになっていたが、ルスは修道女になったらできないことをしようと、マーガレットをクラブへと誘う
二人に声をかけたのはパオロ(アンドレア・アルカンジェリ)とその友人アルフォンゾ(グイド・クアリオーネ)で、ルスはアルフォンゾを気に入ってどこかに消えてしまう
そこでマーガレットはパオロの相手をすることになるのだが、ハメを外したマーガレットはとんでもない痴態を晒すことになったのである
映画は、『オーメン』の前日譚ということで、「ダミアン」が誕生するまでを描いていく
テイストとしては「誰がダミアンを産むのか」という感じになっていて、ルス、少女カタリーナ(ニコール・ソーレス)らも、それっぽい感じに描かれていく
最終的にはマーガレットがダミアンの母でした!というオチで、しかもダミアンには妹ライラがいた!という衝撃の後付け設定のようなものをぶち込んでしまう
『オーメン』の公開が生まれた直後ぐらいの世代で、「666が悪魔の数字」で「ダミアンという危険な子どもがいる」ぐらいしか知らずに鑑賞
前日譚なので特に問題はないのだが、後半は『オーメン』に感じてきたイメージよりは『エイリアン』みたいな感じになっていた
クリーチャーらしきものが生まれるモザイクシーンは全世界共通なのかわからないが、これまで見たモザイクの中で一番荒いドットのモザイクを見たように思う
いずれにせよ、シリーズのファンに受けるのかどうかはわからないが、ホラー映画として観た場合には怖さはさほど感じなかった
怖いというよりはグロテスクで気持ち悪いという印象で、肝心なシーンは全面モザイクで、マーガレットの出産シーンは角度をつけて見えないようにしているのも意味がわからない
ある程度、悪魔信仰とかキリスト教とかの知識が必要な感じだが、小難しい引用もそこまでない感じで、純粋にホラーとして楽しめるかどうかだけの物語のように思えた
シリーズファン向けというよりは、新しいファン獲得の方を優先し、ダミアンは双子だったという設定によって、別の『オーメン』ロードを続編にしようとしているのだと思う
そう言った意味では、前日譚でありながら、違うルートを描くシリーズになっているので、その都度オリジナルシリーズとの関連が匂わされるのではないだろうか