劇場公開日 2024年8月23日

「デキの悪い戦隊ものを見たような…」箱男 町谷東光さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0デキの悪い戦隊ものを見たような…

2024年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

難しい

たぶん、そうだろう。期待値はハナから低かった。見終わって、「やっぱり」の感である。

安部公房の小説は、代表作であり、世界文学と目される「砂の女」をはじめ何冊か読んでいる。40年以上前、高校~大学生のころだ。
本作の原作も…たぶん読んだはず。だが、内容は覚えていない。
したがって、この映画が原作小説とどこが同じでどこが違うのか、まったくわからない。
僕の中では、「箱男」がおり、…それが徘徊する、街の中を―というイメージだけだ。
それについて、理解する必要はなく、箱男を除いた世間の人間は、無視しておけばよい話なのだ。

この映画も、わざわざ見に行くほどのものではない。無視しておけ。

箱男VS箱男のバトルが何シーンかある。
それが、本レビューのタイトルに書いたとおりなのである。
「スーパー戦隊シリーズ」の東映のスタッフが入っているのか?

原作そのものが、物語的なものを拒否している(らしい)のだし、映画もそうであったほうがよかったんじゃないか。
箱男である段ボール箱にも工夫がない。
どれも一緒じゃないか。
多様性の時代だ。男が女が、老人が子供が、LGBTが一律に同じ形、大きさの段ボール「箱」に入っていなくてよいのだ。
「箱」をすべて同じ外見(最終盤に出てくる)にした段階で、この監督の限界がはっきりしているのだ。

東京都心のミニシアター風シネコンで日曜午後に鑑賞。7-8割の入りだったろうか。観客の空気からは共感も感動もなかった印象。

町谷東光