劇場公開日 2024年2月17日

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「ひたすら尊い」アリランラプソディ taroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ひたすら尊い

2024年2月29日
PCから投稿

在日1世のハルモニたちを映したドキュメンタリー。ハルモニたちはみんな個性が強くて魅力的だが、彼女たちが〝いい話〟を語るわけではないし、〝ドラマ〟が起きるわけでもない。映画はハルモニたちが沖縄のオバーと交流し、識字学級で字を学び、安保法制反対のデモに出掛ける姿を丹念に映していく。

自分とあまりに境遇や経験が違うので容易に感情移入もできない。しかし、ふとした瞬間に感情が揺さぶられ、今、自分は本当に尊い人間の姿を見ているという思いが胸を衝く。経験の違い、性別の違い、世代の違い、民族の違い、そうした違いを乗り越えて胸に迫る瞬間がある。

植民地時代の日本人の非道な行いが話題になり、ハルモニが怒りを爆発させる場面もあった。そうした場面は日本人として身の縮む思いだったが、映画全体としては、それ以上に感謝の念が湧いてきた。なぜ「感謝」なのかはわからなかった。

taro