「これって総集編ですか!?」BanG Dream! It's MyGO!!!!! 前編 春の陽だまり、迷い猫 名無さんの映画レビュー(感想・評価)
これって総集編ですか!?
TV版ではシナリオの緻密さに唸らされたので、総集編でそのあたりが伝わるかと思っていましたが、劇場版では総集編の概念を覆す構成に驚かされました。
自分はTV版視聴済みですが、TV版を見た人とそうでない人では、まるで違った印象を抱く作品です。
楽奈の過去エピソード(新規カットでアニメ1話分程度)の後、愛音の過去エピソードから本編に入っていく流れになっているうえ、CRYCHICに関わるシーンや燈の過去シーンもカット(後編にまわるようですが)されているので、楽奈か愛音が主人公であるかのように錯覚してしまいます。
祥子については、カラオケに行く燈と愛音を校舎から見ているシーンと、ライブハウスから泣いて飛び出していくシーンくらいしか出番がないので、TV版を視聴していない人にとっては「この人誰?」となります。
また、そよの意味深な言動もわけがわからないし、スルーされるかもしれません。
でも、こういったことは、楽奈や愛音の視点から見れば同じことだと思います。
楽奈が「春日影」を気に入っていたことは察することができますが、ひょっとしたら「春日影」に自分を重ねていたのかもしれません(歌詞をどの程度理解していたのかはわかりませんが)。
そう考えれば、地獄展開の入口に見えていた「春日影」の演奏シーンも違ったものに見えました。
ストーリーの根幹に関わるものを隠したまま、MyGO!!!!!にフォーカスして進行しているので、ここまでいったら総集編というより、実質的にはTV版のカットを用いた新作と言えます。
後編では、CRYCHICについて触れることになると思われますが、
後編をどうまとめるのか、まとめないのか?
このままMyGO!!!!!で締めるか、AveMujicaを登場させるのか?
FILMLIVEに加えて、燈の過去シーンも後編にまわりそうなので、尺は大丈夫か?
と考えることは色々ありますが、後編が非常に楽しみです。