「総集編はパス?実質新作です(追記あり)」BanG Dream! It's MyGO!!!!! 前編 春の陽だまり、迷い猫 LSさんの映画レビュー(感想・評価)
総集編はパス?実質新作です(追記あり)
【末尾にネタバレ追記】
(バンドリコンテンツはMyGOアニメしか知らないので、誤認があったらすいません)
TV版7話(初ライブ)までの総集編であると同時に、キービジュのとおり、本編では(11-12話の会話に若干あったぐらいで)ほとんど触れられていない楽奈の過去や人となりが、新映像たっぷりに語られる。それらのエピソードは、楽奈のことを深く知るだけでなく、最終的にMyGO!!!!!になるバンドをより明確に理解するための補助線になっている。TV版にラーナ回が追加されたかのような、ものすごい充実感である。
もちろんライブシーンも、(映像の追加はなかったと思うが)映画館の音響で迫力倍増し、本当に会場にいる臨場感がある。また、TVより暗部がよく見えて照明効果やフロア側の客の反応が際立ち、丁寧に作られていることかあらためて分かる。
TV版でハマったが総集編はパスしてもいいかなと思っている人は、絶対に劇場で観た方がいいですよ。
追記(以下ネタバレ):
追加エピでエレキギターを解禁された楽奈の喜び爆発の演奏ぶりには、ついやりきりオーナーの目線になって目頭が熱くなった。と同時に、楽奈がずっとRiNGを徘徊していたのは、単に演奏したいからだけではなく「居場所」を探していた(スタッフや常連バンドもそれを受け入れてくれていた)からと分かる。「居場所ってまた誰かが作るんだ、って」(11話)という楽奈の言葉からは、メンバー4人の初話し合いの時に燈の「一生やろう」宣言を漏れ聞いて「おもしれ―女」と評した時から、このバンドが自分の居場所になるように、新バンドを成功させようと燈たちを後押ししてきたことが伺える。
そうすると、春日影をやった意図は、もちろん自分が気に入った曲であり、自身のギタープレイがその一部になることの楽しさ・喜びもあるだろうが、それに加えて(元CRYSHICのメンバーは本番での経験があるし、できたばかりの碧天伴走よりは練習もしているので)パフォーマンスのレベルが高く、新バンドのお披露目にふさわしいと思ったからかもしれない。碧天の練習に来なかったのが気まぐれではなく、まだ合わせるレベルになってないからとの冷静な判断だったのもその証左である。
MyGO!!!!!を形作る楽奈の立ち位置、役割がよく分かる前編だったと思う。