「犯人は別にいた」殺人鬼の存在証明 雨雲模様さんの映画レビュー(感想・評価)
犯人は別にいた
当該作品をこれから見る方は、アンドレイ・チカチーロを知ってから見たほうが良いかと思い簡単ですが紹介します。
【アンドレイ・チカチーロとは?】
"赤い切り裂き魔"、"ロストフの虐殺者"等の異名を持つソ連時代のシリアルキラー。
1978年から1990年の間にかけ、52名にも及ぶ女性と子供の命を奪った。1992年10月に有罪判決を受け死刑となり、1994年2月14日に執行された。
チカチーロをモデルにしているのが、アンドレイ・ワリタという謎めいたイメージのあるキャラクターだが、では何故捕まらずに生活が出来たのかとなると、映画では説明されていないが…。
体液から採取する血液型と血痕から採取する血液型が一致しない!
これは10万人に一人いるかいないかの割合で特異な体質のおかげでマークされながらも決定的な証拠がつかめないために逮捕できなかった。
チカチーロをモデルにしたワリタを巡るやり取りと追及する側の刑事イッサ、そして記録係の警察官イワン。イワンが最終的に任意同行を求めた容疑者が現場で採取されたワリタの血液型の不一致を指摘され責任を追及され辞めてしまう。
イワンは警察官を辞めても真相を突き止めたい気持ちに変わりなく、警察が逮捕した双子の犯人ではなく別にいることを誇張するために被害者の妹と手を結び模倣する事件をわざと起こすことによりワリタの逮捕に繋がるのだが、それまでがイッサの不貞だったり、ワリタによる犯行と思わせながらの実はイッサによる犯行だったとか。
イワンもイッサも警察らしからぬアウトロー的なやり取りや手腕で追い詰めるのだが、過去と現在を行ったり来たりする独創的なストーリーは個人的には好きだったかも。
ただ頭の中でずっと考察していたから慣れないと疲れてしまうかもしれませんね。