ドリーム・シナリオのレビュー・感想・評価
全138件中、41~60件目を表示
アリ・アスターファンとして
ニコケイか・・・と思っても、アリ・アスターファンとしては料金払って見なければなるまいと、2025年初劇場。
設定が面白いけど、どんどん風呂敷広げるとたためなくなるよと心配しつつ、大ぶろしきをきれいにたたんだ「アイデンティティー」なんかをイメージしながら、話に入り込んでいた。
怖いし、ひどいし、どうしようもないし、ニコケイ気の毒・・・ってところから、どうオチをつけるかと見守っているうちにエンドロール。
やはり広げ過ぎた風呂敷はたためないってことがわかった。
自分はわからなかったけど、せめてなにかのメタファーだったってことならまだわかるんだけど。
今年も面白い作品や笑えるくらいしょーもない作品に出合えますように。
リコ・シバタとは夫婦円満
相変わらず超ハイペースで映画出演、年じゅう主演作が公開されているニコケイ。最後に観たのが5年前のKILLERS/キラーズなのだが、内容はほぼ覚えていない…。本作は、シュールなコメディからホラー味を帯びていく展開が予告の時から気になっていて、いつまで経っても論文ひとつ書けない、若い女に誘われても失敗する、ついには妻にも見切られる不甲斐ないハゲ頭中高年のニコケイの演技は、マジに映画賞にも引っかかりそうな気配である。
ラストシーンのビッグスーツbyデヴィッド・バーンは自らを大きく見せるだけの虚構という意味にも思えたけど、ポールにとってのドリーム・シナリオがドリームでしかないのがいと哀し。ちなみに終盤に出てくるあの装置の名称が自分に共通する日本人男性名ゆえの他人事ではない感は、オレのドリームかと思った(意味不明)。
夢の進化論と適者生存
実際に夢判断のように解釈を考えるのが楽しい映画。
ポールがみんなの夢の中に現れたのは進化論的に言うと突然変異なのだろうか。適応戦略として言うと、この行為はシマウマの群れに紛れる行為なのか?結果的には逆に目立ってしまったが。いや、そもそも彼は本当は平凡ではないことを示したい、世間から注目されたいとの願望があったのだろう。論文のアイデア盗用への抗議も本へのこだわりも彼の秘められた自己顕示欲の現れなのだろう。それがさらに高じてみんなの夢の中に現れるという彼の特殊能力の開花につながったのだ。しかし、彼はその能力以外は平凡な男なので、ただ見ているしかできなかったが。
モーリーの夢で積極的に行動するのは繁殖のためか。彼の中で妻以外の女性に対する期待はゼロではない。元カノとカフェであったときの彼の表情と態度。次の展開に期待している。しかし、現実にはモーリーによってあっという間に終わっておならまでする始末。現実には彼は平凡以下😭
彼の心の傷、自分と他人への逆ギレはみんなの夢の中での攻撃として反映される。
では、なぜ急に彼の夢はみんなに見られなくなったのか。海外を除いて。
夢の進化において、彼は失敗したのだろう。現実でも暴力を振るう(振るったように誤解される)ことによって、彼の意識と行動が一体化してしまったがために、他人の夢に意識だけを伝えるということができなくなったのだろうか?あくまで、夢に現れるのは、無意識だけなのではあるまいか。(ただ単に彼がもうほっといて欲しいと、本当に心から願った結果だけなのかもしれないが)
そういう意味だと、ノリオが意識的な意識でさえも夢として送ることができる、これは進化である。ただ、まだ不特定多数に送ることができないようだが。ここが進化の余地ありだろう。
ボールは個人としては夢の進化過程において完璧な適合者ではなかったが、偉大なるブレークスルーである。映画の中でも彼の功績にふれているのは優しい
進化は多数の不適合者の犠牲の上で成り立つものである。
今後の夢の進化に注目。
ただ、自分の夢に勝手にCMを流すのは絶対にやめて欲しいけど🤚🏻
ニコラス・ケイジ好きにはめちゃくちゃおすすめしたい映画。同じくニコ...
ニコラス・ケイジ好きにはめちゃくちゃおすすめしたい映画。同じくニコラス・ケイジ変化球映画のアダプテーションと2本たて上映などしてほしい。
でも、別にニコラス・ケイジ?ふーんみたいな人には全然おすすめできない変な映画だ。
私もたぶんニコラス・ケイジでなければもっと評価が下がっていたと思うけど
なんせ彼が好きだし、ニコラス・ケイジが出てる変な映画大好き人間としては大満足の映画だった。
監督の前作シック・オブ・マイセルフよりも映像やストーリーのスムーズさは進化してたように感じる。
それにしても、人の承認欲求とメディアの関係性みたいなものがテーマとして一貫しているのが面白い。
ずっとこのテーマで映画を撮るんだろうか。
あと、ずっとこの話どうオチつけるんだろ?って思うけどなんか悪い意味でまったく釈然としない。終わり方があんまり上手くない印象もある。
ちょっと古い映画だがおすすめ。
今年442本目(合計1,533本目/今月(2024年12月度)21本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
この映画、当時は(といっても1か月前か)は流行ったものの、時間的に見に行けなくて行ってきました。
昆虫学だったか、動物学を教える大学の教授が主人公で、ちょっとしたことから周囲の主人公にあたる風当りが強くなり、最終的には「破綻」を迎えるというシナリオです。この映画でいう「ドリーム・シナリオ」も色々とれますが、主人公としてはできるだけ1人で何もなく過ごしたかったのだろう…といったところです。
この「破綻するにいたる部分」、ちょっとずつ精神を病んでいくシーンに関しては描写が丁寧なので混乱することはないかなという印象です。また、そのような教授を扱う映画であるため、特に動物分野など(生物分野など)は話し方がゆっくり目で学問的な部分も一応あるので(主人公はそうした方)、英語の聞き取りもしやすいほうです。
いわゆるマシンガンをうったりといったタイプのシナリオではないですが、主人公が「破綻」にいたる道のりの部分で頭が「ちかちか光ったり」する部分があります。気にされる方は後方推奨といったところです。
特に採点上気になる点はないのでフルスコアです。
難しくは無いけど、正直、あんま解らなかった!
極普通の大学教授のポールがなぜか?解らないけど
ある日突然、世間の人々の夢に一斉に現れて、一躍有名人になる。
街中で「あなたの夢を見た!」と見知らぬ人々に声をかけられるのだけど
同じようにある日突然、今度は夢の中のポールが夢を見てる人々を襲い始める。
なんですと??
夢を見た人の夢の中でポールが悪事を行うことで
現実のポールに直接何かされた訳でも無いのに、
世間ではポールに対しての偏見や嫌悪が渦巻き始める。
と、ここまでは、レッテル貼りの怖さ、
みたいなそんなのが主題かな〜と思ったのですが
どうやら、そんな単純な話では無いらしい。
ニコラス・ケイジの久々のメジャー感のある映画!
なので頑張って観てきました。
で、月に8回程映画館で映画を観る中途半端な映画好きとしては
この感想のタイトル通り、後半、
所謂ベンチャー企業っぽい描写が出てきてから、
ちょっと眠かった事もあって、理解できてません。
最初に受け取った「レッテル貼りの怖さ」や
「群衆心理の行き過ぎ」などを受け取っておこうと思います。
ニコラス・ケイジの魅力が大爆発した作品
ニコラス・ケイジはすごい俳優だ。ハリウッド大作に主演していた過去にしがみつくことなく、(借金という理由があったとはいえ)小さな映画にたくさん出演してきた。あまりにニッチな映画にも出すぎて、少し笑えてしまうくらい。
本作で彼が演じるのは大学教授のポール。2人の娘と妻がいて、幸せな家庭を築いている。そんな彼が多くの人の夢に登場するという話。ちょっと前に、似たような話があったよな。あの話を題材に(題材にしたのかは不明だが)うまーく映画にしていると感じた。
多くの人の夢に登場したことで一躍有名になったポール。ここで調子に乗ってしまうのが小市民っぽくていい。有名になることの功罪が描かれている印象だ。夢に登場するポールが、何もしないおじさんだったのが、危害を加えるようになって周りの対応が変化していくのも面白い。自分は何もしていないのに勝手に印象が操作される感じ。ドラマや映画で悪い人の役を演じたことでその俳優の印象も悪くなる現象に似ている。かなり理不尽ではある。最後は若干胡散臭い要素も含まれていたが、なかなか興味深い終わり方になっていた。一連の現象に振り回されたポールのことを考えると切ない。
本作に登場するポールはあくまで小市民で、基本的に無害な人間だ。それが夢に登場するととても不気味で猟奇的で暴力的でエロティックな存在になるというアンバランスさが面白いのだが、ニコラス・ケイジは見事に演じ分けていたと思う。特に不気味で猟奇的で暴力的なポールの演技が見事だった。それらのシーンが素晴らしすぎてちょっと笑ってしまった。こんなのニコラス・ケイジにしかできないかもなと。
万人受けしない
でぃすマン
◇ニコケイと共同幻想
日本の思想家である吉本隆明が用いた『共同幻想』という言葉を思い出しました。自己幻想<個人的な幻想>---対幻想<家族・恋人などの幻想>---共同幻想<国家・企業などの社会的幻想> 幻想という無意識的領域を階層化して分類した上で、社会思想化するような論理であったと思います。
この作品の主人公は冴えない感じの大学教授ポール(ニコケイ)。いつかは自分の論文をまとめた書籍を出版するという夢を持っています。但し、「できたらいいなぁ」という漠然とした希望。夢を実現させるような行動が伴わない個人的幻想(夢)のようなものです。自己幻想。
そんな大学教授ポール(ニコケイ)が娘の夢に登場する場面が物語の冒頭です。夢の中で娘が「危機的状況であるにも関わらず何もしない」、ただ立ちすくんでいるだけです。家族が夢に出てくることは珍しいことでもないでしょう。対幻想。
見所であるトリッキーな設定は、家族にとどまらず、生徒たち友人たちにとどまらず不特定多数の人々の夢の中に登場し始めることです。さらにはSNSを通じて世間一般にまで「夢に登場する人物」としてバズっていきます。共同幻想。
嘗て個人の自由を抑圧する国家権力や社会規範などが持っていた強固な存在感は後退して、多様な価値観が乱立する中で、相対的で移り気な世間のレピュテーション(評判)のリスクばかりを気にして振り回されてばかりの世の中なのかもしれません。SNSの軽やかさがその傾向に拍車をかけている気もします。
夢の中で浮遊する感覚は、空に浮かぶ雲のようなネット仮想空間をふわふわ漂うわれわれの日常を象徴しているようです。急速に拡散と収束を繰り返す混沌とした共同幻想に対して、改めて個として自己幻想と向かい合うことの大切さを考えてさせる作品でした。
A24らしい作品☺……かな
映像のテクスチャーとでもいうのかな??
少しノスタルジックな感じがとても特徴的。
これがA24らしさ?それとも製作のアリ・アスターらしさ??
細かいことはあたしにはわからんけど、好きな感じ💜
音は間違いなく『ミッドサマー』っぽさ満載!これも好き💜
これまたヘンテコ世界のMOVIE来たなー。
ただ、これはオーバー過ぎるけど、自分のコントロールの範囲を超えたところで急に人から認知されちゃうこととか、身に覚えのないことで突然他人から避けられちゃうこととかって現実世界でもよくあること。
兎にも角にも日常がいつどんな風に変わるのかはわからないから、いつだって自分にとっての大切な人のことはなんだって後回しにしたりせず、後から後悔することが無いようにその都度なんだって対応するべきだゎ❤ ❤ ❤と感じた☺✨
夢の中に登場、とかの設定はあたしの頭では難しすぎてわかりません‼️
もう刑事(ケイジ)ものは無理かも知れないけれど
何故か多くの人々の夢の中に登場している事が知られてネット上で急に人気者になっていい気になっていたら、今度は「あいつのせいで夢の中で酷い目に遭った」と一転してバッシングされ始めるという理不尽な巻き込まれ型心理ホラー物語です。同じように理不尽な不幸に見舞われる男を描いた『ボーはおそれている』のアリ・アスターがプロデューサーを務め、SNSの評判に人間性が支配される『シック・オブ・マイセルフ』のクリストファー・ボルグリが監督であると聞けば、「なるほどなぁ」とこの居心地の悪いお話も腑に落ちます。
そして、この主人公の男を演じるニコラス・ケイジのショボさがいいんです。決して無垢で善良な市民という訳でなく、ずるさやセコさもある小市民的味わいが絶妙。実生活での浪費が祟って借金を背負ったせいか、彼はこの10年近くは酷いB級映画にばかり出演しており、それはそれでファンもおられた様ですが、僕はちっとも面白くありませんでした。ところが、この2~3年、漸く骨のある映画に帰って来ました。もう刑事(ケイジ)もののアクションは無理かもしれませんが、渋さとみじめさが滲み出る男としてスクリーン上で頑張って欲しいです。
人間はそこまで愚かではないと信じたい
前半は眠気との戦いになってしまい、ドリーム・シナリオに突入するところだった。
現実では絶対に起こらないであろう出来事や葛藤が永遠と続くので、どうしても話に興味が持てず、途中までは「どうでもええわ」となってしまった。
この映画の中にはいろいろな人の夢のシーンが出てくるが、そういうシーンが出てくるたびになんか違和感を感じてしまい、何故だろうと考えた結果、そもそも夢ってそれを見ている人の主観視点で描かれるもののはずなのに、この映画に出てくる夢シーンは全て第三者視点で描かれているから違和感があるんだ、みたいなどうでもいいことを映画を観ながら考えてしまった。
途中、唐突に性的なシーンが出てくるが、女性の言っていることが意味不明すぎてついていけない。
ポールが家族を大事にする男のように描かれていたが、そもそも妻と娘が二人いて女性の家について行ってんじゃねえよと思った。
ポールが人々の夢の中で悪さをするようになってから、周囲の人間がポールに対して差別的な言動をとるようになるが、ここが個人的に受け入れがたかった。
現実のポールは何も悪いことをしていないのに、「ポールに夢の中で酷いことをされた」というポールからすれば理不尽極まりない理由で、非人道的な行動を取る人なんているのだろうか?
人間はそこまで愚かではないと信じたい。
この場面を観ていて、SNS上でデマといっても差し支えないような真偽不明な風説を流布された結果、何も悪いことをしていないのに差別的な扱いを受け続ける川口のクルド人のことを想起した。
この映画で良いと思ったのは、差別的な扱いを受けるポールが世間に屈せず、立ち向かう姿。
車椅子の人が映画館の入場を拒否され、それに文句を言ったらネット上で誹謗中傷の雨嵐、それでも映画館に要望をを伝え続けた結果、映画館側が謝罪し、車椅子の人でも鑑賞しやすいシステムを構築、そんなニュースを思い出した。
車椅子の人が他の人と同様のサービスを求めるのは当然のことだと思うし、何も悪いことをしていないポールが他の人と同じ権利を求めるのも当然のことだと思う。
ずーっと可哀想なニコケイ!
全138件中、41~60件目を表示














