ドリーム・シナリオのレビュー・感想・評価
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不条理劇・・・ニコラス・ケイジが禿げである必要はない。
カフカが「審判」を書いたのが1914年~1915年。
あらがうことの出来ない「不条理」と言う言葉の恐怖。
そして1941年、オーソン・ウェルズ」の「市民ケーン」
テリー・ギリアムの「未来世紀ブラジル」「12モンキーズ」
そしてコーエン兄弟の「バートン・フィンク」
それらの難解な名作を平易にしたような作品。
それなりに新鮮で面白かった。
どうしてもSNSで時代の寵児に祭り上げられた人間を
連想してしまう所が残念だ。
何百万人の夢の中に現れる男・ポール(ニコラス・ケイジ)
はじめは無害で愛らしい人気者が、ある日を境に、
夢の中で《暴力を振るったり》《レイプ》《殺人》などを始める。
世間は好感→嫌悪→排除(削除)
と言う流れでポールに襲いかかってくる。
ポールは初めから終わりまで一貫して《無力》で《無抵抗》で、
流されるままだ。
映画スターやアイドルなども、実態のない《人気》に踊らされ、
浮かれていると、たちまち悪評判を流されて、忘れ去られる。
ニコラス・ケイジの浮き沈みの激しい私生活や人生も加わって、
なんともピッタリな主人公の苦味・渋味・である。
先に挙げた名作に及びもつかないのは、
映像のすっきりしたデザイン、
画一的な登場人物、
スタイリッシュ映像の綺麗さと味気なさ、
特徴のない音楽、
そして何よりラスト。
やはりポールが現実や仮想世界と戦って、
とことん傷つくとか、破滅するとか、偶像化するとか、
インパクト有る不条理なラストが必要だった。
小市民ではなくて、
アウトローの悪のヒーローが良いと思う。
(かなりお行儀良いラストだった)
情報共有社会の暗黒面?
それとも人間の本性であり限界なのか?
自分ではコントロール不能なシチュエーションで社会的な評価がコロコロと変わっていく恐怖を描いた映画だと思いました。
その背景にあるのはSNSによる情報共有だと。
同じシチュエーションで舞台がSNSの普及前の世界であったなら…
新たな集団ヒステリーの恐怖を感じました。
社会の評価につられて仕事に影響が生じ、友人や、家族との関係まで影響を受ける。
すべてが本人には全くコントロール不能な状況によるものであると万人が認識しているにもかかわらず、主人公本人が悪であるかのような社会的合意が形成されていゆきます。
けれど鑑賞後に思いました。
主人公が感じた理不尽さに胸が痛みますが、一方でPTSDにより彼を嫌悪する人々の心情も理解できると。
そして痴漢冤罪事件や、古くは魔女狩りを考えると必ずしもSNSが悪ではない、ただ影響範囲と速度がかつてとは違っているだけではないかと…
集団ヒステリーというのは防ぐ方法がない、人間が持って生まれた本能なのかも知れないという新たな恐怖が胸裏に浮かびました。
かわいそうなおじさん
救い用のないラスト
広げた風呂敷は畳んでほしかった
オチがないからつまらないだけで終わらしてほしくない
監督はノルウェー出身のクリストファー・ボルグリ監督。過去作「シック・オブ・マイセルフ」で独特な世界観「承認欲求」がもたらす破滅を描いた奇才。
そして、今作はA24だけでなく、「ミッドサマー」のアリアスターがプロデュースとして入っているのも注目のひとつ。
あらすじ・・・
大学教授で家族と平凡に暮らすマシューズだが、冴えない自分が嫌でなんとか評価されたいと思っている。ある日、複数の人々の夢に現れていることを知り、突然有名人になるのだが、気がついたら叩かれる存在へ。
なにこれ?どう言う話?どういう結末になるの?って見入ったが月末に一瞬拍子抜けしたかと思えば、どこか「ボーはおそれている」っぽいなって思っていたら、アリアスター制作やったんかい!(後から知りました。)
「夢に出てきたのに何もしない」って部分が超絶妙。なにか良い行いするわけではない、存在を認知されるだけっていう、それが現代では評価に値するって描き方も上手いなって思った。
平凡な人が急に有名に、評価されることになり、少し浮かれた気分になっている間に叩かれる存在へと変わっていく。
まさにSNSに急にバズり、フォロワーが増え、注目されたと思いきや、ちょっとしたことで炎上して叩かれる現代社会を捉えたような印象を受けた。
そしてSNSだけでなく、人生自体そんなものだなって思えてきた。
自分の力以外でひょんといきなり評価されたり有名人になったり、そしていきなり否定されたりってそんなこともあるよね。ってことを不条理さを表現しながら教えてくれた映画だと思う。
クリストファー・ボルグリ監督の今後も楽しみだな。
あと、映画好きな人では、ニコラス・ケイジがこんな役を全力で演じているだけで楽しいかも。ニコラス・ケイジ自身、本作で「キャリアの中で最高の演技」と言っているほど、演技だけで見入ってしまう作品だと自分も思う。
ただ映画を普段見ない人には伝わらないし、何この映画ってなっているみたい。
映画の面白さ=「ストーリー性、オチ」だけではないことをぜひ知って欲しい。
オチがないからつまらないだけで終わらしてほしくない映画だなって見終わった数日後に思った。
サブ的概念を主軸にした是非
この作品そのものは難しくはないが、出来事に対する主人公ポールの内面を考えさせられる作りとなっている。
これは、夢と現実の境界が曖昧になる中で、名声を求めるポールの葛藤を描いたファンタジー・ドラマ。
ポールが他人の夢の中に登場することで一時的に注目を浴びるものの、その名声が逆に彼を孤立させるというストーリーが展開される。
さて、
皆が同じ人の夢を見るというのは邦画でもあったように思う。
トータルリコールの設定にあった「コブラ」のパクリ騒動を思い出す。
それはそれとして、自分がたくさんの人の夢の中に登場するというのはいささか気味が悪い。
夢の中で自分が危険にさらされている。
そこに登場するポールは、何もしないで去る。
似たような夢をたくさんの人が見始めたことで一気に有名人になるポールだったが、彼の目標はそんなおかしなことで有名になるのではなく、本や論文で有名になりたいことだった。
しかし、その事がきっかけで本の出版やスプライトのCMの話が舞い込む。
世界一興味深い人物
やがてポールはエルム外の悪夢のフレディと呼ばれるようになる。
さて、
この作品で面白いのが「SNSの終焉」を語っていることだ。
時に映画は陰謀論に満ち、これから起きることを描いていると囁かれることもあるが、実際夢をコントロールしてSNSの代わりになる日など来るのだろうか?
集合的無意識 新デバイス ニューロテクノロジー
物語は名声とその代償を描いている。
ポールが名声を求める中で、現実の生活とのギャップや内面的な葛藤。
そして夢と現実の境界 夢の中での経験が現実にどのように影響を与えるか、そしてその逆。
さらに、自己認識と他者の視点 他人の夢の中での自分と現実の自分の違いが強調され、自己認識と他者の視点の違い。
また、
「ドリームシナリオ」というタイトルは、映画のテーマやストーリーに深く関わっている。
このタイトルは、夢と現実の境界が曖昧になる中で、主人公が経験する出来事や葛藤を象徴しているようだ。
夢の中のシナリオ
主人公が他人の夢の中に登場することで、夢の中での出来事が現実に影響を与えるという設定。
理想と現実の対比
主人公が夢の中で経験する理想的な瞬間と、現実の生活とのギャップを強調している。
彼が「これが現実だったらよかったのに」と言う最後のシーンは、この対比を象徴しているだろう。
社会風刺
現代社会における名声や承認欲求、SNSの影響などを風刺的に描いているようにも思える。
このように、中々よく練り込まれた脚本だが、心の中心に刺さらない。
こころの中心 普遍的なことではない別のサブ的な要素にウエイトが置かれているので記憶に残らない作品になってしまったことが惜しかった。
濡れ場が情けなすぎる映画NO1
好きなシーントップ3
①映画史上1番情けない濡れ場
若い女の子に迫られて緊張して屁をこくおっさん
ベルトを外されただけで興奮して射精するおっさん
びっくりしてもう一回屁をこくおっさん
恥ずかしすぎてどうしていいか分からず家を飛び出すおっさん
そして女の子の「なんじゃあいつ」って顔しながらグラスを一口
②体育館でセラピー
学生達の1番遠い扉からやってくるおっさん
それを学生たち目線の遠距離カットで見せるから面白すぎる
正直このシーンだけで20分近く見れる
③謝罪動画が酷評
意を決して謝罪動画を公開するも、snsのお作法に則ってなかったので炎上
妻からも「あれはないわ」
主人公はずっと悪くないけど唯一落ち度があるとすれば、メディアに出て調子に乗ったこと
100%可哀想とはなんなかった
ってかなんかスカッともした
夢の再現度すごい
ニコラス・ケイジはこういう感じが面白い 86点
怖いわー
中年加害予備軍男性全ての業を背負う覚悟を見せるニコラス・ケイジ
何を象徴しているのか
主人公(ニコラス・ケイジ)は大学教授、どういうわけか見知らぬ他人の夢に現れ、たちまち有名人になってしまう。
当初は何もせず、ただそこにいるだけの存在だったが、次第に夢の中で凶暴化し、みんなから怖がられるようになる。
主人公にはなんの責任もないので、理不尽なこと甚だしいが、どうしても抗えぬため・・・。
今のSNS炎上騒動とは少し違うかな。
夢が主題だが、これはもう完全に、SNSを示唆してるなーというのが自...
夢が主題だが、これはもう完全に、SNSを示唆してるなーというのが自分の感想。
人の夢に自分が勝手に出てしまって、見せられる方に相当のインパクトを残す。
たかが?夢なはずなのに、そのひとの心に残って、実物を見た時に、見たことある!ってなる。
それって、SNSで、勝手に流れてきたものを見たときも同じことが起きていて、見ている方の頭にしっかり入り込む。
沢山の人の頭に入ったものはものすごい影響力を持つ。私も見た!という共感で拡散する。
たかが?夢に出てきただけなのに見た方の気分を大きく左右するほど影響する。
つまり自分たちも、インス〇などでなんとなく見ているだけでも、心は何かしら影響受けていて、ましてや、何度も過激な場面を見ていたら、どれだけ影響されて、
それが嘘か本当か、根拠なく、反応してしまう。
SNSでもほんとかどうか怪しくても、みんなが共感、いいねしてると信じてしまう。
SNSに洗脳されてる状態。それも自ら。
表面的なことだけなはずが思った以上に頭の中に入り込んで、行動にまで影響する。
こんな頭おかしいことある?っていう現状を、この主人公と、「夢」についてのストーリーで、現代社会に警告してるように感じた。
いちいち、SNSに置き換えて考えてみると、しっくりきて、驚くかも。
「悪い夢も人生の気づき」
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