「サブ的概念を主軸にした是非」ドリーム・シナリオ R41さんの映画レビュー(感想・評価)
サブ的概念を主軸にした是非
この作品そのものは難しくはないが、出来事に対する主人公ポールの内面を考えさせられる作りとなっている。
これは、夢と現実の境界が曖昧になる中で、名声を求めるポールの葛藤を描いたファンタジー・ドラマ。
ポールが他人の夢の中に登場することで一時的に注目を浴びるものの、その名声が逆に彼を孤立させるというストーリーが展開される。
さて、
皆が同じ人の夢を見るというのは邦画でもあったように思う。
トータルリコールの設定にあった「コブラ」のパクリ騒動を思い出す。
それはそれとして、自分がたくさんの人の夢の中に登場するというのはいささか気味が悪い。
夢の中で自分が危険にさらされている。
そこに登場するポールは、何もしないで去る。
似たような夢をたくさんの人が見始めたことで一気に有名人になるポールだったが、彼の目標はそんなおかしなことで有名になるのではなく、本や論文で有名になりたいことだった。
しかし、その事がきっかけで本の出版やスプライトのCMの話が舞い込む。
世界一興味深い人物
やがてポールはエルム外の悪夢のフレディと呼ばれるようになる。
さて、
この作品で面白いのが「SNSの終焉」を語っていることだ。
時に映画は陰謀論に満ち、これから起きることを描いていると囁かれることもあるが、実際夢をコントロールしてSNSの代わりになる日など来るのだろうか?
集合的無意識 新デバイス ニューロテクノロジー
物語は名声とその代償を描いている。
ポールが名声を求める中で、現実の生活とのギャップや内面的な葛藤。
そして夢と現実の境界 夢の中での経験が現実にどのように影響を与えるか、そしてその逆。
さらに、自己認識と他者の視点 他人の夢の中での自分と現実の自分の違いが強調され、自己認識と他者の視点の違い。
また、
「ドリームシナリオ」というタイトルは、映画のテーマやストーリーに深く関わっている。
このタイトルは、夢と現実の境界が曖昧になる中で、主人公が経験する出来事や葛藤を象徴しているようだ。
夢の中のシナリオ
主人公が他人の夢の中に登場することで、夢の中での出来事が現実に影響を与えるという設定。
理想と現実の対比
主人公が夢の中で経験する理想的な瞬間と、現実の生活とのギャップを強調している。
彼が「これが現実だったらよかったのに」と言う最後のシーンは、この対比を象徴しているだろう。
社会風刺
現代社会における名声や承認欲求、SNSの影響などを風刺的に描いているようにも思える。
このように、中々よく練り込まれた脚本だが、心の中心に刺さらない。
こころの中心 普遍的なことではない別のサブ的な要素にウエイトが置かれているので記憶に残らない作品になってしまったことが惜しかった。