劇場公開日 2024年11月22日

「突飛な設定は面白いが、理屈もオチも無いのは・・・」ドリーム・シナリオ 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0突飛な設定は面白いが、理屈もオチも無いのは・・・

2024年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

予告編が面白そうだった。 ニコラス・ケイジの名演を期待するに十分だったのだけど・・・

【物語】
ポール・マシューズ(ニコラス・ケイジ)は平凡な大学教授。 ある朝娘から「怖い夢を見た。お父さんは助けてくれようともせず、傍観しているだけだった」と不満そうに伝えられる。 「そんなことをするはずない」と思いばがら、「夢の中での出来事を非難されても・・・」と訴えてその場はそれで終わる。

ところが、その後大学の学生の間でも同じように「悪夢にポールが登場したが、ポールは傍観しているだけだった」という話を次々聞かされる。やがて、大学内に留まらずポールの夢は世界に広がり、世界中の人の夢に現れるようになり、ポールは世界的有名人になる。 しかし、やがて夢の中のポールは「何もしない」から人々に危害を加えようになり、凶暴化し始める。

現実世界では何もしていないにも関わらず、ポールは憎まれ始め、現実世界で悪夢のような日々を過ごすことになる。

【感想】
正直言って、相当ガッカリ。
ニコラス・ケイジは期待通り、いい演技をしていたのだが、ストーリーがどうにも。 「自分が見ず知らずの他人の夢に現れる」という設定は斬新であり、面白いと思う。 しかし、その大事な設定に関して、何の理屈もオチも用意されていなかった。

SF的、学術的(っぽい)理屈を期待していたわけではないのだが、中盤以降はこれはどういう結末となるのかと思いながら観ているわけで、いずれにしても最後には「ハハ、それはそういうことだったか」的なオチは用意されているものと思っていた。 「あるある」ではなくて、普通にはあり得ない設定だけに、「運が悪い」程度の扱いで何の説明も無いのはどうかと思う。

最初は、この特異な設定が面白いと観ていたが、中盤を超すあたりでは主役ポールが身勝手に見えて来てイライラして来た。不当な非難に腹が立つ気持ちはわかるけど、「自分には何の責任も無いなら周囲の人の気持ちは無視して良い」とはならんだろうと。 それも有って、最後は笑って終われるか、ストンと腑に落ちる結末が欲しかった。

最後は夫婦関係が主題にすり替わってしまったかのようで、
「それ、ちょっと違う」
という感じで、スッキリしないまま席を立つことになった。

泣き虫オヤジ