ソウルの春のレビュー・感想・評価
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ファン・ジョンミン✕クーデター=我々は一つ(ハナ)だ!
安定にノリノリなファン・ジョンミンのパワハラ劇場!互いにカードを切り合う緊迫の攻防戦。いつも現場がコキ使われては割を食う。『アシュラ』よろしくパワハラっぷりと、上に対する媚びへつらいというかヘラヘラした感じも見られる。
韓国映画の歴史モノとかってやっぱり2時間超え普通だったり -- 外国だからそりゃ分からなくて当然な部分もあるのだけど -- こういう風に様々な名前や役職などが飛び交い、各所テンション高く次々と怒涛に進むイメージがあって、ただでさえ鑑賞に体力使うのにその分からなさで更に疲弊しがち…。大前提として、見ているときは食い入るように面白いのだけど!!
ほぼ実話ベースの終始緊張感のあるストーリー
実話となったのは朴正煕暗殺後のソウルの春間に起きた「12.12事件」です。日本の「2.26事件」や終戦直前の「8.15事件」の軍抗争版という感じです。
事前知識が殆ど無い状態で視聴したので、どこまでが実話かは分かりませんでしたが、視聴後に調べてみると事件の大枠はしっかりと実話に沿っていました。
軍の内部抗争を描いた作品のため、登場する人物、部隊、役割等が多く、理解が難しい所もありましたが、関係を理解するのにそれほど時間はかかりませんでした。
終始緊張感のあるストーリーで実話を知らない人にはサスペンスになり、知ってる人にはより詳細なイメージができるなどどちらの人も楽しめる話になっているように感じられました。主人公の俳優が同じこともありますが、「黒金星を追え」が刺さった人は是非見るべきだと思います。
また、映画の評価とは関係ないですが、命令拒否や嫌々で従ってる所から、上層部の政治に利用される現場の将兵が可哀想に思えるところがありました…
後味はよくないな
字幕を追うのに忙しく
1979年12月12日の粛軍クーデターをクライマックスとする韓国軍内部での武装蜂起の顛末を描く緊迫したドラマ。史実をモチーフとしたフィクションであると冒頭にあるが、いやもうそら独裁者・全斗煥の悪事の発端を告発する意図があるのは明白。だから邦題のムード(つまり朴正煕暗殺事件から光州事件に至る民主化への期待と挫折という「ソウルの春」本来の意味からの乖離)が気になるけれど、まあキャッチーだし遠からずという判断か。英語のタイトルはズバリ『12.12: The Day』。こっちのが良くない?
特殊メイクというファン・ジョンミン演ずるヴィランの後退しかけたおでこが全斗煥そっくり。憎々しい演技も素晴らしい。ハナ会の描かれ方がとにかくバカっぽくて、ある程度史実に基づいているのだろうけど、こんな奴らに国を任せてなるものかと思わせる演出、ちと過剰か。
それはそうと、セリフの中に人名と肩書きがやたら出てきて、しかも普段見慣れない役職名や階級名が頻出するもんで字幕を追うのに四苦八苦する。政治ドラマにはよくあることだけど、え、誰?どっちが上?ってなる。ともあれサスペンスフルだしカメラもうまいし上々の一級品と言えよう。
関係ないけど、京都国際の甲子園優勝おめでとう!
胸糞悪いラスト 史実の凄さ。見る価値はあります。
今年観た作品の中で文句なしナンバーワン
力が正義
かなりの知識が求められるので注意。前後を扱ったVODをみてからのほうがよさそう。
今年300本目(合計1,392本目/今月(2024年8月度)25本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
この「ソウルの春」はある程度「長い」出来事ですが、その中の「粛軍クーデター」に焦点が当てられています(他の部分は補足字幕で多少出る程度)。
実際に起きた事件であることは変わりはないものの、主要人物以外は全て架空名に変わっているため把握がしにくいので事前にかなりの知識を持っていないと詰まるのではないかな…といったところです。韓国現代史を象徴する一つの事件について、できる限りどちらかの主張のみを取り入れることなくできるだけ平等に描いたように思えた点は良かったところです。
なお他の方も触れられているように、「南山の部長たち」(この映画の前の出来事)、「タクシー運転手~」(この事件のあとにおきた光州事件を扱う)を見ておくとかなり有利ではないかなといったところです。どちらもVODではあったと思います。
法律系資格持ちなので、この(歴史用語としての)「ソウルの春」「粛軍クーデター」から何が起きたかについて軽く触れておこうと思います。
韓国では何度か軍事クーデタがありましたが、「ソウルの春」においては、「戦争をやめよう」という学生運動が盛んとなりました。日本でも学生運動はみられますが、韓国ではこの出来事に対して学生たちが結託して学生運動を起こしたのが最初と言われます。
また、同じように、こうした軍事クーデタの勃発と付随して起きる労働市場の混乱から生じた、日本でいう「労働デモ」(労働運動)もこのころからです。「内部戦争よりも安定した状態で働きたい」という趣旨でのデモですね。
また、このクーデタはその後光州事件につながりますが、光州事件は麗水・順天事件と同じく韓国軍が国民に手をかけた出来事であり、今でもその被害が伝えられているくらいです(済州4.3事件は、その当時に韓国はまだ成立していなかったので微妙。ただ、広い意味で韓国軍による事件であると説明されるのが普通)。こうした「軍による一般人への攻撃」がしばしば韓国史に見られ、それがまた現代韓国における地域差別をうむ目的となりました(麗水順天事件、光州事件は行ってしまえば「思想弾圧」の事件であったため)。
また、韓国はこのようにクーデタが何度も起きた歴史を持ち、その都度韓国憲法は何度か変わっています(ただしくは改正)。とはいえ、極端に変な改正がされたことはなく、日本は隣国でもあったため、日本の最高裁判例等も参考にしながら、日本では判例法理で認められるようになった「環境権」を明文化するなど憲法改正が(こうした事情により)多い韓国ではあることが特徴です。
採点に関しては特に気になる点までないのでフルスコアにしていますが、VODシステムである韓国近代史を扱う作品(南山の部長たち、タクシー運転手など)を見ているとかなり理解の差が出るので検討されることをお勧めします。
無能な指導者は組織を破壊する元凶だ
全斗煥って,ほぼ名前だけしか知らなかったけど、 こんな始まりだった...
全斗煥って,ほぼ名前だけしか知らなかったけど、
こんな始まりだったんですね
光州事件の時の政府って、クーデターで生まれた政府だったんですね
朴槿恵が大統領になった時に紹介されていたお父さんって、
知日家ってくらいだったけど、独裁政権してた人なんですね
少ししかない私の韓国の知識が少しずつ繋がりました
それにしてもすっごい映画だった
韓国の現代史を学んだ気分
演出とはいえタバコ吸い過ぎ
傑作
それは45年前のこと
1971年生まれの私にとって、彼を知ったのは韓国の大統領だった時代。当時はメディアや教科書でも「ぜん・とかん」と言う日本語読みが一般的だったのを、84年の来日の際に「チョン・ドゥファン」と現音読みするようとの要請があったとニュースになり、またその後割と早く現音読みが一般的になるように変わっていったことが記憶に残っています。
なお、本作でファン・ジョンミンが演じる役名は「チョン・ドゥグァン」ということで、実際にあった12.12軍事反乱(或いは粛軍クーデター)をモチーフにして作られたフィクションです。役者が演じることで(実話とは異なり)かなりドラマチックな演出もあるだろうと思われますが、鑑賞をきっかけに実際の事件に興味をもち、本当のことについて知りたくなるという意味では、充分観る価値のあるがある映画だと思います。
と言うことで、公開初日の午前回に角川シネマ有楽町へ。ファン・ジョンミン×チョン・ウソンと言うこともあり、平日の割には結構入っていたと思います。
なお前文で知ったような雰囲気を出していますが、実際には鑑賞前まで「知識ほぼゼロ」で挑んだ私。正直言えば前半ちょっと付いていけてなかったと思います。まぁ、展開が早くて顔と名前を覚えられない。。とは言え、韓国の俳優さんたちはキャラが強めな方が多いため、各人の「旗色」が判り始めるとようやく理解が追いつき、そしていよいよ12月12日となると最早この「怒涛の展開」×「シーソーゲーム」の虜。あくまでフィクションとは言え、まさかと思いつつ「どちらが勝つのか?」固唾をのんでしまうほど。或いは、ついついヒーロー映画のように新手を期待してしまったりと、終盤はもはや感情移入が止まりません。
まぁ、韓国映画に対してよく言われることですが、ここまで描いてくれるからこその面白さ。ただ、それが出来るのは「こういう過去」が割と最近まであったことへの反動でもあるような気もします。勿論、報道や教育で「真実」を伝えることは大事ですが、映画と言うエンターテインメントから「真実」へ興味を持てるほうが吸収力高く、そして記憶に残りやすい。韓国の文化政策「支援はするが、干渉はしない」、もっともっと見習わなければいけませんね。堪能しました。
1979年、ある闘い
史実とはいえ結末にビックリ!
骨太な歴史劇
朴正煕による18年間の軍事独裁政権後の、全斗煥による軍事クーデターに至るごく短い期間(メインは1979年12月の一夜) を描いた骨太な歴史劇。
結果がどうなるかは知っているのに二転三転する情勢に本当にハラハラするし、欲と執着に正義が敗れ去る展開も残念ながら納得させられた。なりふり構わず、欲も隠さず、嘘でもなんでも手段を選ばない相手に正論がいかに無力かというね…
そしてこれこそまさに「おじさんの詰め合わせ」ながら、みんな実に良い。なんといっても主役の2人、特に全斗煥を演じたファン・ジョンミンの熱演がスゴい。彼ほど、欲望に忠実な悪党を魅力的にみせることが出来る役者はいないね…
1980年代以前は日本映画でも「日本のいちばん長い日」とか226ものとかいろいろあった気がするが、もうそういった作品が出来るような体力はないよね…
その点韓国映画はスゴい。
朴正煕政権を終わらせた暗殺を描いた「KCIA 南山の部長たち」。その後の全斗煥クーデターを描いた本作。全斗煥による民衆弾圧である光州事件を描いた「タクシー運転手」。韓国民主化への最後の戦いを描いた「1987」と最近製作された映画だけで韓国の現代史の流れを理解できるからね。
大事なことだと思う。歴史修正主義にまみれた日本から見ると、実に羨ましい…
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