劇場公開日 2024年8月23日

「現代史」ソウルの春 LaStradaさんの映画レビュー(感想・評価)

現代史

2024年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 お話は無駄な助走なく開幕したかと思うとエンディングまで全力疾走で走り切り、二転三転する展開に僕は客席で拳を握りっ放しでした。権力欲を燃やす全斗煥役のファン・ジョンミンが放つ熱量は凄まじく、やはりこの俳優さんは只者ではありません。また、その怪物振りが異彩を放つが故に、クーデターを鎮圧しようと軍人としての筋を通すイ・テシン役のチョン・ウソンの男気が光りました。また、作中の登場人物は非常に多いのに、日本人の僕が観ても混乱がないほどに非常に整理されている脚本と編集も見事です。

 現代史を次々と掘り起こし、記録し、優れたエンタメとして提示できる韓国映画界が本当に羨ましいな。日本では、政治映画といえば徳川家康を現代に甦らせる程度の生温い事しか出来ないのですもの。

 今年これまで観た韓国映画16作の中では一番面白かったです。

La Strada