「もっと広く公開するべき作品」罪深き少年たち 雨雲模様さんの映画レビュー(感想・評価)
もっと広く公開するべき作品
実際に起きた事件を元に冤罪で逮捕された3人の少年達の無罪を勝ち取るまでを描くストーリー。
事件が起きて5日後には犯人確保という異例の早さで事件は解決したようにも見えたが、翌年に犯人を知るという内容の匿名の電話が入ってくる。
真偽を確かめるべくファンは改めて捜査資料のデータベースを元に徹底的に検証をはじめていくのだが、ボロがポロポロと出てくる。最終的におかしいと気づき、メディアを使ってでも事件の闇を公にしようとした際にファンは島流しの憂き目に遭ってしまう。
そこから17年の月日が流れ、被害者の家族、そして釈放されたが人殺しというレッテルがいつまでも残り続ける少年達が改めて真犯人に告白させて無罪を勝ち取りたいということで一致し裁判へと発展していく。
裁判の結果、無罪を勝ち取り、少年達はやっと殺人犯のレッテルが剥がれ喜びを分かち合う。
警察の初動捜査のミスはあまりにもずさん。3人組の犯行であり土地勘もあるから地元の人間に違いないっていう思い込みから、地元の仲良し3人組を拘束し、暴力で貶め、犯人だと自白させる。
科学捜査云々より、警察の思い込みや十分な被害者からの聞き込みもしないまま、真犯人は野放しにしてしまった。その一方で自白しなかったために年月経てど自らの罪の過ちを思い悩みながらも家庭を持ち幸せに暮らしている。
最終的には、罪をようやく認めたが、時効済みの事案なだけに警察側は刑罰を受けることもなくお咎めなし。果たしてこんな世の中であって良いのだろうか?
警察も人間、人間が人間を指導する、間違いがあって当たり前。
間違いを許容出来ない、組織で隠蔽"ないない"にして何事もなかったかのようにしてしまうというのは日本の警察も同じでは?
これは色々な方々に見てもらいたい作品だ。