貴公子のレビュー・感想・評価
全16件を表示
スタイリッシュとユーモアさ!キム・ソンホの新たな一面
遅ればせながらキム・ソンホ主演のNETFLIXドラマ「海街チャチャチャ」にドはまり中なので、『貴公子』も観ておきたい!と思い鑑賞。
キム・ソンホのファンは言うまでもなく必見だし、韓国ノワール、アクション好きも観て損はないのでは。
とにかくキム・ソンホがこんなにアクションができる人だと思わなかった。
無駄がなくてスタイリッシュ、いちいち画が良い、遠くからのカットやぼやけたカットでも足の長い長身のすらっとした彼のスタイルが映える。
基本の武器はサイレンサー銃?だけど、スパナやら花瓶やらナイフやら注射器やらショットガンやら、その場にあるものを活用しながら目が回るようなアクションを繰り出すところは、恰好いいだけじゃなく泥臭くて好き。
そして今回のキャスティングの妙が一番光ったのは、キム・ソンホの不気味な笑顔!
これが最高!
もちろん俳優兼モデルなだけあってそもそもが恰好いいし、えくぼのある甘いフェイスなんだけれど、ちゃんと見ると目が笑っていないというか、どことなく裏がある感じが今回の貴公子の役にハマりにハマっている。
冗談や軽口を叩いたり口笛を吹いたりと飄々とした姿を見せて、顔をあわせれば大体笑顔。でも、何をしでかすか分からない、味方か敵か分からない、目的も分からない、何を考えているか分からない、やばいやつ。
あと、英語の発音をけなされたり暴言を浴びさせられた時の反応や、少し失敗したときの恥ずかしそうな言い訳する感じとかがユーモアがあって好きだった。
ほんとに…貴公子を演じられるのはキム・ソンホ以外いないのではないか、と思わせられる。
これからもどんどんアクションやってほしい。待ってます!!!
主人公が追われるに追われるストーリーなので飽きずに観られるし、韓国らしい悪役のエグさも健在でそのあたりも満足。
一点、基本舞台は韓国・郊外の道路や森や人里から離れたでかい屋敷なので、画の広さや伸び伸びとしたアクションやカーチェイスが観れるのはいいが、もっとソウルなどの都会で好き放題やるのも観たかったなと…。
というかキム・ソンホの人混み/街中でのアクションを観たかった気持ち。
また、キム・ソンホ以外のキャスティングやキャラも良い。
追われるマルコを演じたカン・テジュの母親思いの優しく真っすぐでしぶとい感じや、キム・ガンウ演じる理事長息子の金持ちくそ野郎感とか。
特に理事長息子のちゃんと自分で手を下そうとするところとか好きよ、悪役財閥にありがちな部下に丸投げ系じゃなくて。
部下たちの統率とれた感じも良かったし。
逆にちょっと気になったのは女性弁護士を演じたAraさん。可愛すぎて今回の映画のトーンやキャラ設定には合わない印象を受けてしまった。。
車でマルコに銃を向けるシーンなど、運転席に埋もれてしまっている感じ?なんだか子どもみたいで急激に現実感が失せてノイズになってしまった。
彼女の存在がいい意味でポップさや華を与えているのかもしれないけど。
あとマルコが逃げるだけじゃなく、反撃するところや活躍するところももっと見たかったな。貴公子が唯一油断したところを助けるとかね。
最後の貴公子の正体や目的はストレートな方向で、そっちに収まるのね、とはちょっと思ったけど、ここまで来て最後までマルコが不幸になるのは見たくなかったので、これで良かったと思うし、純粋に貴公子の存在を消化できて個人的に鑑賞後感も◎
シリーズ化とかは合わないタイプだとは思うけど、まだまだ貴公子観たいよ~~
(ご本人のインタビューでも話されていたターミネーターみたいな走り方、最高でした。それで追ってくるのほんと怖えよ)
悪い奴はほくそ笑み、正しい奴は健やかなる笑顔を見せるものだろうか?
2024.4.18 字幕 MOVIX京都
2023年の韓国映画
極貧のボクサーが正体不明の男に付け回される様子を描いたミステリー&アクション映画
監督&脚本はパク・フンジュン
原題は『귀공자』、英題は『The Childe』で、「裕福な出身の若者」という意味
なお、映画の主人公を「貴公子」表記している場合が多いが、彼自身は「友達(キム・ソンホ)」としか言わない
物語の舞台は、フィリピンのある村
闇ボクシングで賭けの対象になって稼いでいるマルコ(カン・テジュ)は、母(キャロライン・マクホボス)は、フィリピン人の母と韓国人の父の間に生まれた「コピノ(混血児)」だった
彼はコピノの支援学校で学び、そこの校長キム先生(イ・ギヨン)に多大なる恩義を感じていた
ある日、父の居場所がわかったと聞かされたマルコは、父を知る人物の代理人・カン弁護士(ホ・ジュンソク)とともに韓国へと渡った
その機内の中で、マルコに語りかける謎の男は、自分を「人生最後の友達だ」と紹介してくる
関わりを持ちたくないマルコは、男を無視するものの、行く先々で謎の男は姿を現すのである
映画の前半は、極貧生活の中でも母の手術代を稼ぎたいマルコを描き、バーにて出会った謎の西洋人(ジャスティン・ジョン・ハーヴェイ)から宝石強盗の話を持ちかけられる
だが、宝石店に侵入しようとした矢先にギャングに襲われ、さらに逃げる最中に女(ゴ・アラ)の運転する車に轢かれてしまう
病院に搬送され、手当を受けた彼は、わずかな示談金を受け取り、そして、父発見の知らせを聞くことになるのである
物語は、父の正体がわからないまま、命懸けの逃亡劇を繰り返すという流れになっていて、マルコを追うのが謎の男と、財閥の2代目ハン・イサ(キム・カンウ)の部下たちだった
さらにマルコを轢いた女ユンジュもマルコ争奪戦の一味であることが発覚し、他の者どもを出し抜いたユンジュは、マルコに「父の正体と韓国に連れてこられた目的」を知ることにある
それは、心臓病に扮している父(チェ・ジョンウ)が実の父親で、狙いはマルコの心臓だった
財団はハン会長の後妻であるチャン女史(ハン・ジウン)の娘・ガヨン(ジョン・ラエル)が正当な相続人とした遺書によって混乱していて、ハン・イサは父の病気を治して遺書を撤回してもらおうと考えていた
だが、その思惑を阻止するために、ガヨンはユンジュに依頼をかけていて、さらにこの一連の動きを牛耳っていたのが謎の男だったのである
謎の男は、でっち上げの腹違いの弟を探し出し、キム先生を通じてマルコを紹介してもらう
謎の男もコピノで、キム先生の教え子であり、そして病を抱えて、死ぬ前に何かしたいと考えていた
それがハン・イノを脅迫して「腹違いの弟と引き換えに1000万ドル」を手に入れて、そのお金によって「コピノの学校の再建」をしようと目論んでいた
実の父にようやく会えたマルコは、その悲しい目的を知るのだが、それらは全て「嘘」だったことがわかる
マルコは母の手術代を手にいれ、学校も再建できたのだが、素直に喜ぶこともできず、謎の男につれなく接してしまうことになった
映画は、その後も「実は」という展開になっていて、それらを含めて「貴公子とは誰だったのか?」という結末へと繋がって行く
謎の男は何かしらのプロで、それは暗殺者ということになると思うのだが、彼がどのような経緯で今の位置にいるのかなどは一切語られない
謎の男は謎のまま、ということなのだが、感覚的には「彼こそが本当の腹違いの弟である」という説は肯定も否定もされないという感じになっていたように思えた
いずれにせよ、先の見えない展開になっていて、サイコパスっぽい謎の男も魅力的なキャラに仕上がっている
アクションシーンなどはガチで大変なことになっているが、謎の男がコメディリリーフを務めているのは面白い構造になっていると思った
そのコミカルさは大体滑っているか相手にされていないかのどちらかだが、それも含めて魅力的なキャラであったというのは間違いないと感じた
続編を一応は匂わせているが、あるとすれば「謎の男の出自が想像通りだった」ならば安すぎる話になってしまうので、想像の斜め上を行く真相を期待したい
骨粗鬆症
なんだか骨組が柔らかい。
どんなノリで作られたんだと思う。
予告詐欺のような本作。
結構シリアスなフリで主人公もどこか異様な印象。滑り出しは順調だった。ちょいとドタバタは長かったような気もしなくはない。
ネタバラシも感心しなくはない。
父親に心臓を移植する為に、腹違いの弟を兄が探す。その弟は韓国とフィリピンの混血で「ライダイハン」と呼ばれる人達で、韓国では「コピノ」と呼ばれる。
なかなかに血生臭い背景と差別の歴史がつきまとう子供達だ。
なのだが…
骨太な設定の割には、中身が…なんか終盤に向けボロボロとメッキが剥がれていくような感じだ。
結局のところ、今回の計画を立てたのは主人公で単独なような印象を受ける。
つまりは、その弟を追い詰める理由がないのだ。韓国に連れて行くにしてももっと上手く出来るだろと思える。
そう考えてしまうと延々と無意味な迷走を見せられてたのかと釈然としない。
極め付けは、金の受け渡しで…送金が終わって弟を渡してしまえば、取り囲まれて襲われるのは当たり前だわな。
彼は自分の事をプロだと言い放つのだけど、プロならば無駄なリスクは負うべきではないと思われる。
じゃあ、ソレ自体が彼にはリスクで無いとするならばなんだけど、対応策としては行き当たりばったりなのだ。
なんか終盤にきて「コイツ抜けてんのか?」と変な疑念が浮かんでくる。
で、この計画の動機が「余命を意識した殺し屋が、思いついた最期の善行」みたいな事なのだ。
…事が大袈裟すぎやしないかい?
シリアスだと思われた作品の内幕がコントのような様相を示し始め、挙げ句の果てに主人公が感じた余命は勘違いで、禁煙した事による副作用らしい。
そして闇医者に高額の金を払っていた薬は、総合ビタミン剤なのだとか。
…よもやこんなオチが待っていようとは。
脚本の裏切りには定評のある韓国。俺も大好物なわけだけども、まさかこんな形で裏切られるとは。
予告編はいつから「作品の紹介」から「客を呼び込む餌」になったのだろう?嘆かわしい事である。
予告編に登場する全てのファクターは嘘ではないのだが、的外れにも思え…それを正当化する文言としては「個人の解釈の差」なわけだ。
ある一方向に誘導しといて、解釈の差もクソもないもんだと思う。
結構いい感じだったのだけど…後半に入り肩透かし感が半端なかった。
まぁ、予告編チームもどうアプローチするべきか悩んだのだと思いたい…。
鉄の心臓。
マルコ、とにかくよく走る、移植にはもってこいの鉄の心臓だ。1000万ドルがはした金の悪がさらなる財産と地位のためとはいええげつないこと考えるな。なるほど殺し屋イケメンだし白血病か結核っぽい発作あるし貴公子って呼ばれるのはだてじゃないと思ってたら
ラストの実はビタミン剤にはやられた。
まあまあだった
アクションや格闘など好きな要素がたっぷりなのにあんまり面白くない。ストーリーをこねくりまわして登場人物をないがしろにしているせいではないだろうか。もうちょっと登場人物を好きにさせて欲しいものだ。
じいさんが実は心臓が欲しいだけだったとか、他の臓器も弱っているだろうし移植したって長生きできねえよ。
シリーズ化狙ってそう
冒頭からのフィリピンパート、入り乱れる登場人物が敵か味方かわからず展開も読めず、ぐいぐい引き込まれた。
韓国に舞台が移って、ようやく全体の構図が明かされるがタイミングも明かし方もちょうどいい感じ。カー・アクション、ガン・アクションが手を変え品を変えバリエーション豊富。テンポもよく、さすが韓国映画。
伏線も含めて事の真相がラスト近くで一気に回収されて、ミステリー部分も良くできていて面白かった。
ノワールかと思ったらノワール要素あるがコメディよりのアクションで楽しめました。
貴公子のキャラが良いです。
きれいな白面に不気味な笑みを湛え、身だしなみ命で涼しい顔でエグいことやり、不死身っぽい動作に感情がいくつか欠けてるような、ターミネーターか。何でもありな韓国映画なので実はサイボーグとか?と思ったがそこまではなく、生身の人間でしたね
運転すると性格変わる人みたいに仕事中とオフの切り替え早く落差激しく、オフだと結構間抜けなのが笑える。もっこりしない冴羽獠みたい
続編狙ってますねー
貴公子とマルコ、生き残った財団のお嬢と3人のユニット、スポンサー兼マネージャーのお嬢に「貧乏人が!」と罵られながら仕事する男ふたり、っていいんでない。
キム・ソノより、マセラティのほうが貴公子(断言)
まあ、こんなもんでしょ!と言える一作。
良い意味で ぎゅっとまとまったアクション作品だったし、さすが韓国映画だなと。
でもなあ。韓国映画は素晴らしい作品の宝庫なので、なんでかなー、これくらいでは満足しなくなってきたのかも。って感覚も否めない。
さらに、ポスターや予告編で期待したけども、But this isn't a noir film... それとアクションコメディの間くらいの中辛味だ。ハナからそう思って見ればよかったかな?
甘め採点の☆4です。
***
韓国芸能界に特有のゴシップからの強ダメージの後、銀幕から本格復帰のキム・ソンホ主演作。キャリアの仕切り直し。そして何ならですね、シリーズ化、狙いたい!という事務所の意気込みを強く感じる内容だった。
本作のイチバンの見どころは、何と言っても、マルコと貴公子が機内で初めて最接近するアノ場面。機内上映を見ているマルコの左後ろから【ぬーっ】と出てくる貴公子の横顔。気づき振り返るマルコを見つめ【ニヤリ…】(^_^;)おーっと!これはキモコワいぞ。ソロモンの偽証の永作博美を思い出したワンシーンだが、極上のイケメンの爽やかな笑顔を、ここまでキモコワな笑顔に変えられる演出と演技に内心、拍手。
でも個人的に このコワさ、ラストまで引っ張ってほしかったのだ~~(T_T)
物語中盤の"追いかけっこ”のあたりからは貴公子=守護者としての存在感が高まり、共にアクションコメディ映画に変貌していく本作であり、貴公子はまるでシティ・ハンターの冴羽獠みたいなキャラに。ざんねん。
とは言え!カーアクションは痺れるほどのカッコよさ。マセラティとベンツのチェイスは劇場で見る価値アリ!!っていうかマセラティがやっぱりかっこよすぎる!やばい~(〃∇〃)
さらにさらに、ラストのハイスピードな血戦はさすがの一言!手に汗握る暇もない。
この30分で満足度はグッとアガり、冒頭のひとことに繋がったのだ。
Bestie
韓国ノワールは当たり外れが激しいジャンルなのですが、惹かれるように観に行ってしまうので虜なんだと思います。「THE WITCH」のパク・フンジョン監督だったのである程度の安心感はありました。
これは当たりでした。エグさ全開のオープニングからまず引き込まれましたが、そこからの流れは誰が誰の味方で敵でという目まぐるしさとアクションが連続してやってくるので、全編通して飽きる事なかったです。
母親の病気を治すための治療費を稼ぐために賭けボクシングをやっている青年・マルコが生きているかもしれない父親から連絡が来たのをきっかけに様々な組織の権力・財産争いに巻き込まれるといった感じの作品です。
マルコは早い段階で追いかけられまくるので、果たして体力は持つんだろうか(役者さん含め)と心配になりましたが、結構走り方がぶれっぶれになっていたので、あー疲れてたんだなぁと(役者さん含め)お疲れ様でしたと言いたくなりました。
中盤は貴公子とマルコの逃走中が繰り広げられますが、別にここは無くてもストーリー的に問題は無いよなぁとニヤけながら観ていましたが、このターンで貴公子のキャラクターはこれでもかってくらい分かるので、キャラの深掘りには成功していたと思います。
屋根から屋根へつたいまくるパルクールアクション、車道を全力疾走したりと絵面が派手で良かったです。
雨に濡れるのを嫌ったり、髪の毛を整えたりと身だしなみを気にする貴公子のキャラクター性も印象に残るものでした。
終盤の室内アクション、これは見応え抜群でした。「T HE WITCH」ではとんでもアクションがメインだったので、しっかり地に足ついたアクションもやってくれるんだな〜と嬉しくなりました。
銃ぶっ放しまくり、メスや注射器フル活用、キックパンチの応酬、1対多数もなんのそのの勢いで蹴散らしていき、足が撃たれた事なんて忘れてる集中っぷりがいい塩梅になっていました。
不満点としてはマルコがそこまで活躍しないところです。ボクサーという設定は後半ほぼ無いものになっていて、基本的に貴公子の行動を見守るか、むっちゃ走って疲れてるかなので、足を引っ張ったりはしないんですが、これといった魅力は感じなかったです。
貴公子vsマルコvs組織の三つ巴感を最初は期待していましたが、早い段階で貴公子がマルコを助ける側に回ってくれるので、1対1の構成に早々と切り替わってしまったのも惜しかったです。もっと入り乱れてほしかった〜。
無事に抜け出して外で2人で再会して、やんややんや言い合うシーンは微笑ましかったです。
大オチがまさかの病気だと思ってたら思い込みで、知り合いの医者に騙されてビタミン剤飲まされてた〜というズコーってなる感じのオチだったのが面白かったです。序盤のあの暴れっぷりは一体なんだったんだってくらいポップな終わり方でした。
序盤と終盤ではガラッと印象の変わる作品で、エンタメ性抜群で楽しかったです。バディものに昇華させて続編とか作ってくれたら嬉しいな〜ってなりました。
鑑賞日 4/13
鑑賞時間 10:45〜12:55
座席 G-9
貴公子は「野獣死すべし」➕「探偵物語」
主演のキム・ソンホはこのキャラクタに合っていたと思います。
風貌は全く違いますが、松田優作の「野獣死すべし」と「探偵物語」の主人公のキャラクタを合わせたような貴公子に感じました。
プロの仕事(殺し)の残酷さと飄々とした雰囲気はなかなか面白いキャラクタだと思います。
瓶コーラをストローで飲む
主演のキム・ホンソはとにかくカッコいい。いかなる時も表情を変えず、スーツもバッチリ決める。しかし、貴公子は名前が明かされていない。それだけ謎の追跡者という恐怖を感じる。瓶コーラをストローで飲む。そしてゲップ。コミカル要素も。このキム・ホンソは映画初出演。韓国の層の厚さおそるべし。
以降ネタバレあります
フィリピンボクサーのマルコは貴公子だけでなく、財閥御曹司ハン理事の軍団の追跡にも巻き込まれる。助けてくれた女性もとんでもないカーチェイスを繰り広げる。この女性も偶然出会うなんてない。女性も敵か味方か。
前半はよくわからない所もあったが、中盤の屋根からの追跡、橋からジャンプ。1対1対軍団の大カーチェイスはとにかく見応えがあった。
後半からハン理事の別荘に舞台を移し徐々に真実が明らかに。しかしここにもとんでもない人物がいた。ハン理事の妹。ついつい、ちょっと前に話題になった◯◯姫を思い出してしまう。
大学や病院を多数持つ財閥の実態は、海外に闇口座を持ち、銃やライフルを大量に持つ実質マフィアであった。病人がいるのに銃撃戦。しかしマルコを殺したらいけないので、理事もなかなか手を出せず。
マルコがフィリピンから韓国に連れて行かれたビックリの理由。結果オーライだからまあいい、のか?殺されるかもしれないのに。
でもマルコはボクサーだけど、あんまりボクサーの設定は生かされていなかった。銃が相手ではどうしようもない。(一度はパンチがあったが)
始終クールだった貴公子のラストも、クールの対照で良かったな。ゲップで隠そうとしたのか、原因だと思ったのか。
キャラはいいけど
追いかけっこで尺を取ってるのが気になった。笑う殺し屋というキャラクターは面白い。血で靴が汚れるのを嫌うのならクライマックスで血飛沫を浴びてしまう戦い方なのはどうなんだろう
【”コピノ。「友へ チング」ブラックブラッディヴァイオレンスヴァージョン。”最後半まで激しい銃撃戦、カーチェイス、追跡シーンに魅入られ、最後に爽やかな笑みを浮かべた謎の男の行動心理が分かる作品。】
ー コピノ:韓国の男性と、フィリピンの女性の間に生まれた子を意味する。-
■序盤、コピノであるマルコ(カン・デジュ)は、貧しい暮らしの中寝たきりの母を見ながら、闇の地下格闘で日銭を稼ぐ日々。
犯罪に手を染めかけた所に、行方不明だった韓国人の父の行方が分かったと連絡が入り、怪しげな男達と、飛行機に乗り韓国へ向かうマルコ。
だが、その飛行機には爽やかな笑顔を浮かべ、マルコを”友達”と呼ぶ男も乗っていた。
◆感想
・爽やかな笑顔を浮かべた謎の青年を演じたキム・ソンホの存在感が凄い。映画初主演だそうである。
・マルコは巨大財閥の御曹司であるハン(キム・ガンウ)達に、執拗に追われる。だが、ハンは部下たちに”マルコを捕まえても、殺すな”と言う。
一方、爽やかな笑顔を浮かべた謎の青年も執拗にマルコを追う。
ー この辺りの、カーチェイス、激しい銃撃戦、追跡シーンなど見応え充分である。だが、ユーモラスを漂わせた謎の青年の真意は分からない。-
■ハンは巨大財閥を築いた今や瀕死の父にマルコの心臓を移植手術させようとしている事が分かる。
何故なら、今、父が死ぬと父の後妻とその娘に全財産を持って行かれるからである。
・マルコは捕まり、正に心臓移植手術を受けさせられる時に、謎の青年がハンの大邸宅に現れ、医者たちを一掃する。
そして、ハンの部下も物凄い銃撃戦の中、一掃する。
そして、謎の青年がハンに要求した1000万ドル。
ハンは全ての悪事を握られた故に、1000万ドルを男が指示した口座に送金する。
・更に激しい銃撃戦は続き、ハンは絶命する。
”プロか・・。認めるよ。頑張ったな、貧乏人。”
■で、終わると韓国アクションノワールの逸品という事になるのだが、流石パク・フンジョン監督。
ここでは終わらない。
歯ぎしりする後妻の生意気娘の頬をビンタし、マルコに自分の素性を明かすのである。
<舞台はフィリピンに戻り、謎の青年は”コピノ”達の学び舎の建て替え現場に相変わらず爽やかな顔で佇んでいる。明らかに資金は、あの1000万ドルであろう。
そして言う。”死ぬ前に、良い事をしておきたかったんだ。ゲホゲホ・・。”
劇中から男は時折、嫌な咳をしていた事が、脳裏を過る。
と思ったら、更にここでも映画は終わらない。
謎の青年はある医者の前で、”最近、体調が良くて少し太ったんです。”と言う。
そんな青年に、医者は”煙草の吸い過ぎだったんだよ。あと、キチンとした医者に行きなさい。”と宣う。
驚いた青年は、”じゃ、あの闇医者の薬は?”
医者は更に宣う。”ビタミン剤だよ!!” あー、可笑しい。
今作は、最後半まで、激しい銃撃戦、カーチェイスに魅入られ、最後の最後に爽やかな笑みを浮かべた、謎の男の行動心理が分かる作品である。
流石、パク・フンジョン監督。脚本も含めてお見事です。>
オシャレは足元から。
キレイめなスーツに拘りの靴、飲み物はコーラ瓶にストローはマストな貴公子(殺し屋)と、地下格闘技で日銭を稼ぎながら病がちな母の面倒を見るフィリピンに住む“コピノ”なマルコの話。
ある日、今まで会ったことのない父親が探してると弁護士が訪ねてくる…、その父親に会おうと韓国行きの飛行機へ、その飛行機内で話しかけてきた男に「誰だ?」と聞くと「友達さ」と返答するその見知らぬ男だったが…。
身だしなみには拘る貴公子、冒頭の血で汚れた手で靴を触られそうになって「並んで買ったお気に入りの靴」というセリフから個人的ツボで。
複数の男達から囲まれても笑顔絶やさず髪を掻き分けてはサクサク殺しってちゃうプロの貴公子に釘ずけで、あの状況じゃ無理だろなんて思っても潜り抜けてしまう無敵な感じはちょっと男からすると憧れでもあり。
足を撃たれてるのを忘れて闘うけど思い出しては痛がる感じのユーモアさとセリフの遊びは流石韓国作品って感じで恐いけど面白いって感じで楽しめた。
個人的良かったのは屋根から壁へとショートカットでマルコを追う貴公子、橋を飛び降りトンネル抜けたら雨、その雨で靴が濡れるから追うの止めてしまうキャラ設定、服、靴、髪型に拘る感じのキャラは好みです。
私も服、靴大好きだから、このキャラに共感できる。
悔しかったのは一瞬ウトウトしてしまった~
韓国最強のマ・ドンソク兄貴とは違った意味で最強の貴公子。
自分がプロであることを、ことあるごとに言う貴公子。余裕ある笑顔がある種の不気味さを醸し出している。マルコは自分が追われてる理由も分からないから余計にそう感じて気味が悪かったと思う。
ユーモラスでとぼけたような言動も、実は本当に強いことからくる余裕であったことが終盤の大乱闘からうなずけた。
貴公子は、もらうもの貰ったから、もうオレは帰るよと立ち去ろうとする。それに対し、財閥一味全員が銃を突き付けてくる。仲間はいないし、ダイナマイト体に巻いてたりしないし、見ていて、あれ?絶体絶命でもうダメじゃんと思っていたところからの巻き返しの強さたるやハンパナイ。
ジョン・ウィックやイコライザーなみの強さである。撃たれた足の痛みも忘れて大暴れして、全員やっつけてしまった。あまりの強さに驚いた。( ̄□ ̄;)!!
財閥の奴らのアコギさに頭に来てたから悪役退治にチョッとスカッとした。
雨に濡れたくないからマルコの追跡やめたのと、ビタミン剤で大金ぼったくられてたところが笑えた。
全16件を表示