「また映画評風に」貴公子 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)
また映画評風に
またまた映画評風に・・・
映画『貴公子』レビュー:三冠王村上と大谷翔平
パク・フンジョン監督待望の最新作『貴公子』が、
ついに日本上陸!
期待に違わず、
シナリオ、演出、演技、
全てにおいて高水準な作品に仕上がっています。
まず光るのが、巧妙に練られたシナリオです。
父をたずね(てない)て三千里、
ストーリーは、王道でありながら、
飽きさせない展開が続きます。
特に、貴公子の正体や目的が徐々に明らかになっていく過程は、
ハラハラドキドキの連続です。
演出も文句なしです。
パク・フンジョン監督は、アクションシーンはもちろん、コミカルなシーンやシリアスなシーンも巧みに演出しており、観客を飽きさせません。
そして、俳優陣の演技も光っています。
主演のキム・ソンホは、
魅惑的でユーモラスな貴公子を熱演、
コミカルな演技も見事にこなしており、
カン・テジュやキム・ガンウなど、
脇を固める俳優陣も好演しており、作品に深みを与えています。
しかし!
近年の韓国映画は目覚ましい進化を遂げており、
『貴公子』もその水準に達している作品の一つと言えるでしょう。
しかし、「面白い」というレベルでは、
他の作品と比べて埋もれてしまう可能性があります。
例えるなら、三冠王のヤクルトの村上選手と、
大谷翔平選手のような関係でしょうか。
どちらも素晴らしい選手ですが、大谷選手の方が圧倒的な存在感があるというイメージです。
パク・フンジョン監督の才能は疑う余地ありません が、
本作は彼の過去の作品と比べると、
ややインパクトに欠けるという印象は否めません。
それでも、十分に楽しめる作品であることは間違いありません。
エンターテイメント作品として、北南問題、左右対立、貧富の差、さらにはラブコメ要素まで盛り込んでくるようなムービングを始めとした、
「今まで観た中で一番面白い映画!」を連発してくるような現状で、
絶賛できるかどうかは、人によって異なるかもしれません。
それでも、パク・フンジョン監督のファン、
または、
貴公子、美し過ぎるキム・ソンホファンなら、
必見の作品と言えるでしょう。