「Bestie」貴公子 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Bestie
韓国ノワールは当たり外れが激しいジャンルなのですが、惹かれるように観に行ってしまうので虜なんだと思います。「THE WITCH」のパク・フンジョン監督だったのである程度の安心感はありました。
これは当たりでした。エグさ全開のオープニングからまず引き込まれましたが、そこからの流れは誰が誰の味方で敵でという目まぐるしさとアクションが連続してやってくるので、全編通して飽きる事なかったです。
母親の病気を治すための治療費を稼ぐために賭けボクシングをやっている青年・マルコが生きているかもしれない父親から連絡が来たのをきっかけに様々な組織の権力・財産争いに巻き込まれるといった感じの作品です。
マルコは早い段階で追いかけられまくるので、果たして体力は持つんだろうか(役者さん含め)と心配になりましたが、結構走り方がぶれっぶれになっていたので、あー疲れてたんだなぁと(役者さん含め)お疲れ様でしたと言いたくなりました。
中盤は貴公子とマルコの逃走中が繰り広げられますが、別にここは無くてもストーリー的に問題は無いよなぁとニヤけながら観ていましたが、このターンで貴公子のキャラクターはこれでもかってくらい分かるので、キャラの深掘りには成功していたと思います。
屋根から屋根へつたいまくるパルクールアクション、車道を全力疾走したりと絵面が派手で良かったです。
雨に濡れるのを嫌ったり、髪の毛を整えたりと身だしなみを気にする貴公子のキャラクター性も印象に残るものでした。
終盤の室内アクション、これは見応え抜群でした。「T HE WITCH」ではとんでもアクションがメインだったので、しっかり地に足ついたアクションもやってくれるんだな〜と嬉しくなりました。
銃ぶっ放しまくり、メスや注射器フル活用、キックパンチの応酬、1対多数もなんのそのの勢いで蹴散らしていき、足が撃たれた事なんて忘れてる集中っぷりがいい塩梅になっていました。
不満点としてはマルコがそこまで活躍しないところです。ボクサーという設定は後半ほぼ無いものになっていて、基本的に貴公子の行動を見守るか、むっちゃ走って疲れてるかなので、足を引っ張ったりはしないんですが、これといった魅力は感じなかったです。
貴公子vsマルコvs組織の三つ巴感を最初は期待していましたが、早い段階で貴公子がマルコを助ける側に回ってくれるので、1対1の構成に早々と切り替わってしまったのも惜しかったです。もっと入り乱れてほしかった〜。
無事に抜け出して外で2人で再会して、やんややんや言い合うシーンは微笑ましかったです。
大オチがまさかの病気だと思ってたら思い込みで、知り合いの医者に騙されてビタミン剤飲まされてた〜というズコーってなる感じのオチだったのが面白かったです。序盤のあの暴れっぷりは一体なんだったんだってくらいポップな終わり方でした。
序盤と終盤ではガラッと印象の変わる作品で、エンタメ性抜群で楽しかったです。バディものに昇華させて続編とか作ってくれたら嬉しいな〜ってなりました。
鑑賞日 4/13
鑑賞時間 10:45〜12:55
座席 G-9