「牛丼」フォールガイ だむさんの映画レビュー(感想・評価)
牛丼
大盛の牛丼みたいな映画である。デカい丼に山盛りの肉がよく煮込まれて濃い色になっていて湯気が立っている。濃い味付けだ。匂いを嗅ぐと箸を突っ込んでガッつきたくなる。
そんな映画だ。小細工無し。幸せなキスをして終了する。
複雑な伏線とか繊細な人物描写とか深いテーマ性とか要らない。
牛丼を食え。
主人公であるスタントマンを支えるのが監督(=恋人)やアクション監督・エキストラであり、対立するのが主演俳優・プロデューサーという、「使われる側VS使う側」という構図になっていて、娯楽大逆転劇としてハチャメチャで痛快だった。
特に最後の乱闘シーンがハチャメチャで、「どうして映画の製作スタッフが銃を装備した訓練を受けてそうな人間と殴り合えるんだ?」と疑問符が沸きますが、牛丼だからです。
火薬を大量に使用したりエンディングでメイキングの映像を流すなど、アクション映画が好きなら「あーこれこれ! これ美味しい!!」と言いながら牛丼を食える。
ライアン・ゴズリングは「ブレードランナー2049」とか「ラ・ラ・ランド」の印象が強かったのでアクション映画に出るイメージがなく、どんな演技をするんだろうと思ったんですが、細身でシャープでカッコ良かった。あと、アクション映画で主人公が特殊工作員とか元軍人、武術の達人はよくありますが、スタントマンだから動ける・戦えるという理由付けは個性的だな、と思った。
予告編で「これはうまそうな牛丼だ」と思ったので、映画館に行きましたがイメージ通りの牛丼が出て来て満足しました。ですが、見せ場の多くが予告編で使われているシーンで、「あ、見たことある」と思ってしまった所か。もう1,2シーンくらい「おお!」と思わせるものを入れてほしかった。