「スタントは映画の要にして華」フォールガイ regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
スタントは映画の要にして華
オリジナルのテレビドラマ『俺たち賞金稼ぎ!!フォール・ガイ』は熱心に観ていなかったものの、主演のリー・メジャースを中心とする陽気な連中が、チームを組みスタントスキルを活かして副業(賞金稼ぎ)をしていくという設定は、いかにもアメリカ的だと記憶している。
その映画版となる本作は、ライアン・ゴズリング扮する元スタントマンが、巻き込まれたトラブルを体一つで解決しなければならなくなった一方で、エミリー・ブラント扮する元カノとのラブロマンスに重きを置いたストーリーになっている。その恋愛描写がかったるかったのは大きなマイナス。
しかし、随所に盛り込まれたカーチェイスや対人バトル、さらに水上でのボートチェイスなど、あらゆるアクションシークエンスは見応えアリ。その大半をリアルスタントで撮っているのは、スタントマン出身のジェイ・ローチのプライドだ。終始ゴズリングのワンマンショーになるのかと思いきや、終盤でのシークエンスでオリジナル版をしっかり踏襲しており、ド派手にバカバカしく(ホメ言葉)やっているあたりさすが映画版といったところ。『特攻野郎Aチーム』同様、映画版になるとやり過ぎな位クライマックスがトンデモ展開になる。カメオ出演(ドラマ版を観ていた方なら懐かしい事この上なし)やエンドクレジットも目が離せない。
今年は偶然とはいえ、『ライド・オン』や『ポライト・ソサエティ』など、スタントマンが軸となった作品が公開された。やっぱりCGではない生身のアクションは廃れさせてはいけない。
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