「この原作マンガの映像化は長編映画サイズの方がいいのかも」チェンソーマン レゼ篇 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
この原作マンガの映像化は長編映画サイズの方がいいのかも
アクションも派手で面白いのだけど、痛切にエモーショナルなことが一番の本作で魅力的な部分だと思う。派手さと繊細さが同居した見ごたえある一本だった。レゼの感情は、原作以上に伝わる内容になっていたように思う。
一本の映画として、独立したストーリーとしてもかなり上手くまとまっていた。主人公が女性と出会い、恋に落ちるが、実は敵(ファムファタル的な)であって、対立するけれど、最後には思いが通じ合うかもしれないと思わせたところ再会は叶わない。その裏で何が起きていたのか、観客だけには提示され、メロドラマとしても成立している。なんとなくパワーがデンジの変えるべき日常みたいな扱いになっているのもいい。
映画館映えする派手なシーンも盛りだくさんあるが、抒情的なシーンでむしろセンスが際立っていた。『チェンソーマン』この2つの両極なエッセンスが振り子のように交互にやってくるのが面白い部分でもあるので、長編の長い時間枠でその2つを体験させる方が、作り方として合ってるのかもしれない。
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