「ああ……ってなる」チェンソーマン レゼ篇 野菜のおじさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ああ……ってなる
原作もこのエピソードもめちゃくちゃ好きだということを前提としておく。
なんかもう本当に「うるさいネット民に怒られないことを第一に考えて作ったな」としか……
そもそも原作が本来低いテンションでダラダラ喋る日本映画ノリの作品で、抑揚がどうたらの騒ぎはミーハーの妄想からくる妄言なんだから無視しておけばよかったのに。
(結局今作も抑揚は結構抑えられてるが、劇場の音響のおかげなのかちゃんと抑揚をつけてることになっているらしい)
レゼを"ひと夏の危険な恋の相手"としてしっかり魅力的に魅せた、という点しか褒めるところが無い。このエピソードの核はつまるところそれだからその点だけでも星3はつけられるが。
マキマの輪郭線が原作通り荒れたままになっているのを見た時は本当に声が出そうになった。マキマをレゼと同等に魅力的な美女として描かないと話が成立しないだろうが。
そんなにバカの騒ぐ声が怖かったのかと。
アクションシーンに関しては……なんというか
劇場から出た時に「作画が凄かったな」って言葉が聞こえたのが全てだと思う。
今作に限らないがとにかく画面を早く動かしてエフェクトをビカビカさせときゃ凄いみたいな風潮もうやめませんか。半端なオタクに「サクガスゲー」って言ってもらうのが目標じゃないでしょ。
ひたすら見づらい上にキメの画は原作絵頼り、引きのアングルを上手く使えなくてメリハリのない単調な爆発連打になってる。
なぜビームがあんなに動けるのに、街中を飛び回り駆け回るのにずっと至近距離の構図で描いた?
色とりどりの爆発で花火を連想することまで思いついておいてなぜ地上の第三者目線で描かない?
「手間をかけて頑張った」だけで褒めてほしかったのか?
あとホルモンの挿入歌はめちゃくちゃ「ここで流したらウケるやろなあ」を感じて冷めた。
重要なセリフに被せるな。そこで流すなら音量下げろ。原作を知ってる奴が「くるぞ……きた!」ってはしゃぐ事しか考えてなかっただろ。
……まあこれでも大ヒットしてるらしいし
無事「おもんない奴らが楽しむミーハーコンテンツ」に成り下がりましたね、という印象。
続きがTVか劇場かは知らないけどもう多分観ないと思う。
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