「激動の100分間」チェンソーマン レゼ篇 きっと泣くさんの映画レビュー(感想・評価)
激動の100分間
無駄な時間が一切なく、シーンごとに「何を魅せたいのか」が明確に伝わる作品でした。
起承転結で単に区切るのではなく、主人公の視点を通して映画そのものを“体験”できる構成が見事で、鑑賞後も余韻が驚くほど長く残ります。
ホラー、ボーイミーツガール、アクション――複数の要素を巧みに融合させ、ジャンルの枠を超えた高次な映画体験を実現しています。
人間ドラマの描き方も圧巻で、キャラクターごとに掘り下げの方向性が異なるため、ワンパターンさを感じさせません。
それぞれの人物の癖や思考、短所に至るまでが、緻密に計算されたセリフや映像演出によって、わずか100分の中に丁寧に織り込まれています。
特に「声色」「セリフの間」「表情」の三点には注目して観てほしいです。
全てのキャラクターが“人間よりも人間らしい”と感じられ、どの登場人物にも寄り添いたくなるような不思議な魅力を持っています。その繊細な演出が作品全体の完成度を一層引き上げています。
使用されている楽曲はどれも印象的で、戦闘シーンは予告映像以上の迫力。映像・音・演技のすべてが噛み合った、今年もっとも映画館で観るべき作品のひとつと言えるでしょう。
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