劇場公開日 2025年9月19日

「原作を忠実に映像化しただけの凡庸な出来」チェンソーマン レゼ篇 あっきーさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 原作を忠実に映像化しただけの凡庸な出来

2025年9月29日
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鑑賞方法:映画館

せいぜい原作レベルの面白さしかなかった。

原作を超える衝撃や感動を与えてはくれなかった。

原作自体が人生を変えるレベルのクオリティに至っていないのだから、この映画は人生を変える一本にはなり得ない。

アニメ1期(アニメ版)の監督は、これを良しとせずチェンソーマンにしか出せない魅力を以て唯一無二の作品に仕上げようと奮闘していたように思う。
それには良い点も悪い点もあったが、間違いなく従来のアニメの枠を超えようとする気概があった。映画はそういったものすべてを失って凡庸な作品となった印象である。

凡庸といえる箇所として大きなところは、変わり映えしない戦闘描写、雰囲気だけの浅い心情描写だろうか。
■戦闘描写に関して、当時の原作としては戦闘描写に目新しさがあった。アニメ1期ではその目新しさをアニメの文脈で再解釈して映像化できていた。一方で映画(レゼ篇)の戦闘描写は凡庸そのものでただ作画クオリティが高いだけの陳腐なものだった。
■心情描写に関して、元々原作はこのあたりを簡略することで早いテンポ感を実現している。さらに一歩踏み込むと、漫画でしか実現できないテンポと怒涛の展開によって、心情描写は薄くとも読者の心を動かすに至っているのではないかと思う。アニメで同じアプローチを取ることは難しく、この問題に真っ向から取り組んだのがアニメ1期である。うまくいかなかったのは残念だが、映画(レゼ篇)ははなっからこの問題を放棄したような印象である。

自身の作品に責任や信念を持たないのは、原作遵守と考えれば立派だし、もしかするとあるべき姿ですらあるのかもしれないが、一人のクリエイターとしてはどうなのだろうか。

あっきー
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