「あくまで「1エピソード」【観賞2回目の捕捉アリ】」チェンソーマン レゼ篇 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
あくまで「1エピソード」【観賞2回目の捕捉アリ】
アニメシリーズ全話と総集編のみ鑑賞。
原作は未読。
おそらく、原作を読んでファンになった方々にはこの劇場版の「レゼ編」はより楽しめるんだろうとは思う。
コミックでは表現できない、スピードやテンポ、音の迫力やBGM、そして色。
それがアニメ用に再構築されてスクリーン狭しと繰り広げられる後半は特に目が離せないし、このお話自体が切ないロマンスでもある。
また、レゼが魅力的なもんだから、それはもう♥️…。
ただ「ファン」とは名乗れないレベルの私の様な観客にとって、もちろんこのぶっ飛んだアクションや儚い恋愛模様を楽しむことはできても、これはあくまで「1つのエピソード」。
このレゼ編がこの後の物語にどう反映されるのか、ここに何か大きな伏線が張られているのかが分からないので、レゼも単なる中ボスのひとり。
マキマの秘密や銃の悪魔に関する情報など、この「チェンソーマン」という大きな物語に関しては特に大きな進展もなく、更新もされない。
「原作に忠実」と言ってしまえばその通りなんだけど。
あと、ビームがデンジに何故あんなに忠実なのか、何か理由あるのかな。
こういうのも、ただそういう設定なのか、それもこの後の前フリなのか。
あと、この作品に私が今一つノれない理由が「悪魔は血を飲めば復活する」という前提があること。
デンジもレゼも、結局死ぬことはないってお互いに知ってるワケだし、それは観客も同じ。これだけの闘いに「死」という決定的な決着がつくこともないので、その「別れ」や「実らぬ恋」の感慨って、やはり薄味に感じてしまう。
もちろん、その辺りはファンにとっては先刻ご承知ということなんだろうから、特に問題になるワケもなく。
私の様な「にわか」がわざわざケチを付けに来た…みたいなつもりはまったくありませんのでご理解下さい。
ただ、もう一回観たらもっと楽しめるはず。
「面白い作品は敵が魅力的」という法則において、このレゼの可愛さ、そしてその正体を現してからの妖艶さは特筆レベル。
レゼの前、サムライソードとの戦いでも、悪魔としてのデザインのスタイリッシュさに加えて、アクション中のポーズや立ち姿がそれだけで絵になるのは見ていてゾクゾクする。
人間の顔をやめてからさらに魅力を増すというのも、この作者の力量の大きさ。
次の悪魔も俄然期待してしまう。
この後はどうメディア展開するのかな。
TVシリーズが始まるのか、また劇場版で続きをやるのか。
引き続き期待して、もう少し話が進んでからこの作品をもう一度観てみたい。
[どーでもいい捕捉]
最近、映画の料金値上げがあちこちで騒がれていて、洋画の人気低迷(私自身はそうは思っていないのだが)も相まって、映画館の存続ってさらに厳しいと勝手に思ってて、できるだけ劇場にお金を落とすべく、ドリンクやポップコーン、そして楽しめた映画のパンフレットもできるだけ購入しようと思っている。
で、この「レゼ編」のパンフレットの装丁や構成が、エヴァの劇場版パンフレット(どの作品かは分かんない)にすごく似ていた気がするんだけど、どうなんだろう。(確かめてはいない)
【2回目観賞後の捕捉】
いやぁ!面白かった!
想像してた通り、2回目は俄然楽しめた。
原作未読で臨んだ前回は「当然『レゼ編』ってくらいだから、レゼは悪魔なんだろう」というくらいの視野で観ていた(予告編もロクに見ていないので、ボムという存在もその造形もまったく知らなかった)結果、可愛らしい女の子レゼのウラに潜む悪魔の顔を探しながら観賞することになり、あまつさえスクリーンに現れる情報量の多さに圧倒された結果、そのレゼの心のさらに奥にある「ここから逃げ出したい」という思いに気付けませんでした。(これは映画好きとして、我ながら恥ずかしい)
2回目となる今回は、そのレゼの表情や言葉を意識して観たら、もう満足度爆上がり。
ある意味、未読だからこそ2回観ることになったし、2回分、別の視点で楽しめたのは「一粒で二度美味しい」アーモンドグリコ仕様(古い)。
これはお得でしたね。
音楽にも意識が向けられて、マキシマム ザ ホルモンやエンドロールのデュエットも堪能。
よかったよかった。
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