劇場公開日 2025年9月19日

「MAPPAにしては雑」チェンソーマン レゼ篇 シネマニアンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 MAPPAにしては雑

2025年9月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

ドキドキ

原作(5巻途中〜6巻)を読み直してから鑑賞して、さらに原作を読んでの感想なのですが、原作に忠実に、だけどそのままだと尺が短くなるからあちこちで内容を膨らませながらという配慮については何ら問題ないのですが、漫画の描き方と映画の描き方にはどうしても違いがあるので、その特性を理解してから臨まないとそれだけで違和感が生じてしまう事をあまり考えてなかったのかなとも感じました。
先ずそれぞれのシークエンスの展開自体は悪くないのに、ほんの0.数秒(数コマ)編集が長くてテンポがリズミカルに感じられないところがところどころありました。次に、恐らく宮崎駿監督の精神に乗っ取ったからなのか手書き表現を重要視しているがために、主として台風パートでの迫力が全くなく、むしろ雑にしか感じられず、「これって板(ブルーレイ)を出すときまでに書き直すつもりでとりあえず締切に間に合わせたってこと??」って思いながら観てしまう始末。最後に、漫画だとひとコマしか描かれていないレゼのプールでの全裸シーン。漫画だと確かに丁寧に細かく描く必要は無いのだけれど、ここのシーンをかなり膨らましつつ2人の心の交流を描こうとしている時に、裸を描きながらも乳首を一切描かない違和感!この映画の作画クオリティならば、描かないと甚だ不自然にしか見えないのですよ。もしもわいせつ性を気にしての配慮ならば、月明かりの中なのだから乳首に色を着けなければいい。乳輪もしっかり描かなくてもいい。でも、乳首は最低限描いて、デンジにも原作通り「乳首見えてる」ってセリフを言わせなきゃダメでしょ!?ひとコマだけで描写して、ストーリーを進められる漫画じゃないのよ、これはアニメ映画なのよ。しかも展開を膨らましているのに。そういう所を「漫画での表現通りだから、このままでいいんじゃない?」っていう判断で逃げてるところ、それが今のMAPPAの限界なんだなあって思う。
恐らく今作はMAPPA1社での製作という勇気ある行動を起こしているから、失敗は一切許されない中での判断だったのだろうと思うけど、どんなジャンルであろうと映画は芸術作品なのだから、わいせつ性を伴わない表現であれば許容されるのに、ちゃんと向き合わなかったことには残念だと指摘するしかない。

シネマニアン
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。