「完成度が高いバイオレンスな青春映画」チェンソーマン レゼ篇 ヘルシー太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
完成度が高いバイオレンスな青春映画
昔から映画化すればいいと言われるほどの屈指のエピソードと言われていたレゼ編が待望の映画化。結論からして無茶苦茶面白かった。前半のマキマとの映画はしごデートからレゼとの出会いからカフェ→学校→プール→祭り→只管バトルというジェットコースター的な展開に最後まで飽きることが無かった。特にプールシーンでのエロスなレゼと叙情的なBGM、プールで流れたBGM(主題歌以外ではレゼ編のメインテーマ曲だろう)が所々形を変えて効果的
に流れていたのが良かった。例えば、キスシーンとマキマの粛正シーン等々。プールシーンのBGMはアニメ版には無かったロマンチックなBGMでまさにレゼのテーマと言っても良い屈指の名曲だと思う。また、カーチェイスのシーンで車のレコーダーをぶっ叩いてマキシマムザホルモンの歌が流れる演出も秀逸だった。今作では如何にメインヒロインであるレゼが魅力的に描かれているかで左右されるが、そこは上田麗奈さんの演技力の賜だと言える。兎に角可愛くてミステリアスでちょっと?エロいヒロインだ。間違い無く彼女にとっての代表作の一つに数えられることになるだろう。デンジのバディである鮫の魔人ビームも献身的にデンジを支える姿、コミカルな振る舞いが作品の癒やし的な存在として光ってる。
よく前半のドラマパートと後半のバトルパートの尺度について議論されるようだけど、筆者としてはバトルパートもまた、デンジとレゼのデートの延長上だと思っている。なぜならば、バイオレンスでハードな戦いだが、全く悲壮感を感じることがなく、主人公のデンジとレゼも軽い感じのやり取りでじゃれ合っているように思えたからだ。デンジとレゼは殺し合いをすることでデートを行っていたのだ。正確にはデンジ&ビームとレゼ&台風の悪魔のダブルデートかな。だからこそ、デートを終え、悲劇的な最後を迎えた時には夢から覚めたかのような喪失感になってしまう。宇多田ヒカルの切ない歌と共にレゼとの出会いが儚い幻想だと思い知らされてしまうのである。
個人的には鬼滅の刃無限城編よりもハマった。回想シーンでテンポが悪くなると思った人達にとってはウケる作品だろうと思う。グロテスクシーンの多さにより、万人受けはしないだろうけど、映画としての完成度の高さでは鬼滅の刃無限城編よりも上だ。アニメ版の評判に足を引っ張られていなかったら鬼滅の刃には及ばなくても呪術廻戦ゼロと同等以上を狙えただろう。そこだけは惜しい。ともあれ、映画化してもらって本当に良かったと思う。もし、アニメ版であればレゼの服装やプールのシーンで鬱陶しい遮光がかかる等の規制がかかってしまい、作品の魅力が半減してしまうだろうから。
最後に一言、夢のような映画体験だった。
追加
特典欲しさに二回目見に行きました。改めて見るとアクションシーンの情報量が多くて圧巻の一言だった。デンジがビームを振り回して、ボムの攻撃を弾くシーンや台風の悪魔の瓦礫の嵐をかいくぐるシーンはもう良い意味で無茶苦茶で拾いきれない程の情報量があって満腹状態でした。そして、レゼはやはりあざとい。台風の悪魔をぶった切るシーンやレゼとのラブロマンス。主人公デンジにとって仕事、プライベートで1番の絶頂期だったように思える。ベルセルクでいうガッツとグリフィスが仲良かった頃の黄金時代というか。ブルーレイ化が楽しみだ。
蛇足。
面白くない、単調との意見がありますが、まあそういう感想は全然アリと思います。けれど、その作品を楽しんだ人が狂っているとか正気を疑うとか等、作品を面白くないというだけでなく、作品を楽しんだ人の気持ちを踏みにじるような発言は良く無い。自分の感性こそが正しくて自分が気持ち悪いと思った作品を面白いと言った人達も気持ち悪いというロジックでレビューする人がいるからこそ、アンチが増えてくるのだと思う。他にも若い人にウケるや、おじさんにはキツい、男が作った作品、女が作った作品、という年齢や性別を理由に批評する人もまた問題だ。作品が面白いか、面白くないかは結局はその人の主観であり、年齢や性別は全く関係ない。実際、オジさんにはキツいと言ったレビューもあったが、YouTubeで明らかにオジさんの年齢の人が高評価していたものもあったからだ。性や年齢を引き合いにして自分こそが代弁者だと騙っているようで滑稽だ。まあ、これについてはこの蛇足文がブーメランになってしまうけど。兎も角レビューは自由だけど、自由の意味を履き違えて行うのであれば、アンチに攻撃されることも仕方無いでしょ。レビューの中に意識的か無意識的に潜ませた悪意?あるいは敵意?に対しては人は理屈抜きで物凄く敏感ということだ。
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