「台湾誘拐捜査線⋯そして父は戦う」氷室蓮司 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
台湾誘拐捜査線⋯そして父は戦う
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日本映画専門チャンネルで鑑賞。
氷室蓮司の「父親」としての一面にフォーカスした「日本統一」シリーズの劇場版。スピンオフの側面があるため、氷室と田村の仲良しこよしなお馴染みのシーンが無いのは寂しいが、氷室の普段は垣間見られない部分を堪能出来るのが嬉しい。
本編とは毛色の違うサスペンス・ミステリとなっており、氷室の息子の誘拐だけではなく、台湾警察を標的にした連続爆弾テロ事件を絡め、映画ならではのスケール感を醸し出している。
氷室が単身台湾に乗り込んで息子の行方を捜査する展開はさながら探偵モノであり、ゲストキャラクターの動向が後に伏線として機能するよう張り巡らされているところも堅実だった。
最終的には父親VS父親の対決となり、氷室の背負う宿命と真犯人の復讐心が鋭い火花を散らす。伏線があからさま過ぎたのでこの構図となるだろうことは中盤辺りで予想がつくが、王道な帰結だからこそ安心して観ていられた。氷室と息子の関係も、氷室の行動を見た息子の決意に氷室が父としての喜びを感じると云う、父子の絆に胸が熱くなる着地で、法的には切れている縁ではあるが、心はしっかり繋がっていることを示す締め括りにほっこりした。
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