「長澤まさみさんを愛でる作品 以上!」スオミの話をしよう おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
長澤まさみさんを愛でる作品 以上!
長澤まさみさん主演、三谷幸喜さん監督・脚本ということで、予告からメッチャ期待していた本作。しかし、初日のレビュー評価はまさかの2点台!かなりの地雷臭を感じながら公開2日目に鑑賞してきました。そして爆死してきました…。
ストーリーは、詩人として大成して豪邸に住む寒川の妻・スオミが行方不明になったことをきっかけに、スオミの前夫で刑事の草野、さらに使用人・魚山、警察官・宇賀神、YouTuber・十勝ら元夫たちが集まり、それぞれに自分の記憶にあるスオミについて語るが、その人物像が大きく異なるなか、行方不明事件の真相が明らかになっていくというもの。こう書くとミステリーのように思われるかもしれませんが、そんな深みはほとんどありません。むしろ中身がほとんどないと言ってもいいくらいです。
本作は、元夫たちが語るスオミの思い出の中で描かれる、長澤まさみさんの七変化が最大の見どころでしょう。どのスオミもかわいくて、本当に見とれてしまいます。そして、いくつものスオミを瞬時に演じ分ける彼女の演技力に圧倒されます。今期の夏アニメ「疑似ハーレム」の実写版を観るかのようです。(そっちのほうがおもしろいので、アニメ好きなかたはぜひご覧ください。)
しかし、これが唯一の見どころとなってしまっているのが非常に残念!三谷幸喜さんは天才脚本家だと思っているのですが、本作はコメディとしてもミステリーとしても、なんだか中途半端に映ります。俳優陣はきっちり演じているのにイマイチおもしろくないので、これはもう脚本が悪いとしか思えません。ラストでスオミが語る思いも、理解はできても共感しにくいのは、そこに至るスオミの掘り下げが足らないからではないでしょうか。ヘルシンキミュージカルもいいですけど、もっと大切なところを描いてほしかったです。
それにしても、三谷幸喜さんはどんなおもしろさを伝えようとしていたのでしょうか。ただ、いろいろなキャラに扮した長澤まさみさんを撮りたかっただけなのでしょうか。もしそうなら、そこだけはビンビン伝わってきます。
主演は長澤まさみさんで、さまざまなスオミを持ち前の美貌と演技で魅せてくれます。脇を固めるのは、西島秀俊さん、坂東彌十郎さん、松坂桃李さん、遠藤憲一さん、小林隆さん、戸塚純貴さん、瀬戸康史さん、宮澤エマさんら。キャストと監督の知名度と宣伝効果で、興収がどこまで伸びるか気になるところです。
共感ありがとうございます。
この映画は、三谷監督の持つ舞台、ミュージカル属性を出す必要が有ったんでしょうか? 普通に作ればもっと面白くなったんじゃないかと思いました。
コメディも、人間ドラマも、ミステリも、すべて半端でしたね…
『疑似ハーレム』、様々な早見沙織ヴォイスを聴けるというだけで興味はあれど、余裕がなく断念。
時間ができたら見るリストに入れておきます。