「Delusion:All」キングダム 大将軍の帰還 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Delusion:All
キングダムシリーズも4作目に突入。
前作が完全に前振りで、それを知らさずに公開したところに不満は持ちましたが、その分次のボリュームはエグくなるだろうなという期待を胸に鑑賞。
その期待にバッチリ応えてくれる傑作でした。
初っ端の戦闘シーンがとんでもないクオリティでやってきて、龐媛が大鉈を前後左右に振り回して吹き飛ばしていき、的確に相手の急所を狙ってぶっ倒すというパワーと頭脳が組み合わさった戦い方には震えました。
軽々としたアクションにぶつけるパワーに圧倒されて、信がしっかりピンチになるし、そこからの退却も戦場ならではのものが観れて、ワックワク状態でした。
戦闘が一通り終わってから序盤パートはちょーっと長いかなと思いました。友人の死を悼むのは大切なパートだとは思うんですが、そんな大傷背負ってたんだと唐突に知らされてからの大々的な演出はあまり乗れず…。
早いところ戦場に合流してくれーと心の中で思っていました。
軍師たちが戦略に絡み合っていき、再び幕が上がる戦闘から再びグッと盛り上がっていき、今まで遠くで命を出してきた王騎将軍が最前線でやってくるといったところでボルテージは最高潮になりました。
王騎将軍が過去一光輝いていました。
過去3作とは違い、前線で立ち向かう様子は飄々としたものではなく、1人の戦士としての姿がそこにあり、大沢たかおさんの名演も相まって、声を荒げるところも、体を唸らせるところも、突撃していくところもどこを切り取っても最高で、スピード感がありつつも、重厚さが滲み出る戦闘シーンには釘付けでした。
漫画ならではの効果音が聞こえてくるレベルの再現度を実写でやってのけたのはもう偉業だと思います。
王騎将軍の最期は水を差されつつも、腹ごと貫かれての最後で、そこから次世代の継承という形で信に将軍の景色を見せるという粋っぷりを最後まで見せつけてくれて、軽く小言を叩いて馬上の上で力尽きるという、これ以上ないカッコいい幕引きには思わず自分も両手を強く合わせていました。
皆が涙し、皆が手を合わせ、それほどのカリスマ性が溢れ出ていた王騎将軍という存在をスクリーンで拝めたのは本当に貴重な体験でした。
王騎将軍にフォーカスを当てた結果、信など他の登場人物の見せ場がかなり少なくなってしまっていたのはちょい残念でしたが、そこまで尺を振ってると3時間越えのボリュームになってしまいそうだったので、これは賢明な判断だったかなと思いました。
王騎将軍亡き今、これから信含めどうやって面々が成長していくのかが気になる終わり方でしたし、ここで終わっても大丈夫な締まり方で良かったです。
過去4作の中でもNo.1でした。さらば王騎将軍。
鑑賞日 7/13
鑑賞時間 9:00〜11:45
座席 M-7