「待ってた。待っててよかった。」INTER::FACE 知能機械犯罪公訴部 ペルソナ 雨宮はなさんの映画レビュー(感想・評価)
待ってた。待っててよかった。
シリーズ全部で一本なんだなとわかる、これからの時代への預言書。
前作『センターライン』はロサでチラシをもらって、興味がわいて観に行ったんだった。
今敏作品や攻殻機動隊シリーズが好きな人はわくわくして仕方ないのではなかろうか?!
近未来に予想されるAI技術関連事件の法廷ドラマ。
派手なアクションや妄想暗喩大行列といったシーンは無いけれど、だからこそ「将来の現実なのだ」と思える。
そして間違いなく、副題である『ペルソナ』について考える新しいフックになった。
どこに本当の気持ちや考えがあるのか、今後ますますわかりにくくなる可能性がはっきりと描かれていた。
それこそが情報化社会の危険性であり、AIの脆弱性であるとも。
顔を合わせて自分の言葉で話すこと、意思決定を自分で行うこと、実際にモノやカネを見て触ってから使うこと……これらがいかに重要なことかをひしひしと感じた。
この作品の良いところは、現代の邦画の特徴が完全に排除されていること。
(テレビドラマ作品やその劇場版にあるような顔のアップばかり、説明セリフばかり……みたいなアレ)
ただ、全部を説明セリフにしない代わりに、前作を観ていないと楽しみにくい世界観であることは否定できない。
前作『センターライン』の無料公開は三部作の劇場上映中に必須だし、
(1月5日までvimeoで無料公開していた)
そういった理由で「めちゃくちゃ薦めたいけど、オススメしにくい作品だ」とはいえる。
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