侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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ご都合主義はあれど面白い
評判良かったので見に行ったわけですが、違わぬ面白さでした。
アイデア的には昨今よくある武士のタイムスリップ話なのですが、そこにチープな感じはなく、とても面白く見れました。
登場人物に悪が殆ど出てこないのも共感持てる感じでした。
これは埋もれなくてよかった。
農家の素人の人が撮った自主映画ではなかった。
「カメラを止めるな!」のような口コミから
ヒットしているインディーズ映画。
侍がタイムスリップして現代の日本で役者をやる映画。
監督は農業の人。
という事前情報と
「侍タイムスリッパー」を見た人の興奮度高めな
ムーブメントに興味を持ったものの、
侍の時間旅行は見なくていいかなな態度で
見ないまま10月も下旬になった頃、
配給が拡大され、
近場のシネコンで公開されると知り、
では見てみようそうしようという気分で、
「侍タイムスリッパー」
を鑑賞してきました。
以下ネタバレ
「カメラを止めるな!」のような
口コミでヒットしている映画ならではの
ベタなリアクション芸に
声をだして好意的な笑い声をだす、
前のめりな観客が複数いて(客席は空席多め)、
撮影セットにまぎれこんだ主人公の侍の
小道具の魚へのリアクションは
声だして笑うほどのギャグか??
と前半は身構えて
「侍タイムスリッパー」を見ていました。
しかし、
タイムスリッパーリアクションの
「ショートケーキ」あたりになると、
あたりまえの令和の日常に
侍が感銘しているシーンは
少し泣けてきて、
演出意図どおり
主人公の侍に感情移入しながら、
いい人しか登場しない
中盤までは、
平和な雰囲気で
少しぬるいコメディだなという態度で
鑑賞。
しかし、
もう一人の侍が登場するシーンからの
中盤以降の展開はぬるさはへっていき
侍のトラウマから
緊張感がただよいだして
ラストの
真剣勝負のシーンの決着つける展開は
「ハッ」としてしまいました。
「ハッ」としたあとすぐに
フィクションだった展開と
マーヴェリックのトムセリフのギャグに
少しうなり、
いい映画を見た気分で映画館をあとにしました。
鑑賞後、
「侍タイムスリッパー」は
てっきり農家の人が撮った自主映画と思っていたら
パンフレット(1200円・・)には
過去に2作品公開済の映画紹介ページがあり、
監督は農家の人でなく、
家業をついだ撮影機材を所有している映像職人だと知り、
素人ではないのか・・・と思い
また、役者さんも演技や殺陣がうまいなと思っていたら
役者も殺陣もプロの人たちと知り、
「カメラを止めるな!」とは撮影環境がだいぶ
違う事を知って、
自主映画というより
商業映画の体制を使ったインディーズ映画だったんだな
と思い、
商業映画の体制を使ったインディーズ映画として
鑑賞していたら、
もう少し辛口な感想になっていたかもと
思う映画でした。
ラス殺陣
見応えあるラス殺陣だった。
それこそ冒頭から丁寧に丁寧に紡いできた下地があるからこそだ。
高坂の実直であり純朴なキャラが際立ってた。用意周到って言ってもいい。彼の会津訛りと直向きな瞳に絡め取られる。この罠を用意した監督もなかなかの曲者であるが、溢れんばかりの愛情も感じる。
本編は現場ならではの本音やあるあるで埋め尽くされ、現地で入念な取材でもしたのかと思う。
ともあれ、観客はこの高坂の視点で物語を追う事になる。特に時代劇というものに魅了されリスペクトし、自らもその世界に飛び込む高坂を見る事になる。
彼の目に映るもの、彼の抱いた感想を共有していく。
表側も裏側も知る事になる。
追体験するとでも言おうか、良い切り口だと思う。
ちゃんと絵空事じゃなくて現状も描いていたように思う。東映京都の栄枯盛衰を。
高坂が「殺陣」にのめり込んでいく姿が眩しい。
山口氏のグッと腰を落とした青眼が好きだった。竹光になってからは納刀の時の腰の使い方も違うよう思えて、ニヤリとする。
殺陣師・関本の言う「斬られ役の矜持」も興味深かった。そして峰さんのバリエーション豊富な斬られ方にほくそ笑む。
映画を通して呼び起こされる「過去」が去来してくる展開にそそられる。
相対するは、タイムスリップのキッカケにもなった因縁の相手。彼は30年早く現代に飛んできてた。
現代に生きる最後の侍達。
同じ価値観を持つ唯一無二の存在でありながら、雌雄を決せねばならぬ間柄。
ラス殺陣は「真剣」で立ち合うという。
抜刀しか対峙する両者の間には重い空気が沈澱している。1合2合…相手に向かい真っ直ぐ伸びる切先。瞬きをするのも躊躇うような緊迫感。間合いを測りジリジリと地を這う草履の音。
ここに至り、会津訛りで現代に順応しようとしていた高坂はなりを潜める。
観客は高坂新左衛門という侍に出会う事になる。
風祭の刀を叩き落とし勝負はきまる。
その首筋にゆっくりと動く刀。
風祭も侍であり、その生き様は潔かった。
高坂の荒い息遣いと血走った目が、激戦を物語る。
一刀の元、迸る血飛沫。絶命する風祭。
彼等は本来の時代のケジメをつけた。
上手いなあと思うのは、それまでにあった殺陣は全く腰を落とさない殺陣ばかりであった。
心配無用ノ介しかり、坂本龍馬しかり、若かりしころの風祭しかり。アングルも引き絵が多くわざと臨場感を感じさせない編集でもあった。
ラス殺陣だけが毛色が違う。
いや、本来の時代殺陣の撮り方をしてた。
刀を抜く理由から始まり、互いに曲げられない信念のぶつかり合いを描き、至近距離での生死の軌跡を映す。生死が決する時、両者の距離は1mにも満たない事が多い。その空気を記録していく。
しっかり騙された。
設定上真剣であるがそんな訳はない。
2人が手にするものは竹光であり、いいとこジュラ刀と呼ばれる紛い物である。
山口氏と冨家氏に魅せられた。彼等が渾身の力を込めて振り下ろす刀は本物に見えた。
丹念に丁寧に積み重ねた世界観から生まれたラス殺陣であり、見事だった。
先程の結末は劇中劇の結末であり、実際は高坂が空を斬る事で勝負は終わる。
アレが映画の1シーンであったと自覚した時の虚脱感は格別だった。
そして、コメディよろしくキッチリ笑いで落とす。
会津訛りを駆使する山口氏は素晴らしかった。
現代に放り出された侍の困惑も孤独も感動も大好物だ。TVに向かい涙ながらに拍手するとこなんて、可愛くて仕方がない。
自主映画ベースらしいからアカデミーにはノミネートされないのだろうか?俺の中では間違いなく主演男優賞にノミネートされてる。
後は峰さんが木刀を高坂に差し出す手かなぁ。
あの握り方がなんとも頼もしく、どれだけの歳月を時代劇に費やし情熱を傾けてきたんだろうと思う。
ホント自然体だったように思う。
過去に存在した侍と時代劇の侍
この映画で、侍は本当に居たのだと不思議なことに実感してしまった。今まで、歴史や物語で侍を見てきて、侍がいたことは頭で解っていたけれどこんな感覚は初めてだった。それは主人公の極めてリアルな感じの侍の容貌と動作だ。後ろに後退した生え際の髪の毛、焼けた黒い顔は江戸終末の写真のようだ。彼が虚構の時代劇セットに現れる。今時代劇が廃れてしまったのは、映画やドラマがリアル志向となり、虚構で成り立っていた多くの時代劇は嘘くさくて見ていられなくなったからだ。この映画はその点をよく突いている。最後のシーンはとても恐ろしくてチャンバラとは実は生きるか死ぬかだと言うことを示している。チャンバラが見せるための演出でありそれに命をかけてきた切られ役の思いも描かれる。切られ役だった福本清三さんの言葉も語られる。主人公が会津の侍であることもよく考えられていた。会津の悲劇を当事者として悲しむ姿は痛ましい。平和な今の日本を喜ぶ主人公も泣かせる。巨大予算の映画でなくても十分楽しめる秀作だ。
高坂新左衛門に尽きる⁈
主演の山口馬木也さん(高坂新左衛門)を見るだけで価値がある作品。ホンモノ感が突出してて。あとは、同じくタイムスリップした風間恭一郎先生(冨家ノリマサ)と現代の殺陣師の関本先生(峰蘭太郎)。それ以外のキャストは全員ワザと下手に演じてた?やや大袈裟、あるいは小津映画のような棒読み気味で?笑
風間の素性が分かってからの、高坂との二人の遣り取りは緩急を含めてステキ過ぎます。幕末会津の悲運、最期を知った高坂の絶望感、無力感から生まれた殺気の凄み。30年という孤独を背負いながらも、高坂を唯一ひとり理解できる風間の覚悟。そして、劇中劇なのに、息詰まる最後の真剣勝負(文字通りの)!
作品全般はタイムスリップを題材にしたコメディですが、おにぎり、ショートケーキやテレビにいちいち感激する高坂の姿は、やはり豊かで平和な現代日本に生きる事を先人に感謝せざるを得ません。
エンドロールに幾度となく流れる安田監督の名前からインディペンデント映画のご苦労を感じますが、きっと何もかもやらないとならなかった幸せが羨ましくもあります。
低予算でも良い映画が出来るなぞと褒めそやす気は一切ありませんが、大作Shogunの真田さんも安田監督も、時代劇、本物を作る想いは一緒と感じました。
伝説の斬られ役で、あのラストサムライのボブの福本清三さんに捧げられた作品でもあります。
コメディらしいオチも良くて、爽やかな気分で席を立ちました。パチパチ👏🏻
ちょっとRRRに通じるホントにいい映画
宿命の二人の心の交流がRRRのビームとラーマに通じる感じがして、めっちゃ熱い!いろんな人に宣伝したいけどストーリーには、一切の先入観持たずに見てもらいたいので、見た人としか感想を言い合えない。
脚本最高です。配役も完璧。殺刃が最高!
なかなか良かった!
会社の同僚から勧められて観に行きました。
なかなか面白かった。相手役の方、川崎麻世と思ってました。時代劇同様に今の日本が失われていくものがなんとなく思いました。少しでもよき時代になってほしいです。
オチも良かったです。😛
時代劇愛を表現した映画
口コミで話題になった自主製作映画らしいが
今更ながら観ました
クオリティは他の邦画に引けを取らない出来でした
侍の高坂が藩士を討とうとするが
雷の落ちて、現代の時代劇撮影所にタイムスリップしてしまう
そこで、140年前に江戸幕府が滅びたことを知り
絶望してしまうが、テレビの時代劇に感動し
この時代を生きるために時代劇の切られ役をやっていき
時代劇俳優で頭角を現していく
そして、主演俳優として出演依頼を受けたときに
その依頼相手が高坂が狙っていた藩士の風見であった
彼も高坂より30年前に現代にタイムスリップをしていたらしい
彼も同じように時代劇俳優として有名になって
高坂がタイムスリップして時代劇に出るようになったことで
有名な時代劇俳優になっていたらしい
そして、高坂と風見が主演で映画を撮るということになったが
幕府が倒される悲惨な歴史を知り、自分の決着をつけるために
時代劇の映画で真剣をつかって撮影を提案した。
風見も監督も了承し
それが実現をすることになる
過去の対決の続きを時代劇の撮影ですることとなり
高坂が勝利し、風見を討てる状況になるが高坂は切れなかった
そして、映画が完成し風見と高坂は時代劇俳優としてやっていくが
最後に高坂の仲間の侍もタイムスリップしたところで終わる
タイムスリップしてから
現代をさまようあたりはちょっとくどい感じがするが
後半からはよかったと思う
そして、侍が時代劇を通じて
自分たちの生きざまを残すというところもよかった
コメディというよりも
現代のケーキに関心したり人情物っぽい作風が目立っていたように思う
まだ見てない人にもぜひ見て欲しい
「侍タイムスリッパー」を見てきました。とても良い!!
過去と未来がひっくり返って、もう何もできなくて後悔ばかり。でも、今できることを今頑張ろう!と思える作品です。前向きな気持ちになれました。
140年前どうだっただろうと思うとともに、140年後どうなってるだろうと思いました。
20年前どうだっただろう、20年後はどうなってるだろう。
過去から見た私は、今どんなだろう。
未来の私はどうなりたいんだろう。
そんなことを考えました。
過去からの眼差しに恥じないように、できるだけ後悔をしないように、今できることを精一杯頑張って生きていきたい。
ケーキのシーンと喫茶店のシーン、からの中打ち上げ
この映画で、私が大きく胸を打たれたシーンが三つ有るんです。
まず、ケーキのシーン。
高坂が、庶民も高級菓子を食べられる世の中になっている事を喜ぶの。
私、時代劇を見る時、侍の目先の格好良さばかり見ていました。
時代劇の侍たちは、もっと高い志を持っていた事を思い知らされたシーンでした。
続いて喫茶店のシーン。
ここは、時代劇に限らず物語の作り手たちの心意気を知るシーン。
高坂の台詞は受け手側の感想であるんだけど、この感動を届けたいんだっていう作り手の心意気が伝わってくるんです。
そして、一番感動したのが、中打ち上げの風見の挨拶のシーン。
ケーキのシーン、喫茶店のシーンの思いが、風見の言葉に乗っかってくるの。
それに、風見を演じた冨家さんの思いも重なってるんじゃないかな。
冨家さん自身のキャリアも言葉に重みを増してると思う。
釣られて拍手しちゃいそうになるくらい、感動したシーンでした。
それから、この映画で良いと思ったのが、風見が時代劇を引退した理由。
時代劇では、殺陣の格好良さばかり見ていたけど、人を斬るということは、斬る側にも重荷を背負わせてしまうんですよね。
これは当然、現代でもそうなわけで・・・。
こんなレビューを書くと、しっかり身構えて観ないといけない映画みたいだけど、肩の力を抜いて観ても楽しい映画だから、この映画は素晴らしい作品だと思うの。
ショートケーキに、豊かで平等な現代日本を感じとれる侍
やっと観れました。8月の公開から10週遅れ。やっと我が街にも届きました。
公開から時間が経っているので、ネタバレを気にせず雑感を記録します。
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1. 現役の侍が斬られ役に甘んじられるか?
カメ止め同様、単館で評判を呼び全国に展開されるまでに、メティアに前評判が拡散される。高坂新左衛門が現代で斬られ役うになる粗筋も繰り返し耳にし、鑑賞前から1つの疑問が頭を占めていた。
「幕末に命のやり取りをしていた武士が、演技であっても斬られる事を受け入れられるか? 武士の誇りを捨てられるのか?」
鑑賞中も、倒幕派を斬らんとする血気盛んな冒頭から斬られ役に順応する過程が想像できなかった。変にバニクったり、通りすがる現代人が無防備に鞘に触れたら、刃傷沙汰になりかねない。
しかし、何気ない掲示物から幕府の終焉を悟ったり、現代の町並みに圧倒される描写や、おやつのケーキで誰しもが豊かで穏やかに暮らせる現代の日本に涙ぐむシーンで氷解した。論語も諳んじる新左衛門は、粗野な暴れ者ではなく教養を兼ね備えた武士だった。山口馬木也さんの出しゃばり過ぎない演技は絶妙。偉ぶらず、周囲の善意に感謝できる新左衛門が、人を斬らずに剣の腕を活かす為には斬られ役しかなかったのかもしれない。
⚔️
2. 脇役の演技力と明快な山場
本作は脇役も素晴らしい。ユルさと自然さを兼ね備えた住職夫妻は、程よいコメディリリーフ。撮影所長の井上肇さんの小市民ぶりも絶妙。殺陣の師匠(峰蘭太郎)が魅せた威厳は、クライマックスの緊張感を高めた。剣心会メンバーも自然で違和感がなかった。「本身を用いた撮影」という明確なクライマックスで、本作に対する評価が跳ね上がった。撮影に至る過程の状況づくりも巧く、武士時代の遺恨もあるが、仲間意識もあり認め合ってもいる2人が繰り広げる真剣勝負には迫力があった。オチの付け方も巧く、本当に斬っちゃったの!とバッチリ焦った。
映画もドラマも需要がなければ採算が取れない商業芸術。時代劇がかつてのように量産される事はないのかもしれない。大河ドラマ等、NHKが制作する時代劇には根強いファンも居るので、「Shougun」でも重用された、時代劇専門スタッフの知識や技術は何らかの形で保存してほしい。
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3. ベタさと既視感も愛嬌
気になった点としては、コメディシーンの妙な音効。ここが爆笑のし処ですよって感じ音が入るが、クスッともできないベタなシーンに入っていると、苦笑もできずに心がベタつきかけた。
また、風見恭一郎(冨家ノリマサ)も違う年に time leap した仇だったと分かる展開に驚く完走もあったが、time leapモノにはありガチな設定。すぐ思い浮かぶ限りでも、「信長のシェフ」(2011)「信長協奏曲」(2014)でも、戦国時代に time leap した主人公が、自分より前に time leap してきた現代人と会う。オリジナリティこそないが、時代劇に恩返ししたという心情と巧くマッチしていて佳かった。
見ごたえのある時代劇コメディ
ゴジラで賞をとった某監督が絶賛していたのを思い出し見に行きました。いわゆる低予算映画ですが、カメラを止めるなのパターンもあるので期待を込めて見に行きました。申し訳なのですが存じ上げない役者さんばかり。前記したきっかけがなければスルーしていたかも。読んで字のごとく、侍が現代にタイムスリップ、時代劇で切られ役として活躍していく。序盤のコメディ要素ではクスリとさせられつつその圧倒的な殺陣のクオリティ。演者の技量が凄いです。後半で主人公が大抜擢されるのですがその経緯に胸が熱くなります。そしてどんどん引き込まれていきます。新規に時代劇が作られにくくなっている現状に一石を投じたい。そんなパッションあふれる作品です。オチもコメディらしくフワっとしていて良かった。
ベルばらのオスカルと高坂新左衛門
常々、最も難しい役は宝塚のオスカルではないかと思っている。
オスカルは男性として生きていく女性だが、傍らにはアンドレという男性がいる。
そのどちらも女性が演じるところがオスカル役の難易度を引き上げている。
両者ともに男性らしい振舞いを習得しなければならないが、オスカル役はさらにそこから努めて演じていると見せなければならない。
決して男役と同じであってはならないのである。
本作の高坂新左衛門役は、これと同等かそれ以上の難易度だったと思う。
序盤の「侍を演じる役者とそれに混ざる本物の侍」の違いにとどまらない。
やがて高坂は劇中劇のオンオフをこなすようになる。
「侍を演じる侍」と「侍を演じていない侍」を演じなければならないのである。
山口馬木也氏はこの難役を全編会津弁でやってみせた。
積み上げてきた侍の姿が無ければ成立しなかったであろう、映画史に残る静かなクライマックスの幕開けは、息はおろか瞬きさえもさせてはもらえない。
侍魂がここに
今までのタイムスリップ系にはない、覆す作品だと高評価だったので、どんな展開でどんな結末になるのか期待しすぎていたのか…映画館じゃなくてもよかったかも。
ですが見終わってから、そういう意味で覆すんかぁ。という印象。確かに今までにない作品ですね。
侍がいきなり現代にきてはじめは可哀想でした。
途中でどうなるのか予測がつかず…斬られ役ばかりしてたから、過去に戻って本物の戦いで、つい斬られ役になってしまって死ぬんかな…とか考えたり。
タイムスリップというより、本題は本気の時代劇を作る話…。過去の人々のおかけで今があるんだと改めて実感し感謝できる話…。殺陣やドラマ映画制作に詳しくなれる話…。
長らく侍のチャンバラばかりみせられるので、バーのシーンが雰囲気変わって好きでした。
映画館ではみなさん、何度も声をだして笑いが起きてました!(笑うとこだとはわかってたし癒されるシーンでしたが、声を出して笑うほどではなかったです。相性があるんですかね。なんかシュールなとこはふふっとなります。)
最後の真剣勝負は見ものですね!あそこはハラハラします。
結局みんなくるんかぁ…時差があるんかぁ。というオチで…
戻ったり行ったり死んだりすることはなく、侍が現代で時代劇の役者になるという。シンプルなものでした。
エンドロールは太鼓でよかったです。太鼓のショー見に来てる感ありw
追記🪭
視聴中、なんかしょーもないなぁ。と一回だけ思いましたが、今はなんか心に残るなぁ。いいものみたなぁ…と思います。心に届くまでも時差あり。
みんな笑ってて幸せな気持ちで眠れたので⭐︎を0.5増やしました。今では映画館でみてよかったなと思います。心を覆されました。
息を呑む刀さばき!一番強いのは優子さん!?
侍が出るくらいの予備知識で観に行きましたが、評判通りの面白い話でした。
冒頭の続きがやはり見たいと思っていたラストの真剣勝負は、他の時代劇が踊りに見えるくらい見応えがありました。
主人公の山口馬木也さんが、何となく安田顕さんに似ていると感じました。冨家ノリマサさんも強敵と感じる風格をかもし出し、しゃがれた声に味がありました。沙倉ゆうのさんも面白いキャラクターでいいですね。
とにかく役者が群を抜いて良かったです。
タイトル地味だが良作!!
ス⭕️ミを、観た後こちらみたら、同じ金額払ってこうも違うか?と痛感!
映画は豪華俳優陣や金かけたら良い作品が作れるわけではない!
それを証明する映画です。
侍の魂を失った、現代の日本人皆見てほしい映画!
侍魂
とりあえずめっちゃ良かったよ。お金が無くても、役者が知らない人でも情熱なのかな。面白いものは作れる。現代を感じ涙する主人公の気持ち。泣ける。先人の歴史の上に今がある。
素晴らしい作品だった。
みんなが「真剣」に頑張ったら奇跡が起きた!
「一生懸命、頑張っていれば、どこかで誰かが見ていてくれる」の言葉が刺さった。
私自身は「私の今の頑張りは世界中の誰も知らないけど頑張るしかないな。」と思って過ごしてきたので。
脚本を書いている時も演じている時も、このあと、超速のスピードでこの言葉が本当になるとは誰も思っていなかっただろうな。脚本が良いので制作の段階で目利きの映画のプロ達の協力を集めることに成功していたけれど。
前半は軽快なコメデイで場内あちこちで楽しそうな笑いが聞こえてきました。
和楽器のアップテンポなBGMも良かったです。
現代文明に驚愕してのけぞりまくる姿にテルマエのウォシュレットを思い出し、お寺の住職ご夫婦とのアットホームなシーンにほっこり。住職の奥様の絶妙な間合いとトークに吉本劇場を思い出し、時代劇の行く末を憂う言葉に失われつつある殺陣の技、時代劇の裏方の匠たちをハリウッドに集結させた真田広之さんを思い出し、楽しかった。
なのに泣いてしまうとは!
脚本の変更を読み、会津の人達の悲しい末路を知って涙を流すシーン、涙が出ました。
戦乱の世に生き武士道を貫き亡くなっていった仲間を思い涙する。そしてここから、笑いは消え、真剣勝負に至るまでの間、客席のみんなが緊張感にあふれるのが感じられました。
そして、その緊張感に終止符を打ったのが優子さんの一撃でしたね。一瞬でコメデイ路線に戻ったのはさすがと思いました。
そしてラスト、もしかしたら忘れていた人もいたかも、場内は「あ〜!?」というざわめき、ため息?「そうか!君はここに!?」という感じ。
良かった。なんとなく心に引っかかっていた。漆黒の闇の中一人残され彼はどうしたのだろうか。最後に、解決した安堵感。
でも大丈夫、頼れる先輩が2人いるから君は大丈夫という安堵感、満足感を持って映画館を後にしました。面白かった!
胸躍る映画でした。
映画館で映画を観る回数が激減していた昨今、単館から全国に拡がったという謳い文句に釣られて観に行き、満足して帰ってきました。
本作はいくつかの対比や暗示が上手く紡がれて物語を作っている感想です。
同じ殺陣を演じる役者として精進を重ね、片や人気の時期にスターとなってスポットライトを浴びる仇役に対し、斜陽の時期に大部屋俳優としてスポットライトの陰の立場にいる主人公。それは奇しくも、等しく信じる士道を歩んでいるのに光と陰になってしまった長州と会津に重ねられている。また最後の立ち合いのために型をつかっている最中、殺陣として上段の刃を天に向けていた構えを、刃を寝かせた構えに直す。それは様式美である殺陣から、相手を斬る為の剣術(斬る意志)に戻った事を暗示させる。さらに共に時代劇を愛し盛り上げようとしているはずなのに、武士の意地が故に本身を使い、殺陣でなく立ち合いをしてしまう。所々に散りばめられた主人公のヒロインへの淡い思慕や周囲の人達の温かさにほだされながら、それら全てを捨ててもとどめられぬ武士の意地。
これらのいくつもの段落がバラバラにならずきちんとした物語となっていて見応えがありました。
また最後の決闘のシーンは本当の武士同士の命をかけた斬り合いの様な気迫がかんじられ、肘掛けを掴んでしまう程でした。
唯一物足りなく思ってしまったのは、主人公が現代を認識し、殺陣に生きようとするまでの部分が薄く感じたところ。今を受け入れざるを得ないと納得する部分をもう少し厚くしても良かったのかな〜と。(長さの問題や、描きたい部分ではなかったとかテンポが悪くなるとか理由があったのかもしれませんが。)
タイムスリップ時代劇コメディ
笑いあり、涙ありこれが自主映画なのかぁ、凄い。しかも安田淳一監督は米兼業農家の方。
自腹をはたいて製作したのもあっぱれ。
発送の着眼点も面白いし、適応能力の高い侍も
なるほどと思った。舞台挨拶で侍タイムストリッパーと間違えて言ったのも功を奏したよね。
ある意味この話で一生、旨いお酒が飲めるに違いない。
京都の撮影所の方々が脚本が面白いから
協力してくれたのも納得。
『今はその時ではない』は日常的に使いたくなる
名言。
殺陣は立派な仕事であると改めて認識。
爽やかで楽しい作品でした。
時代劇がまた、元気になる事を願います。
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