侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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ところでなんで優子殿は伊達メガネなの?
やっとアマプラで観ました話題の映画。お金がかかる映画の代名詞時代劇が自主製作ってどういうこと?って思ったら東映京都撮影所の全面協力なんですね。撮影にいたるまでの経緯とかもきっとおもしろいだろうからドキュメンタリーとか作ってほしい。きっと東映の人たちもノリノリで持ち出しで協力してくれたんじゃないかな。「オレたちの映画だ!」っていう感じがすごい伝わってくる。
映画やマンガでこすり倒されてるタイムスリップコメディではありますが、本作もそのフォーマットに乗っかってるわけですが、その実時代劇の殺陣師(斬られ役)にフォーカスしていて、ちょっと前まで再放送していたカムカムエブリバディの伴虚無蔵を思い出した。ある意味スタントマン映画でもある。
良い意味で今の日本映画っぽくなくて非常に良いです。なんか俳優さんの顔がみんないいんです。なかでも住職の奥さんが一番好き。なんかうまく言えないけど、韓国映画とか昔の日本映画の雰囲気を感じました。
タイムスリップした敵同士という意味ではターミネーターのT-800とカイル・リースと構図は似てはいるけど、高坂新左衛門と山形彦九郎は同じタイムスリッパーとして苦労してきた戦友みたいになってておもしろい(仕事も同じだし)。しかも彦九郎のほうが年上になってて優子殿にドギマギしてる新左衛門をからかったりして実に微笑ましい。
あとタイトルにも書いたけど、優子殿はなぜ伊達メガネなのだ?「私俳優も兼ねてるからスイッチ切り替えるためにこれが必要なの、変かしら?」とか言ってくれたら良かったのに。地味にノイズだったわ。
華麗なるサムライ野郎
ひょんなことから現代にタイムスリップしてしまった会津の侍の姿をコミカルに描きつつも失われていく時代への郷愁を描く・・・好きな華麗なるヒコーキ野郎(WW1後にアメリカで流行った曲芸飛行師を描いた作品)と重なる展開だなと感じた
あちらは寂しい終わり方だったけれどそれとはまた違ったハッピーエンドだったのが娯楽映画らしくて良いなと思った
ラストの迫真の立ち回りのシーンはまるで若山富三郎の子連れ狼のようで圧巻だった
タイトルから先が読めてしまう、しかし、それも狙いか
さらっと見られる娯楽作品でしたが、現代に馴染んでいく過程の描写に拍子抜けな感じが漂っていたり、最後の決闘シーンの撮影で竹光を真剣に変えることを監督が簡単に受けてしまう事への納得性の甘さが引っ掛かったところでした。で、一番気になったのは、この手のタイムトラベラー物が韓国映画や日米の映画(時をかける少女、ターミネータ、フィラデルフィア・エクスペリメント、戦国自衛隊、・・)やTV(「ジパング」最近では「不適切にもほどがある」、「ホットスポット」でも)の作品で散々使われてきたことで、始まりを見るとなんとなく途中途中の筋が読めてしまう、既視感が漂うことでしょうか。
しかし、それ自体が、映画の題名を含めて楽しんで見られたらいいじゃないか、という作品のテーマになっているということなのかもしれませんね。
あの時代を行きた者たちが、この時代に魂を刻む
日本アカデミー賞を取ったので、気になり鑑賞。
とても見応えがあり満足感があった。新左衛門は堅物のようで茶目っけがあって良い。ショートケーキを食べて、今の日本の豊かさに涙するシーンにはウルッと来てしまった。最後の決闘シーンの鬼気迫る演技に息をのんだ。
最近鑑賞した「チ-地球の運動について」でも近しいセリフがあったのだが、例え敵であっても、同じ時代を精一杯生きたという事。こういったメッセージは過去も今も変わらない争いが絶えない世界に差し込む救いのメッセージだなぁと。
タイトルなし(ネタバレ)
タイムスリップなんて化石みたいな設定だ。アカデミーを取ったんだから、月並み感をどう捌いたのかと好奇心半分で見たのだけど、とにかく丁寧な作りで驚いた。主人公がポスターの日付をみて自分が140年後の世界に「タイムスリップ」したと自覚するシーンなんて、普通は失笑ものなのに、最初に背景として投げて、あとから主人公が見つけるアクションを付け加えるから、あら探しの裏をかかれてかえって納得。こういう仕掛が映画中に無数にあるから映画そのものを素直に受け入れられる。そのうち仕掛だらけのこの映画自体がメタ時代劇なのだと気づいて、懐かしさに触れてただ涙。
時代劇を愛するすべての人へ
よくあるタイムスリップものとはいえ、舞台設定がいい。ひねりが効いていて頭にすんなり入る。今は廃れた時代劇。テレビでも滅多に見なくなった。移り行く時の流れと、滅びようとしている一つの時代へ捧げる一輪の花になるのならぜひ見るべき映画。
途中で祖国会津藩がどういう運命を辿るのかを知る主人公。
やがて時代劇も同様になるだろうという示唆なのかもしれない。
が、その後戊辰の仇を叫び西南戦争で大活躍される。
その時の一瞬ではあるが、最後のサムライが確かにそこにいた。
そして、映画でもここに確かに時代劇があった。
いつかは滅ぶのだろうが、それは今ではない。
コメディなのに、涙が止まらない。
時代劇製作陣の侍的矜持
侍がタイムスリップして斬られ役として活躍する話
タイムスリップど定番の時代のギャップに戸惑う様子もありつつ、もう1人タイムスリップしていたという展開もあり
普通にエンタメとして面白い
ラストの真剣での試合のシーンはかなり締まったクライマックスになっている
加えて廃れていく時代劇への鎮魂歌的な役割もしている
時代劇制作や斬られ役という仕事の現状に触れつつ、それの面白さや深みを存分に提示している
(侍の時代の終焉と時代劇制作の廃れをリンクさせている構造。全くテンション感は違うけれど、俺の家の話というクドカンのドラマで、廃れ行く能の世界と死へ向かう介護の世界を組み合わせてエンタメに昇華していた。アプローチとしては案外似ている)
まあただ主人公の侍の感情だけ、はっきり定まりきらずにラストシーンへ向かっている感は否めない
過去の残忍な歴史を知り泣くシーンあり。その後酒で吐いて親父狩りにあう。
セリフに集中できなくなり。悩んだ末に真剣の提案をする。
侍としてのプライドを、鞘に収めるまでの葛藤として認識すればいいような気もするが、
いまいち彼の葛藤に乗り切れない。
相手も相手で、昔敵を切った感覚が時代劇の演技の際に思い起こされると悩んでおきながら、真剣での演技はしましょうと。
侍としてのプライドに終止符を打つためのけじめみたいことなのかもしれないけれど、、、
まあエンタメとして綺麗にまとめるための、ラストシーン前の葛藤って感じのところが多少無理くりな感じがしなくはない
さらに時代劇が見たくなりました
ストーリーがとても面白く引き込まれました。タイムスリップものなので普段時代劇を見ない自分でも見やすかったです(特にショートケーキを食べるシーンはグッときました)。
作中では時代劇制作についての想いや現状などが語られており、他の時代劇も見てみたくなりました。
映像の質感?が少しクリア過ぎるかな、とそこだけ気になりました。
信じるものの為に全力をつくす
終盤30分が本当に良くできていた。
会津藩が辿った歴史を知った高坂は、最後まで戦わず生き長らえてしまった後悔と仲間への自責の念から、戦いの中で死にたい、風見との決着をつけたい思いがあった。
一方で、風見の本当の武士の姿を現代の人にも知って欲しいという思いに共感もしていた。
そこで両方の思いを実現する、真剣での撮影を提案する。
高坂は風見に切られて仲間への罪悪感を払拭し、本当の戦いを後世にも残すことをイメージしていたが、風見の剣を落とす形で勝負がついてしまった。
当時長州藩の風見を切ることには意味があったが、決着がついた現代では切ることに意味がないと気づき、本来の剣ではなく殺陣の稽古で習った上段の構えで切らないことを選んだ。
当時は信じるものの為に死ぬことが武士の本懐であったが、お互いの信じるものの為に戦った。それでいい。
いつかは時代劇も歴史も忘れ去られる時がくるだろうが、それでいい、今日がその日ではないなら近くの明日のために伝えていくことでいい。それでいい。
自分の信じるもののや愛するものを継続する時に、これは意味があるのかとかいつかは無くなるならやらなくても同じだとか考えてしまう時があるけど、他者や後世の評価を気にして自分の思いに蓋をしてしまうのはもったいないし、それでもいいと思ってやり遂げることが大事だと思った。
睨み合いの緊張感が良かった。
ケーキや米を食べて日の本は良い国になったと涙するシーンも良かった。
脚本上も高坂が風見を切る話であったと解釈するが、長州の風見が会津の高坂に切られる脚本を用意していたのも風見のメッセージだと思うが、真剣勝負になった時点で風見がわざと剣を落としたとは思いたくない。
話題になってたけど裏切らなかった!
めちゃめちゃ面白かった!
主演の山口さんがすごくよかった!
喋り方や佇まい、刀さばきがかっこいい〜
殺陣技術集団「剣会」となるものを知らなかったし、時代劇ってこうやって作ってるのかと勉強になった。
お侍さんの礼儀正しさが素晴らしいし、殺陣のシーンは息を呑む素早さ!
幕末から突然未来にタイムスリップしてからの馴染みの早さはびっくり笑
で、切られ役の初稽古で切られないでいる連続シーンで吹き出してしまった笑
暗殺しようとした相手もタイムスリップしてんだろ〜
と思ってたらまさかの30年というタイムラグ笑
ラストシーンまで抜かりなくとても楽しめた!
まさに真剣。
幕末の侍がタイムスリップして、時代劇の斬られ役として働くことになるというコメディのノリの映画。
と思いきや、終盤は緊張感が次第に高まり、最終シーンの真剣での戦いの場面になる。タイムスリップする前も真剣同士の斬り合いなんだけど、終盤の真剣の戦いの方が遥かに緊張感がある。それは、まさに現実シーンで役者同士が本当に真剣を用いているかのように感じられるからだろう。映画を見る時、戦いのシーンは真剣で戦っているとは考えながら見てはいるけど、そうは言ってもフィクションの世界。真剣でのやり取りなんてことは本当には思ってない。それを、劇中劇の時代劇と、現実の世界と分けて、現実の世界に真剣を持ってくるという構造にするおかげで、本当に真剣で戦うことの緊張感を感じさせてくれている。非常に上手い扱い方だなと思う。
役者さんの力も多分にあったとは思う。
とはいえ、良いところばかりではなく、前半と後半の主人公の性格のギャップが大きいすぎて半ば強引に終盤のシーンに持っていったなといった感じ。喧嘩腰すぎでしょ。
優子さんとのクダリがまあまあくどい。
全体的に低予算感あふれる感じは最後まで拭えなかった。
文句なしの星5!!
こんなに面白い映画あったのか!と今まで観てなかった自分を引っぱたきたい!
なんの前情報もなく、暇つぶしに流し見するつもりで流した映画だったんだけど、導入からもう引き込まれて結局最後まで食い入るように観てしまった
間違いなく人生トップ3に入る。それくらい自分の好みドストライクで、滅多に星5なんかつけないんだけどこれはもう何の迷いもなくこの評価
とにかくコメディとシリアスのバランスが本当に絶妙。自分の描く"創作"の理想形そのままだった。殺陣で切られ役なのに侍が染み付いちゃってるせいで反応して斬っちゃうのも涙出るくらい笑ったし、「コメディ映画」としてだけでも完璧なのに、そこに「侍の矜恃」を時代劇と上手く合わせるこのシリアスさ
30秒くらい無音で両者動かずに間合いを取り合うあの時間、あんな風な時間の使い方したら普通は「長すぎやろ!笑」ってなるところ、二人の演技が本当の「侍」に見えて、これから始まる本当の殺し合いを感じさせて目が離せなく、手に汗握る
最初は本物の侍がタイムスリップしてきたらその本物侍パワーで時代劇を無双する!みたいな話かと思ったら、「現代においては無用の長物」として斬られ役という脇役として生きていく、というのもいい。でもそういうなろう展開が一切ない訳じゃなくて、ちゃんとその等身大を見せたあと、最後その場にいたスタッフには「本物の侍だった」って理解できるような構図になっていて、それは勿論過去からタイムスリップしてきたという証明ではなくあくまで「侍の心を持つ者」という証明に過ぎないんだけど、ここではじめて本当の侍の凄さを現代人が理解する、ってのが斬られ役に徹してきた下積みからのカタルシスを感じさせる展開になってる
もうね、とにかく本当に面白かった。コメディもシリアスも、脚本も演出も演技も、全てが完璧だった。人生で好きな映画トップ3にはいりました。「笑って泣ける」みたいな宣伝文句してる映画で一切笑ったり泣いたりしたことなかったけど、この映画は終始笑って泣きました
ねぎらわざるをえないふんいき
伝わってくるものがあったが言いたいことはある。
むかしのことだが一般の国内映画冷評にたいして映画関係者が「必死で味噌汁をつくっている裏方の苦労なんかおまえたちにはわからんだろうな」とツイートしたのが話題になったことがある。じぶんはこのエピソードを日本映画界を言い表すエピソードとして何度か使っている。
俗にこれを根性論と言い、日本では往々にして芸能が根性論というエンジンによって動くことがある。そして根性論にたいする日本的反応が「ねぎらい」である。日本映画界が根性論で作品をつくると、やさしい日本人は「ねぎらい」によってそれに応える。たとえおもしろくなくても「ねぎらい」票は入る。
そればかりか低予算やぎりぎりのスタッフ・キャストでの映画作りならば「ねぎらい」が賞賛に変わる。金も人もない状況下でつくった映画を賞賛しなければ不人情になってしまうからだ。日本では映画が免罪符要素を持ってしまうことがある。
こうした根性からのねぎらいからの免罪符──という展開は海外映画にはぜったいにない。日本映画だけの特殊事情といえる。さらに幕末設定により武田鉄矢的な泣き要素が加わることで、もはや手に負えない根性論免罪符環境が構築されたと言っていい。命がけの会津っぽに誰が抗えるのかという話である。
もちろん侍タイムスリッパーの製作陣は「根性論からのねぎらい」を狙って映画をつくったわけではないだろうが、見ていて気恥ずかしくなるほど実直な作りかつアマチュア精神な作りなので、ねぎらい&賞賛をせざるを得ないような気分へと追い詰めてくる映画だった。意図してはいないのだろうが、必死で味噌汁をつくっている裏方の苦労を思いやってほしいオーラを感じる映画だった。
なにしろ低予算であるし─『10名ほどのスタッフで制作しており、安田は車両からチラシ作成・パンフレット製作まで11役以上を1人でこなしている。助監督役の沙倉ゆうのは実際の助監督なども務めており、沙倉の母親も小道具の刀の整備などを手伝っている。また他の演者も度々スタッフとして協力している。』(ウィキペディア、侍タイムスリッパーより)
──という家内制手工業でつくられている。その努力や頑張りをかんがみて、またその大変さやけなげさを思いやって、また、みんなが一致団結してつくった温かみに触れて、みなさまご苦労様でした、としか言いようがなくなる、わけである。
このように皮相が根性論で塗られている映画を一般的な日本人はけなせない。わたしも人の子であるし鬼じゃないから限られた予算で頑張ってつくった製作陣をねぎらいたい気持ちがないわけではない。が、あまりにもベタすぎていやになるところはあった。
たとえば高坂(山口馬木也)が剣心会への入門を願い出た際、住職が滑るとか落ちるとかそういうことぜったい言うたらあかんで──とふっておいてからの(雨道に)つるっと滑って怪我でもしたらとか、(内閣の支持率)こんだけ景気わるなったらそりゃおちるに決まっとるとか、──言ってしまう超絶のベタスクリプトには恥ずかしさで鳥肌が立った。
こ・の・低・脳・な・台・詞・は・な・ん・な・ん・で・す・か。
しかし「真剣の重みを感じるようにしたい」という監督の意図は伝わってきたし、殺陣も緊張感があった。
根性論とは製作側の思い入れのことだ。映画とは製作側の思い入れを観衆につたえるものだ。で、大概の日本映画が根性論の段階で止まる。
本作の斬られ役のモチーフになっているのは福本清三氏だと思われるが、個人的に福本清三氏の情陸風コンテンツに見たのは、ほかの斬られ役に比べてどこが違うのか解らない斬られ方と、かれを褒めまくる著名な時代劇役者だけである。もちろん福本清三氏は悪くない。5万回斬られた男──だからなんなのか、5万回斬られたことをもって観衆はなにを面白いと感じればいいのか──を提供していないことが悪い。5万回斬られた男という装丁だけでそれ以外のアイデアをもっていない作り手が悪い。そういうのを根性論というのだ。
が、侍タイムスリッパーはストーリーがクライマックスの真剣勝負へ誘導していくし、観衆を話の中に引き込む工夫もあった。侍タイムスリッパーははじめて見た根性論ではない斬られ役コンテンツだった。と言える。
ただ貧乏くさすぎる。これは2025年の日本映画である。
にもかかわらず金もなくスタッフもキャストも限られ貧しさの極地で映画作りしている日本とはいったいどんな発展途上国なのだろうと思った。
先日見たネトフリ映画The Electric Stateの製作費は465億円だそうだ。侍タイムスリッパーは2,600万円だそうだ。
文化庁と経済産業省のお抱えNPO法人映像産業振興機構(VIPO)に給付される税金750億円はどこへ消えて無くなるのだろうと思った。
結果的に、日本映画界のわけのわからなさをひしひしと感じてしまう映画だった。また、カメ止めはねぎらいを感じなくてよかったからカメ止めとの近似性は感じなかった。
侍タイムトリッパー
入口としては入りやすいタイムトリップから意表をつく展開。コメディながら熱い気持ちが伝わる良い映画でした。
最後の映画作りの過程からラストまで二人とも同様に大切なものを全力で守ろうとしていたこと。ただし、その大切なものが違うだけであるという状況が切なかった。
最後の殺陣のシーンの二人がすごい迫力で圧倒された。今を全力で生きるだけしかないというメッセージが伝わってきた。
初めのタイムトリップのシーンで相手役の方ががいい雰囲気を持っていたので、あの人はどうなったのかな?と思っていたが、案の定途中で現れた時にキターってなりました。そしてぼんやり、じゃああのパッとしない人はどうなったのかな?って思っていたところエピローグ的なシーンで、第三者的なアングルに変わったときに、もしかしてもしかしてと思ったら、やっぱり最後に現れてスッキリ!
期待し過ぎたか
随分と評判がいいので、アマゾンプライムで見られるということで見てみた。映画館で見ていたら、もうちょっと印象はちがったかもしれないが、アマゾンプライムでみると、テレビドラマ風にしか感じられなくて、それほど面白味もなかった。過去から現代にタイムスリップするという、SFではありがちだが、こういう日本の映画ではそれほど作られてはいないテーマのものだろう。それが生かされている、とはちょっと思えなかった。
この映画の主題は、時代劇は素晴らしいものだ、ということが言いたいのか、それを演出するために、過去から侍をつれてきました、というだけの内容だったように思う。
劇場公開されていたときには、私の趣味ではない日本映画、と言う印象だったが、その印象通りだった。なんというか、日本映画らしい役者の演技、というものがあるようにいつも思うのだが、それがよく感じられた映画だった。
最初から最後まで抜かりなし
欲しいところに欲しい玉をくれる。
映画というエンターテインメントが心底好きな事が伝わってくる、丁寧な作りの映画。
ラスト前の殺陣も良かったし、
ラストはそうそう、それだよねというシーンで良かった。
傑作。
低予算を取っ払っても、いい映画
いい意味で自主制作映画的。場面転換に大きな幅がないところは、逆をいうとCGにもロケにも頼り過れないというところだ。ここがいい意味で自主製作映画的と評したところ。つまりは低予算という縛りをうまく活用していると思う点だ。
こうした低予算つまり、制約性を取っ払って観る。脚本の芯がスッと通っているから、ブレずに没入できる。タイムスリップものとしては、ありがちだが、斬られ役というところに着目したところが侍のタイムスリップとしては、ドラマが進みやすい。
主人公がその設定を少しずつ理解し、受け入れていく流れに多少の引っ掛かりを持つのだが、その前段の現代の平和な世界と豊かな食生活に驚くあたりで解消を試みているのがとても良かった。いつまでも、現代の生活に驚き続けるのではなく、ちょうどいいところで幕末との違いを受け入れるあたり。ここを引っ張り過ぎると、食傷気味となるのだ。
物語は時代の生き方・立場・信念を呼び戻し、敢えてそこに身を投じ直す二人の侍がぶつかり合う。斬られ役ということで、劇中劇の視点が必然的に取り入れられ、ある意味メタ的な俯瞰視点に切り替わるのかと思えばそこに執着しない。
安田監督のテクニカルで情熱的で映画への溢れるまっすぐな想いが伝わってくる。「ほら、それはキミの思い通りの展開とちがうで」と言われているように。
優子ちゃんのかわいらしさが、ラブコメ路線を裏側で牽引している。深入りしないラブコメさはとてもココチいい。また、京都のいい意味での閉鎖的な土地柄・「いけず(イジワル)」さを知った上で、和尚夫婦をはじめとする「人間の優しさ」ってものが人情味を深める。つまり、よそ者に厳しい京都人のくせに、優しいやん!ということだ(筆者は生まれ育ちいまなお京都人である)。
7,000万円という低予算に対して、興行収入10億を越えたこと。日本アカデミー賞「最優秀作品賞」とのことだが、注目されるきっかけを与えてもらわなくては観ることもなかった自分の映画眼(ムービーアイと呼んでいる)がフシアナなのが恥ずかしい。
主演の山口馬木也さんはテレビでちょいちょい目にすることはあった。もっと光を浴びて欲しい役者というのが世の中にまだまだいるのだろうと感じてしまった。
斬られ役といえばの「福本清三」さんと侍がタイムスリップするというCMを結び付けたあたりが、安田監督の眼のよさなのだとつくづく思った。良い映画だった、ちょっと疲れた大人は必ず観るべきだと思う。
良い映画だと思うけど
主演の役者さんが素晴らしいし、笑えて良い映画だと思うけど評判ほどのめり込めるかと言われるとうーん…。会津藩の最期を知って真剣で撮影する必然性がよく分からなかった。
低予算の知ってる映画といえば「カメラを止めるな」と大好きな「運命じゃない人」。どっちも脚本で唸らされる映画だったから、そういうのを無意識に求めていたのかなあ。
悪くはないけど
絶賛する程かなぁと言うのが正直な気持ち。
使い古されたタイムスリップ物と言うネタを良く仕上げたとは思うんだけど、サムライわりとすぐ現代に慣れてるなwなので、お約束の、その辺のドタバタは良くも悪くも短い。
細かい部分が気になるので、映画界で働き始めたサムライ(しかも、先に来てるヤツも居た)が戸籍とか、納税どうしてるんだろう?って思ってしまう。先に来たヤツは既にスターなんだしね。
ラストの真剣でのシーンは蒲田行進曲の階段オチが元ネタかなぁ。蒲田行進曲はあくまでも、元々のストーリーに沿った階段オチなんだけど、コレは相手が勝ってた場合どうすんだ?
笑ったのは、最後の「今日がその日ではない」だけだった。
全264件中、21~40件目を表示







