侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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脚本を作品の幹として面白さを観客のカタルシスとするなら正に作品賞!
知らない役者さんばかり、無論、監督も知らなかった。口コミで見て見終わった時にエンタメど真ん中のカタルシスを感じて、もう一度見てもスッキリ感があり、Amazonでも飽きずに見ました。金かけられてないからキャスティング・セットに限界があるのは素人にもバレるけれど面白い。去年のゴジラが今年の候補でもいい勝負をしたと思う。個人的にゴジラは全作見てると思いますが、去年のゴジラと比べても私のカタルシスレベルは侍の勝ち。
画面の処理がどうだ、役者の心理的表現がどうだ・・・語るのは勝手ですが、本が良くて観てスッキリするという映画の原点に作品賞を出せる日本アカデミー審査も捨てたもんじゃないと・・・
点滴がタイムスリップしていた
新左衛門の腕に繋がれていたはずの点滴が次のカットで消滅していたり、ゲロを踏んで転けたはずなのにスニーカーがピカピカだったり、雑さが目立つのは低予算だから仕方がないとして、登場人物全員が心の声をはっきりと声に出して喋ったり、またその口調が芝居がかりすぎており、まるで新喜劇を見ているようだった。映画なのだから演者の表情の変化や行動で分からせて欲しかった。寺の前に侍の格好をした男が倒れているのを見つけて、「なんや、撮影所の役者さんかいな?」と大きな声で独り言を言うのは不自然だし、全てが説明的でチープに感じた。自主制作にしてはクオリティが高いというだけで、日本アカデミー賞最優秀賞には相応しくないと思った。
侍の覚醒
まだ劇場で上映している新作を、配信で鑑賞できるなんて感謝です。
昭和生まれの私でさえ、日の本は良き国になったと思う。
ましてや幕末生まれの高坂さんには別世界。
日本最強の武士団と謳われた会津藩士。
幼少より什の掟を叩き込まれてます。
一、年長者の言ふことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言を言ふことは・・・・
そんな高坂さんがタイムスリップした戸惑いを、コミカルに描いた前半。
また雷に打たれて戻っていくのかなと思っていた。
皆が絶賛するほどか、とも思った。
ところが風見さんが登場してから、ガラッと変わる。
侍が侍と出会ってしまった。
会津藩士が長州藩士が共に覚醒していく。
そして真剣での立ち会い。
迫力ありました。
お見事でした。
選ばれるには理由がある
スタッフ、出演者の作品に対する情熱だけではない
恥ずかしながらテレビや新聞など見ておらず、これがアカデミー賞を獲ったことを知らずに仕事が終わってアマプラで見ました。
最初のシーンで口とセリフが合っておらず、おや?と思ったのですが、その後は主演俳優の演技に惹き込まれ最後まで休憩を挟まず視聴できました。
女優さんも始めて見た方だったので、途中で低予算の映画だとは思ったのですが、まさか自主制作映画だったとは、、、、基本アマプラで見るときは途中で「んなことあるかい!」ってストーリー展開だったり、辻褄が合わないなと思ったら休憩をいれるんですが、この映画は自然に感情移入ができました。しいて言えばポスターの横書きの文字や数字を普通に読んでしまうところに違和感を感じたぐらいで、あとは非常によくできた脚本だと感じました。
正直最近の日本映画は見終わったあとに「俺は2時間何を見せられたんだ、、、」という映画が多い、特に予算をふんだんに使った作品。
色々大人の事情もあるのでしょうが、原作を改変して変なふうになっちゃったり、俳優や女優をかっこよく、美しく魅せようとしたり、「ちがうだろ」って演出が多かったりします。
その点この映画はなんのしがらみもなく、監督が、俳優が、自分たちが撮りたいもの、見てもらいたいものを作り上げているように感じました。
しっかりした役者と監督がいれば、予算はなくともここまでの映画が撮れるのだと。
特に主役の山口さんの演技は素晴らしい。
本当は主演男優賞も獲っていておかしくないんでしょうけど、それではあまりにも無双すぎるので、、、
見終わったあとの満足感は自分の中ではかなり大きなものでした。
その後、アカデミー賞や自主制作映画、携わった人のエピソードなどを調べてみるとさらにもう一回見ようって気にさせてくれる映画です。
なかなか、使えたいことは書ききれませんが、日本映画にとって、希望のようなものをかんじました。
ありがとうございました。
中盤からの展開がとても面白い
【鑑賞のきっかけ】
今話題の作品で、劇場公開中であるにも関わらず、動画配信での鑑賞が可能となっていたので、早速鑑賞してみました。
【率直な感想】
ありそうでなかったタイムスリップもの。
幕末の武士が、現代にタイムスリップし、そこが、時代劇の撮影現場で、撮影であることがもちろん分からないので、現場を混乱させるような振る舞いをしてしまうが・・・。
といった最初の方の展開は、「ありそうでなかった」と述べたように、アイデアとしては、斬新とは言えないし、何となく、後の展開も読めてしまうな、と思いながらの鑑賞でした。
ところが。
物語の半ば、1時間くらい経過したところで、思いもかけない展開が待っていました。
冒頭のタイムスリップ直前のシーンに張られていた伏線に気づかされ、「その手があったか」と。
そこからは、強く興味を惹かれながらの鑑賞に変わりました。
特に最後の30分は、先の読めない展開となっていき、かなり楽しめる作品となりました。
【全体評価】
最初は、先の読める作品と思っていたけれど、中盤からの思いがけない展開で、私自身の中では、評価がぐんぐんと上がっていき、大評判も納得の良作と感じています。
140年・・・
リメイク希望!
トコトン魂を込めるからこそ…
何の期待もせずに見たら、面白かった!
賞を取った以外に、何の情報も入れずに鑑賞した。自主制作の映画と言うのはもっと手作り感があって素人っぽいのかなと思っていたが、そんな事は微塵も感じられない、過去の大作にも引けを取らない素晴らしい映画だった。
最初に感じたのは、画面の美しさで、主人公が現代の河川敷を歩いている場面が、山田洋次のたそがれ清兵衛のオープニングにある雄大な雪の残る山々を背景にした庄内平野の場面と重なって見えた。現在の街並みと侍姿の男との引きでの対比が、彼の心細い心情を映し出しているように感じた。
後で聞けば、監督が撮影も編集もしていたとのことで、そんなことができる人間がいるのかと驚いた。撮影一つとっても奥が深いものであるのにこのレベルで全てをやってしまうなんて、ちょっと理解が追いつかない。
映画内のユーモアも素晴らしく、一方で最後の真剣のシーンは本当に真剣で斬り合っているかのように感じられた。緊張と緩和が心地よい映画だった。どの役者も演技が素晴らしかった。
しかし、自主制作でこんなレベルのものが生み出されたら、後に続く人たちのプレッシャーはすごいだろうなと思う。
こんな映画が観たかった
普段時代劇なんて見ない。いや昔は銭形平次とか水戸黄門とか暴れん坊将軍とか、勧善懲悪もののファンタジー系(とでも言うか?)ドラマは観てたし、嫌いじゃない。
それを観なくなったのは大人になって心がくもってきたからだろうか。そんなの現実にあり得ない、と史実に基づいた、シリアスなストーリーを求めるようになった。そこには夢も希望もなかった。
そんな私だったが還暦過ぎて知人の誘いで京都の撮影所を訪れる機会があった。音楽パフォーマンス集団の一員として、和装で時代劇セットのステージで歌い踊るというものだったが、連綿と受け継がれてきた時代劇の世界を改めて見直す好機となった。
本作はそういった時代劇の世界を後世に残したい、伝えたいという想いに溢れたストーリー。多少クスリと笑わせる味付けがちょうどいい!そしてベテランが魅せる殺陣の演技が素晴らしい。何よりもこれらを低予算で、監督自身が何役もこなして創り上げたということ。ヒット作にあぐらをかいて名作をクズ映画に仕立ててしまった某忍者映画は足下にも及ばない熱量がある。
今も生きている東映時代劇の魂
やっとアマプラに上がっていたので昨日見ることが出来た。娯楽時代劇としてはもう文句の付けようのない良い出来だったが、更に驚いたのは、同じ日の18:45からBS・NHKでやっていた「アナザーストーリーズ」での・・・この映画の特集である。
確かに、この映画のヒットは、インディーズで・・・、たった2,500万円の予算で・・・、それも時代劇で・・・、シネマ・ロサと云う、申し訳無いが「場末」の映画館ひとつから始まり、今では10億を超えようという興収を上げたと云う事は、安田監督が作った奇跡と言える。しかし、このドキュメタリーを見れば、それだけでは無く、太秦の東映京都撮影所の・・・例えば撮影部・衣装部・小道具・床山そして殺陣師達の魂が注入されてこその仕上がりだ!と云う事が分かった。
特に、監督の要望に合うように撮影所の財産である着物を惜しげも無く出してくる衣装部。どんどん伸びてく日程にも拘わらず何とか時間をやりくりしてくれる撮影部やプロデューサー、そして何よりもこの映画への出演を予定していた福本清三さんの意志をつぐ殺陣師集団・東映剣(つるぎ)会の心意気だ・・・。この映画を「第二のカメラを止めるな現象」と言う人もいるが、この東映時代劇に関わって来た人達の気持ちを思うと少し違った映画の制作風景が見えてくる。
ごらんになっていない方は、是非!そして、「アナザーストーリーズ」と一緒に!再放送は28日午前中にNHK・BSであります。
最後に・・・、この映画が日本アカデミー賞に相応しいか否かについて疑問を呈する発言が散見されるが、基本的に大した権威も無い日本アカデミー賞への幻想に基づく発言だと思う。元々このコンペは、世界三大映画祭にも入っていない映画関係者の人気投票でしかない米国アカデミー賞を、この小さな島国に移入したものに過ぎず、およそ権威などとは無縁のもので、映画に対する絶対的な評価だと思わない方が良いと思う。まあ、昨年は大手制作会社(と言っても日本に大手と呼べる製作会社が有るのかも疑問だが)にこれだ・・・、といった作品が無かったから票が集まったと言うことであろう。
今日がその日ではない
もっとコミカルで軽いノリの作品かと思っていたが、イイ意味で裏切られた。
こんな作品だったなら、劇場で体感するべきだった、と少し後悔…。
若干長過ぎというか、省いて良くないか?と感じられたシーンもあったが、良い映画と云える作品。
会津藩と壬生浪の関係性から対立する薩長の流れを頭の隅に置いておけば、かなり複雑な内容が背景に視え隠れする。
侍の信念を軽んじるつもりは無いが、時代の大局を観た時、大事にするべきはなんなのか?囚われないで考える柔軟さが必要だ。
今の時代だから踏み込める思考かも知れない…。
タイトルでしか出て来ないくらいの言葉だが、タイムスリップという事象がこの話の根源で有るのに、些末な事になっている程、詰まった内容だった。
泣いて笑って
やっと観られました!
徐々に人気が出てきたころ、遠方の映画館で公開されていて、行きたかったのですが
結局観られずにいました。
でも、日本アカデミー賞を受賞したおかげで(?)アマプラで観ることが出来ました!
結論、とっても面白かったです!
笑いあり、涙あり、ハラハラドキドキもあり、
本当に良かったです。
最後のクレジットで安田淳一監督の名前が、いたるところで出てくるのを見て、
監督の大変さが少しわかったような気がしました。
私は映画界のことは詳しくありませんが、
この映画はインディーズ映画としては「カメ止め」以来の大ヒットと言われているとのこと…では逆に、埋もれていく作品はいくつあるのだろうかと、思いました。
映画の中でも、優子ちゃんが忙しい中、シナリオを書いて監督を目指していました。
若き(若くなくても)才能が、開花し夢が叶うってことは本当に素晴しいことですよね。
作品そのもが面白いはもちろんですが、
このような映画がヒットし、日本アカデミー賞を受賞することは、
夢は叶うんだって、証明になります。
映画界の発展を心から祈ります。
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