侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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あらゆる年代の観客を楽しませようとする作り手の巨大なサービス精神
ベタなストーリーに演出だが、主人公の造形が素晴らしく、笑えるところも泣かせるところも熱くなるところもしっかりあって、なんだかんだで2時間飽きずに楽しめる。
あらゆる年代の観客を楽しませようとする作り手の巨大なサービス精神に、爽快な感動を覚える作品。
タイトルなし(ネタバレ)
タイムスリップなんて化石みたいな設定だ。アカデミーを取ったんだから、月並み感をどう捌いたのかと好奇心半分で見たのだけど、とにかく丁寧な作りで驚いた。主人公がポスターの日付をみて自分が140年後の世界に「タイムスリップ」したと自覚するシーンなんて、普通は失笑ものなのに、最初に背景として投げて、あとから主人公が見つけるアクションを付け加えるから、あら探しの裏をかかれてかえって納得。こういう仕掛が映画中に無数にあるから映画そのものを素直に受け入れられる。そのうち仕掛だらけのこの映画自体がメタ時代劇なのだと気づいて、懐かしさに触れてただ涙。
時代劇を愛するすべての人へ
よくあるタイムスリップものとはいえ、舞台設定がいい。ひねりが効いていて頭にすんなり入る。今は廃れた時代劇。テレビでも滅多に見なくなった。移り行く時の流れと、滅びようとしている一つの時代へ捧げる一輪の花になるのならぜひ見るべき映画。
途中で祖国会津藩がどういう運命を辿るのかを知る主人公。
やがて時代劇も同様になるだろうという示唆なのかもしれない。
が、その後戊辰の仇を叫び西南戦争で大活躍される。
その時の一瞬ではあるが、最後のサムライが確かにそこにいた。
そして、映画でもここに確かに時代劇があった。
いつかは滅ぶのだろうが、それは今ではない。
コメディなのに、涙が止まらない。
なんなのこれは?
評判がいいので見てみたが、昔の安手のVシネのような画面に驚き、ベタ照明(あかり)におどろき、はなしの稚拙さに驚き、「すべる」のすべりまくりのギャグに驚きあきれた。熱血根性物のお話の薄らさむさ。観ているこちらが、恥ずかしくなった。
これが、日本アカデミー賞の作品賞?悪い冗談だ。アメリカの大統領が、あほで間抜けなアメリカ白人になったことよりも、あきれ果てた。
NHK『アナザーストーリーズ』で満員の観客と熱狂をうつしだしていたが、これが、衆愚か、ファシズムの足音か?うすら寒くなった。
「底知れない程度の低さ、どぶからうまれでた何か、およそ深さなどまったくない何か」が、ほとんどすべての人びとを支配する力を獲得する。それこそが、全体主義のおそるべき性質である、とアーレントは考えました"
とてもよいw
時代劇製作陣の侍的矜持
侍がタイムスリップして斬られ役として活躍する話
タイムスリップど定番の時代のギャップに戸惑う様子もありつつ、もう1人タイムスリップしていたという展開もあり
普通にエンタメとして面白い
ラストの真剣での試合のシーンはかなり締まったクライマックスになっている
加えて廃れていく時代劇への鎮魂歌的な役割もしている
時代劇制作や斬られ役という仕事の現状に触れつつ、それの面白さや深みを存分に提示している
(侍の時代の終焉と時代劇制作の廃れをリンクさせている構造。全くテンション感は違うけれど、俺の家の話というクドカンのドラマで、廃れ行く能の世界と死へ向かう介護の世界を組み合わせてエンタメに昇華していた。アプローチとしては案外似ている)
まあただ主人公の侍の感情だけ、はっきり定まりきらずにラストシーンへ向かっている感は否めない
過去の残忍な歴史を知り泣くシーンあり。その後酒で吐いて親父狩りにあう。
セリフに集中できなくなり。悩んだ末に真剣の提案をする。
侍としてのプライドを、鞘に収めるまでの葛藤として認識すればいいような気もするが、
いまいち彼の葛藤に乗り切れない。
相手も相手で、昔敵を切った感覚が時代劇の演技の際に思い起こされると悩んでおきながら、真剣での演技はしましょうと。
侍としてのプライドに終止符を打つためのけじめみたいことなのかもしれないけれど、、、
まあエンタメとして綺麗にまとめるための、ラストシーン前の葛藤って感じのところが多少無理くりな感じがしなくはない
食べるんかいな
さらに時代劇が見たくなりました
ストーリーがとても面白く引き込まれました。タイムスリップものなので普段時代劇を見ない自分でも見やすかったです(特にショートケーキを食べるシーンはグッときました)。
作中では時代劇制作についての想いや現状などが語られており、他の時代劇も見てみたくなりました。
映像の質感?が少しクリア過ぎるかな、とそこだけ気になりました。
ノスタルジーでは解決しない
なぜ、時代劇を作らなくなってしまったのだろう。いや、正確には、どうして京都で時代劇を作らなくなってしまったのだろうか。
正論をぶって大変申し訳無いが、答えは出ている。勧善懲悪のチャンバラ劇に観る側が飽きてしまったからなのだ。
もちろん、それは脈々と続いてきた時代劇映画の製作を支えてきたスタッフや俳優を貶めるものではない。ただ、進化を拒むように物作りをしてきた映画やテレビの制作には責任があると思う。「時代劇はこうなんや」の作り手の独りよがりは観客を置いてきぼりにしてきた。まして、時代劇が無いのはスター俳優が京都を去ったせいではないので、わざわざスターに謝罪させる会見シーンというのは誰に対する忖度かと思ってしまう。
主題は「時代劇の灯を絶やしたくない」なのだが、主題を全面に押し出されても、こちらは青臭くて観ていられない。もっと幕末の志士の「生」を、タイムリープを持ってして突き詰めて描ければ、グッとくるものがあったと思う。シチュエーションに溺れているのか、全ての人物像の描き方も芝居自体も私には浅くしか見えなかった。
とくにヒロインの女性像は映画というよりはアニメーション、漫画のそれにしかみえなかった。監督賞?なぜ?
変にギャグにしないとこが好感持てる
幕末を生きる侍が現代日本にタイムスリップだ!
はじめは何が起こったか分からず右往左往だが
爆速の理解力で自身の時代から100年以上経過していることを受け入れたぞ!
何気に理解力と適応力の塊であった主人公は現代日本で時代劇の切られ役として生きていくのだーーーー!!!
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面白いわー
娯楽映画はかくあるべきですね
主人公の適応力がすごすぎるとか、ご都合主義とか
こまけぇことはいいんだよ!
これは娯楽映画なんだから一瞬を楽しめ!
ありがちの車やら建物やらにコミカルに驚く武士が無かったのが本当に良かった
演者さんの演技も良いし、上映時間長めだけど話面白いしテンポいいから全然気にならない
侍が現代にタイムスリップして、ドタバタコメディかと思いきや、そんな単純な話ではなくキチンと中身が練られた内容だったのは予想外
後半の流れは「そうきたかー!」と驚かされ、最後のチャンバラはマジで刃傷沙汰が起こるのかハラハラしながら見れた!
コレは話題になるのも頷ける
細かなアラは見て取れるけど圧倒的な面白さの前には些事である
本当に面白かった
主人公のひたむきさが貫かれ、ユーモアと緊張感が途切れない!
幕末の会津武士が京都での果し合いの最中に現代にタイムスリップするところから物語が始まる。主人公は現代に殺陣役者として生きてゆく決心をするも、会津藩士としての魂を忘れない。その集大成とも言える大作に臨むにあたって後日書き加えられた台本から会津藩が戊辰戦争で敗れ政府軍に酷い仕打ちを受けたことを知る。タイムスリップという非現実的な設定のはずなのに、時代劇事情のリアリティーと一貫した主人公のひたむきさやそれを支える人たちの愛情など不思議と観客は劇中のストーリーに取り込まれてしまう。終始ユーモアと緊張感に包まれストーリ展開の仕掛けも極めて巧妙だ。娯楽映画として、久々に感動する作品に出会えたのがうれしかった!
米農家でもあり、脚本のみならず撮影、照明、編集までもこなす安田淳一監督には敬意を表するとともにその才能を祝福したい。
侍映画
アニメでいえば、新海誠の初期とか、最近では安田現象の「メイク・ア・ガール」とか、「ルック・バック」とか、あるいは「カメラを止めるな」のような感じ。
好きが高じての作品ってすごいなぁって思う。
何かのドキュメント番組で、安田淳一監督は時代劇には詳しくなかったと自身で言われていたけれど、そんなことを言いつつもあの熱量はすごいと思う。
侍映画・チャンバラ映画と聞くと、最近では「太秦トワイライト」とか 個人的には「SF~サムライフィクション」とかが思い浮かぶ。
時代劇ではないですね。時代劇というと「水戸黄門」とか「暴れん坊将軍」とか「鬼平犯科帳」とか。
時代劇と、侍映画、チャンバラ映画と書き方を分けたけれど、何が違うのかな。
とりあえず、「侍タイムスリッパー」は侍映画かな。
チャンバラ映画は「SF~サムライフィクション」かな。
劇場で観たかったけれど、タイミングを逃してアマプラで視聴したけれど、やはり大きなスクリーンで観たい映画の一つ。
同時に「太秦トワイライト」も見直してみたくなった。
信じるものの為に全力をつくす
終盤30分が本当に良くできていた。
会津藩が辿った歴史を知った高坂は、最後まで戦わず生き長らえてしまった後悔と仲間への自責の念から、戦いの中で死にたい、風見との決着をつけたい思いがあった。
一方で、風見の本当の武士の姿を現代の人にも知って欲しいという思いに共感もしていた。
そこで両方の思いを実現する、真剣での撮影を提案する。
高坂は風見に切られて仲間への罪悪感を払拭し、本当の戦いを後世にも残すことをイメージしていたが、風見の剣を落とす形で勝負がついてしまった。
当時長州藩の風見を切ることには意味があったが、決着がついた現代では切ることに意味がないと気づき、本来の剣ではなく殺陣の稽古で習った上段の構えで切らないことを選んだ。
当時は信じるものの為に死ぬことが武士の本懐であったが、お互いの信じるものの為に戦った。それでいい。
いつかは時代劇も歴史も忘れ去られる時がくるだろうが、それでいい、今日がその日ではないなら近くの明日のために伝えていくことでいい。それでいい。
自分の信じるもののや愛するものを継続する時に、これは意味があるのかとかいつかは無くなるならやらなくても同じだとか考えてしまう時があるけど、他者や後世の評価を気にして自分の思いに蓋をしてしまうのはもったいないし、それでもいいと思ってやり遂げることが大事だと思った。
睨み合いの緊張感が良かった。
ケーキや米を食べて日の本は良い国になったと涙するシーンも良かった。
脚本上も高坂が風見を切る話であったと解釈するが、長州の風見が会津の高坂に切られる脚本を用意していたのも風見のメッセージだと思うが、真剣勝負になった時点で風見がわざと剣を落としたとは思いたくない。
噂には聞いていたが…
たまたま付けた配信でこの作品がやっていて、遅ればせながら観てみた。
どこでも評されているが、山口馬木也さんの生真面目さが心に刺さるのか?本当に良い。
他にも吉本新喜劇のような住職夫妻、所長井上さん。
落ち着きあるベテラン殺陣の関本さん。
時代劇あるあるのヒーロー役、心配無用之介。
死を覚悟(錯覚)した高坂新左衛門が走馬灯のように人生を振り返り「おもしろき人生だったのう」のシーンに涙が出た。
今の時代とは桁違いの不便さの中で生きて、なんと素朴なのか。
何でもある今の時代は不足ばかり感じてしまう。
途中で出てくる論語にも通じている。
笑いもあるがこの映画から諭されるものもある。
撮り方がとか、音響がとかの批評も見るけれど、私には心に刺さり、何度も配信を再生している最中なのである。
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