侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
全1234件中、21~40件目を表示
日本アカデミー賞最優秀作品賞というのは疑問
インディーズ作品とは言え
エンドロールで太秦の御大達の名前をみつけた、時代劇ってお金かかるのに皆さん応援してくれたのですね
切られ役の清三さんを模写したストーリーも面白い
最初に気絶して最後に降りてきた彼はどうなるやら!想像を掻き立てる
あまりに友人が進めるので去年の夏に見ないで今日みました
チャンバラ時代劇
子供のころは時代劇は身近にあったなぁ。
朝、夕方、ゴールデンタイム、いろんな時代劇やってたけどあまり観ない子供だった。優子ちゃんとは違って。
幕末、会津藩の高坂新左衛門は長州藩士を討ちにいく。
そこでの立ち会いがなんだかショボくてそんな大袈裟な目逸らしに引っかかる?って思いながら雷に打たれる。
雨の降る地面に反射するオープニング。
気がつくと太秦映画村!おぉ!
戸惑いながらもうっかり時代劇撮影に混ざったり、頭をぶつけて病院に来たり、外を見たら街並みが変わってて衝撃を受けて脱走して、ポスターで140年経っている事がわかる…元の時代に戻れず、自死もできず、西経寺の住職さんに拾われる。
ツッコミポイント多いんだよ、ベッタベタなんだよ。そもそも私は生まれてこのかた髷を結った御仁にすれ違った事はござらん。
私、この映画最後まで観れるか少し心配になる。
しかし!
ショートケーキを初めて食べた時、彼は涙を流す。
単純に美味しい!ではなく命を賭しても日の本の平和を願い刀を握り仲間と戦い続けた自分の人生のその先にこんなに美味しいものを庶民が気軽に食べれる世の中になった事が嬉しいのだ。自分達がこの未来に貢献できたと。
もし、私が140年先の未来にタイムスリップして今まで見た事がない未来の極上の物を食べてもそんな感想は出ない。何故なら平和ボケだから。
もう、そんなの見たら高坂さん大好きになるじゃん。
そこから私の高坂ポイント爆上がりで何をしてても素敵。
優子ちゃんが気になってソワソワしたり、切られ役を表情までちゃんと死んでたり、龍馬に拳銃に撃たれて血糊でマジ死んだ…って走馬灯見たり。それはそうだ。銃で撃たれた経験もないし、血糊なんて知らないし死んだ事もない。「ナンジャコリャー!」てなる。素直で真面目で天然ボケ。
そんな息子にしたいNo.1な彼は住職夫婦に親しまれ、切られ役として生きる事にする。
人を斬る世の中ではない。食うに困らず平和な世の中。自分に出来る事は唯一褒められた「斬られ役」
その時の優子ちゃんの作品に救われた高坂、そんな言葉に毎日忙しく働き愛情を持ち作品を作る優子ちゃんも救われていた。
お師さんとの稽古で毎回切っちゃう所、お師さんのきちんと決めてくる死に顔に斬られ役マスター感を感じて笑いが止まらなかった。ずっとやって欲しい。
そんな斬られ役のスターダムに登っていくのだが、何がいいって周囲の人々がとにかく良い人ばかり。
新人斬られ役にいじめをするわけでない先輩、主演の俳優も奢りだ〜って一緒に声をかける。
彼は時代劇が失われつつある世の中に時代劇という自分の生きてきた過去を残し「斬られたモブ」として大切に作り続ける。
いいぞいいぞ、高坂くん。
そしたらまさかあの!長州藩士の山形がいるじゃないの!
しかも大スター。彼は時代劇の大作作りに高坂を抜擢し、自分が高坂より30年前にタイムスリップをして同じ様な経緯でハリウッド進出までしていた。
うわ〜すごい胸熱展開きたよ〜思いもしない舵取りにワクワクが止まらない。
過去は敵同士だった2人、今では高坂が大事にしている時代劇を風見は捨ててしまった。唯一彼らが生きてきた時代を模した作品を捨てた事を高坂は許せない。
馴れ合うつもりはない…なスタンスで接する高坂だが風見は好意的。30年の重みは違うのだろうね。
2人だけで話す時お江戸言葉になるのいいなぁ。
140年前でもやはり人を斬るのは辛く今でも思い出す風見も敵対はしてても悪人ではないのだね。
恨み顔が忘れられない。成仏してくれ…腰を落とし声をかける事。時代劇だからこそ風見はその気持ちを吐き出す事ができた。
会津藩がどんな目に遭って途絶えたのかを知り激しく動揺する。自分の守ったニッポンは平和になったが仲間や家族達がどんな目にあったか。それは複雑で吐き出し口が分からない。そうね。過去の事だしもう済んだ事。しかし自分はここで何不自由なく暮らしている。思いがループする。
風見と真剣で勝負に挑みその心を汲み取った風見も了承し、真剣で撮影が始まる。
長い睨み合い、両者動かない…この辺で私は泣けてくる。鯉口を切った瞬間激しい打ち合いが始まる。キンッと金属音と空を切り裂く音。殺陣ではない。しかし2人の勝負は明らかに140年前より剣筋が出来上がっている様に見える。まさか未来の時代劇、むしろ「ごっこ遊び」の様な時代劇の斬られ役として剣王に近づいていた彼ら。
もうやめようよ〜平和なんだからいいじゃん〜仲良く撮影して〜とグスグス泣いていたので他の観客には迷惑をかけてしまった…
成仏してくれ。
倒れる風見と舞う血飛沫。
を、観る住職夫婦。
よ、良かった…
優子ちゃんにはビンタ一発かまされ、無事に撮影終了。
決して主役を演じる側にまわるではなく、その後も斬られ役として生きていく彼がとても好き。
剣心会でお師から学び続け、住職夫婦と仲良くコンビニのショートケーキを食べ、優子ちゃんへなかなか想いを伝えられない甘酸っぱい平和なこの世を生きて欲しい。
きっと風見もこれからの時代劇を支えていくからたまにはウィスキーを呑みに行ってお江戸言葉で語れば良いよ。
優子ちゃんの服装がダサいのが良かった。
決してボーダーのポロシャツがダサいのではなく、全体的に野暮ったくオシャレよりも時代劇を作る事に邁進しているというキャラが好き。
高坂さんとの恋愛フラグはなかなか立たない予定。
設定がガラケーだったりパラボラアンテナが乱立してたりするからやや昔なのかな。
それなら高坂はまだ時代劇を続けているのかな?テレビをつけたら斬られ役としてまだいるかもな〜なんて思いながら庶民の幸せコンビニのショートを買って帰った。
こんな風に登場人物達の幸せを願える作品は良作。
そう来たか! たしかにそうだよね!
タイムスリップした侍が撮影所で斬られ役になるっていうのは、資金が少ないがゆえの苦肉の策かなあ、
とか
こういうタイムスリップものって、特に細部が大事だよなあ、大丈夫かなあ、
なんてことを思いつつ観た。
冒頭、山口さんの会津弁がけっこうよさげ。
てっきり会津出身かと思ったら、岡山だそうで、意外。
でもスリップ後、
現代のポスターの、左からの横書きの日本語を難なく読んじゃうところは、
アレレ?
さらには、140っていう算用数字も、読んじゃってなかったか?
そして、空腹の極みにあるはずが、
握り飯を食べたとき、タクアンひと切れ残してなかったか?
そういうわけで前半は、細かいところが気になって、
悪くはないけど、まあこんなもんか、
と思っていたのでありますが、
途中、意表をつく展開。
なるほどそう来たか!
たしかにそうだよね!
上手い!
と膝を打ち、
そこからは十分のめりこんで、
これ、結末どうなっちゃうんだ?と、ハラハラしながら、
面白く観たのでありました。
最後のオチも、
期待通りでよかった(^o^)
そして、殺陣はとことん格好よく、
全編を通じた「時代劇愛」には、
はげしく同意したのであります。
リアルな京都と“侍魂”の融合が光る、現代劇コメディの秀作
撮影所スタッフの空気感や京都弁が自然で、リアルな現場が伝わってきました。特に、太秦の撮影所の描写が素晴らしく、現場の空気まで感じられるようでした。
バーのシーンは、市役所前のホテルオークラ京都ですね。飲めない酒を飲みながらも男同士の語り合いは侍としての品格がにじんでいて印象的でした。
物語の軸である侍と現代人との関係性もとても魅力的。ライバルとの距離感、互いを認め合う空気感がとても心地よかったです。特に殺陣の練習シーンは静かな緊張感があり、侍としての誇りと真剣さが伝わってきて好きな場面のひとつです。
終盤の真剣(本物の刀)での勝負のシーンでは、空気が一変し、観ているこちらも息を飲むような緊張感がありました。にもかかわらず、ラストの“あの丸顔侍”の登場でクスッと笑わせてくれる、絶妙なバランスが光ります。
また、優子さんの温かさや、出てくる人々のほとんどが「いい人」であることにも癒されました。嫌な人物はヤンキーくらいで、全体的に安心して楽しめる映画です。
お寺でで出てくる白いごはんと浅漬けなど美味しそうなごはんの描写も印象的。映画全体を通して、時代劇というジャンルへのリスペクトが込められていて、心から共感しました。こういう“エンタメや時代劇”がもっと作られると嬉しいです。
古き良き時代劇×転生成り上がりもののバランス感が素晴らしい
奇跡のインディーズ映画
『インディーズ映画にこんなことができるのか』それが率直な感想です。
時代劇は現代劇に比べて圧倒的に予算も手間もかかるため、数えきれないほどのインディーズ映画を観てきた私でさえこれまでインディーズの時代劇は片手の指で数えられるほどしか観たことがありませんでした。
予算規模的にも2000万円越えと小規模商業作と同等の費用がかかっていますが、本作は商業作と違い宣伝にほとんど費用がかかっておらず出演俳優のギャラも安いため本当にガッツリ中身にお金がかかっていると考えて間違い無いでしょう。
冒頭のナイトシーンがやけに明るいのと全体的に雨ふらしのシーンが不自然で、あとは時間削減のためかカット割が少ないという部分だけは違和感がありますがこれは普通にメジャー系商業作として出ていて全くおかしくない作品だと思います。
その一方で最初から商業作として出ていたら『よく纏まっているなかなかの佳作』くらいで終わって日本アカデミー賞には縁がなかったかもしれないですね。
泣かせる娯楽映画
単なるコメディかと思いきや、ストーリー性がしっかりあり、主演の役者さんの演技も素晴らしい。最後の真剣での殺陣は、その迫力と男たちの侍魂に涙涙。話題になっただけある素晴らしい娯楽映画。
高評価のわけは見てわかる。
ところでなんで優子殿は伊達メガネなの?
やっとアマプラで観ました話題の映画。お金がかかる映画の代名詞時代劇が自主製作ってどういうこと?って思ったら東映京都撮影所の全面協力なんですね。撮影にいたるまでの経緯とかもきっとおもしろいだろうからドキュメンタリーとか作ってほしい。きっと東映の人たちもノリノリで持ち出しで協力してくれたんじゃないかな。「オレたちの映画だ!」っていう感じがすごい伝わってくる。
映画やマンガでこすり倒されてるタイムスリップコメディではありますが、本作もそのフォーマットに乗っかってるわけですが、その実時代劇の殺陣師(斬られ役)にフォーカスしていて、ちょっと前まで再放送していたカムカムエブリバディの伴虚無蔵を思い出した。ある意味スタントマン映画でもある。
良い意味で今の日本映画っぽくなくて非常に良いです。なんか俳優さんの顔がみんないいんです。なかでも住職の奥さんが一番好き。なんかうまく言えないけど、韓国映画とか昔の日本映画の雰囲気を感じました。
タイムスリップした敵同士という意味ではターミネーターのT-800とカイル・リースと構図は似てはいるけど、高坂新左衛門と山形彦九郎は同じタイムスリッパーとして苦労してきた戦友みたいになってておもしろい(仕事も同じだし)。しかも彦九郎のほうが年上になってて優子殿にドギマギしてる新左衛門をからかったりして実に微笑ましい。
あとタイトルにも書いたけど、優子殿はなぜ伊達メガネなのだ?「私俳優も兼ねてるからスイッチ切り替えるためにこれが必要なの、変かしら?」とか言ってくれたら良かったのに。地味にノイズだったわ。
華麗なるサムライ野郎
ひょんなことから現代にタイムスリップしてしまった会津の侍の姿をコミカルに描きつつも失われていく時代への郷愁を描く・・・好きな華麗なるヒコーキ野郎(WW1後にアメリカで流行った曲芸飛行師を描いた作品)と重なる展開だなと感じた
あちらは寂しい終わり方だったけれどそれとはまた違ったハッピーエンドだったのが娯楽映画らしくて良いなと思った
ラストの迫真の立ち回りのシーンはまるで若山富三郎の子連れ狼のようで圧巻だった
最優秀作品賞??
これ以上の作品に巡り合えるかどうか。
公開されてからずいぶん経って、映画館で見られたのが 2024/10/27。
笑いを交えて息つく間もなく進む物語、真剣での立ちまわりに感動。
拳銃と目玉焼き、ごはん に続く作品での快挙。
初見から 7か月後に、安田監督のサインをいただく機会に巡り合えたのは
とても幸せなことと思って、レビューとして書いておくことにしました。
とても真面目なコメディ映画
侍が時代劇撮影所にタイムスリップするという発想が面白い
色々ツッコミどころも満載で
なんやかやと突っ込みながら笑ってしまった。
ちょっと長いかな
このシーン要らないかな
なんてところも。
クライマックスも引き込まれたし
最後の最後がまたウケた。
タイトルから先が読めてしまう、しかし、それも狙いか
さらっと見られる娯楽作品でしたが、現代に馴染んでいく過程の描写に拍子抜けな感じが漂っていたり、最後の決闘シーンの撮影で竹光を真剣に変えることを監督が簡単に受けてしまう事への納得性の甘さが引っ掛かったところでした。で、一番気になったのは、この手のタイムトラベラー物が韓国映画や日米の映画(時をかける少女、ターミネータ、フィラデルフィア・エクスペリメント、戦国自衛隊、・・)やTV(「ジパング」最近では「不適切にもほどがある」、「ホットスポット」でも)の作品で散々使われてきたことで、始まりを見るとなんとなく途中途中の筋が読めてしまう、既視感が漂うことでしょうか。
しかし、それ自体が、映画の題名を含めて楽しんで見られたらいいじゃないか、という作品のテーマになっているということなのかもしれませんね。
全1234件中、21~40件目を表示