「私の今年最高傑作になりそう」侍タイムスリッパー dagger oneさんの映画レビュー(感想・評価)
私の今年最高傑作になりそう
たった一館の上映から全国300以上の映画館での上映に成り上がった話題作『侍タイムスリッパー』を観た。
タイムスリップ物なんて珍しくもなんともない。むしろ使い古された設定だ。
だからこそ観客を引き込むための難しさがある。この映画は、幕末の会津藩士という主人公をうまく使っていたと思う。
131分という長さを感じないほどの面白さだった。私が今年観た映画、サブスクを含めても1、2を争う映画だった。私が会津の人間ということを差し引いてもだ。低予算、大物人気俳優不在でもこれだけの映画が作れるというお手本になった。素晴らしかった。
何より主人公の会津藩士を演じた山口馬木也さんの演技がとてもよかった。会津藩士の実直さを見事に演じていたと思う。
この会津藩の教えを現代に受け継いだ【あいづっこ宣言】という会津若松市の行動指針がある。その6か条の最後を
やってはならぬ
やらねばならぬ
ならぬことはならぬものです
と結んでいる。
当たり前のことなのだが、現代の人々が忘れかけていることではないだろうか?
そして撮影所の所長が言った「真面目にやっていれば、どこかで誰かが見ていてくれる。」
この映画はそれを思い出させてくれた。
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