劇場公開日 2024年8月17日

「無名だからこそ堪能できる映画」侍タイムスリッパー keytonさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0無名だからこそ堪能できる映画

2024年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

楽しい

 本編が始まる前に、配給会社の動画を見た瞬間本当にソワソワしました。これまで見たことのない映画会社ばかりで、コインパーキングの会社も提供している映画なんて見たことがありませんでした。
 ストーリーは江戸末期の侍が現代にタイムスリップして、ひょんなことから時代劇の切られ役として活躍するコメディ映画。戸籍とか細かいことは無視したエンタメ要素が多く、リラックスして楽しめる作品でした。
 個人的に主役の高坂新左エ門が時間転移して町中を徘徊しているとき、ペリー来航の博覧会が描かれたポスターを目にした時が、やるせない気持ちが伝わってきました。大義名分だと信じて行動してきたことが無駄だったという「虚しさ」と「失望」をうまく描いていました。
 感触としては黒沢明監督が活躍する前の日本映画黎明期の雰囲気に近い感触でした。シンプルに展開が気になる作品でした。

keyton