ラストマイルのレビュー・感想・評価
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安藤玉恵が ラストまいる
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犯人でなくてホッとしました。
羊急便のショウヘイ親子が怪我しなくてよかった。
火野正平元気だなぁ。
2.7m/s って、ムズい。
なんの物理公式?定理?
気になって考えてしまったよ。
ヒカリの速度?
エネルギー保存の法則?
などなど😅
宅配便のひとが重い荷物でもドアまで運んでくれるので、いつもわるいなぁって思ってます🙏
中間管理職なら心臓をグッと抉られる
出だしから何の説明も無いのに帰国子女風を感じさせる満島ひかりの演技に脱帽。
期待以上に様々な登場人物に感情移入できる作品でした。
が、Amazonをモデルにしたであろう大企業の幹部=悪、そして勧善懲悪のような描き方は、やや陳腐で残念。
「すべてはお客様のために」が企業の利益であるということは何ら悪ではない事実なのに。(ゴーイング・コンサーンが企業の使命)
誰しもがその歯車に過ぎない、全員が犠牲者なのに。それでも歯を食いしばって任務を遂行するディーンフジオカだって、悪い奴ではないのだよ。(目の前で部下に自殺されるなんて可哀想すぎる。)
誰のために働くのか、、
現代はだいたいのものはなんでも便利に購入できます。
その一方で、1つの商品をお客様に届けるだけでどれだけの労力、時間、人件費、ガソリン代などたくさんの費用がかかっているのでしょう。
どの視点でみるのか、、
今評判に上がっている作品を映画館で観賞してきました!
以前放送していたドラマとのコラボもあるようで、ドラマからのファンの方はより一層楽しめる作品だと思います。
私もアンナチュラルは放送時に観たことがあるので、ドラマのメンバーが出てきたときは少し嬉しくなりました。
内容は、現代の問題点を描いているかのようでした。
便利で誰がどんな場所からでもネットを通じて商品が購入できることが、一部の労働者の過酷さを映し出していました。
爆発が起きた時、どの立場で仕事を視ているのかが明確にわかるようでした。
私もいち起業家としてどこをみて仕事をするのか、どの選択が最適かを迅速に、かつ冷静に判断するのかを実感した映画でした。
視る視点によっては責任者を非難するかもしれません。
誰が正しい間違いではなく、目的からくる選択をしているのだと思います。
【すべてはお客様のために】と劇中でも出てきますが、商売というのはどこまでもお客様あってのこと。
私も商売をやっているからこそいろんな視点で考えられて勉強になる映画でした。
観られてよかったけども
見終わったあとは表題のような感想。
なんかモヤッとするなと思い、なんでだろうかなと理由をいくつか考えた。
1. 問題提起で終わっている
ロジの向上で今はとても便利になった。その分しわ寄せがラストマイルを担う配送者にいっており、数字の責任を負う現場の責任者も大変だと。解決策としては賃金アップとなったものの、そもそも問題点は賃金の低さだけではない。最後は観客に委ねる形になっているが、何かしらポジションをとって解決策が提示されたほうが良かった。
少しずれるが、大企業のシニアポジションはもっと優秀では?という印象もあり、彼らの立ちふるまいにも少し疑問が残る。
2. 配役が豪華な分それぞれの役割が薄い
アンナチュラル、MIU404の主要キャラが出てくるためドラマのファンや通しで観てきた人は楽しいだろう。でも映画の中でのそれぞれの役割がショボく、別にお前じゃなくてもいいよね?感は拭えない。過去のドラマのキャラが必要だから登場したのではなく、彼らを出すことありきで作られたんだろうなぁと想像する。皆の活躍を期待していた分、というか、2つのドラマと映画のキャラの交流や協力を期待していた分、物足りないと感じた。
キャラのおかげで笑えるシーンがいくつかあって、そこはよかったです。
3. 伏線が伏線でしかない
1つだけ開かないロッカーを1発で引き当てるエレナ、妙に具体性のある洗濯機事業の紹介など…
よくあるマンガなどの説明に慣れ過ぎでは?
回収されるんやろなぁこの伏線と思いながら観てて、やっぱり何かしら回収されるので、そうだよね~って思ってしまう。簡単な手品を見ているみたい。
どこまで綺麗にわかりやすく伏線材料を配置するかは悩みどころだとは思うが、私にとってはちょっと綺麗すぎで、食傷気味だった。
もっとわかりにくくするか、回収しない伏線や小話?もあったほうがよかったかな。
以上がちょっとモヤる要因かなと考察します。
演技は皆さん上手で、特に主演の満島ひかりと岡田将生は役に合っててよかったです。
爆弾処理後のシーンは一瞬ビールのCMがよぎったけども笑。
配送をテーマにしたことも目新しく、詳細やシステムを知ることができてよかったです。
あ、そうだ。
これは映画館の音響の質のせいかもしれないけれど、最後の米津の歌の鳴りがイマイチでした。録音が良くないのかな?曲自体は手の届く範囲で作った感じで、Lemonのような名曲ではないなぁと思いました。
正直なところ、良かったけれども、ドラマシリーズは超えなかったなという感想です。
見応えあり
MIU404が好きだったのもあって見に行きたかった映画です。
きゅるんや野生の勘の相変わらずの伊吹、その扱いにすっかり慣れてる志摩を見れて嬉しかったです。
しかしMIUとアンナチュラルを知らなくても全然問題なく楽しめる内容でした。
通販はよく利用しているし、ポチれば届く便利さが当たり前になっている世の中。
届くまでの間に配送センター、運送会社、委託ドライバーさん、映画のストーリーのような大変な思いや板挟みとか実際起こっていてすごく深刻な社会問題なのだろうなと思いました。
エレナに対してはなんか好きじゃないなーて思いながら見ていたけど、トップはこのくらいないと務まらないのかな…。
羊さんのやぎさんに同情しました。
最後は運送会社やドライバーさん達の味方だったし改革を起こしてくれて五十嵐に逆転なのは良かったかな。
あと、佐野さん息子。裏のヒーローでした。
洗濯機のくだり、そう来たか!
宇野祥平さんがもっと好きになりました。
ブラック企業が勝ってしまう物流業界の陰陽
非常に残念ながら、物流業界はブラック企業が勝つ仕組みであり、本作はその根本に迫るものであり、複数の登場人物の視点から、あるものは見て見ぬふりを、あるものはあらがい、あるものは潰れ倒れていくことを捉えていく作品である。
消費者はより安くより早くを求め、経営陣はブラックフライデーなどの繁忙期を作って売上を達成するために現場に高負荷のオペレーション「2.7m/s」以上を求め、センター管理者は達成のためにたった7名で700人の派遣労働者を扱い彼らを非人間的要素として90%未満達成時の減点化を求めると共に主従契約に近い形で運送会社に安い委託配達と厳格な管理を求め、
運送会社管理職は下請けに昼休憩さえ取れない1個150円の200軒配達しきることを命を犠牲にしても求める形に晒されている。
そして消費者のより安くより早くを求めた企業が大きくなり、原価の高い製品の企業は売れず潰れて配送の仕組みに組み込まれていく。
この巨大暴走機関車を止めるためにあるものはベルトコンベアにダイブし、あるものは無差別爆破テロを起こす。そしてテロに巻き込まれても止めてはいけない社是と自身も命を落としそうになって立ち返った満島ひかり演じるセンター長と運送会社のストライキによりセンターは一時的には止まるが、経営方針が見直されることもなく阻害要因として排除、または1個20円アップのみで、また暴走機関車は走り出し、次の管理職はそのノルマへの恐怖とブラックな環境に押しつぶされていく。
日々より安くより早く(Daily Fast)を求められ巻き込まれる物流業界の労働者の犠牲と、外部で安く早く受け取れる幸せを享受できる消費者の対比を通して、物流危機を考えさせる契機になっている本作は成功と言えるのだろうと思った。
それと同時に物流業界に身を置くものとしては、労働者は使い潰され持続不可能に近い、この業界の限界も就活生などに教えますます人手不足が助長されることも危惧している。
CMや番宣で見た印象とは違った
配送物が爆発、巨大センターを止めるな!みたいな手に汗握るクライムサスペンス!みたいな感じの印象を受けてワクワクしながら映画館に行きました。きっとハラハラな展開に終始ドキドキ!みたいな感じでしたが、見た感想としては、迫力あるシーンもたくさんあったけどそれ以上に現在の物流業界の闇みたいなものを伝えたかったのだなぁと思いました。ポチれば物が届く現在の便利さに潜む闇。そんな感じです。ドラマのコラボもあったのだけれどそれはあくまでおまけ。ある謎があるのですが最後までいまいちわからず考察サイトなどを見て理解が深まりました。
物流の重要性を改めて知る一本
巨大ECサイトとそのラストマイル輸送を担う物流会社で働く人々を中心に描かれるクライムサスペンス。テンポが早く少し置いてけぼりになる箇所もあるが、小気味良く進むストーリー展開は心地よさを感じる。取り上げられている物流問題についても現状をよく取材されており臨場感があった。顧客のわがままに対応するために高度にシステム化され、決して止まらないあのベルトコンベヤーが歪にゆがんだ資本主義の邪悪な仕掛けのように見えてくる。あのセンターを担う者は、「2.7m/s→70kg→0」の呪いに取りつかれ、その魔物を止めなければという気持ちに駆られていくのではないか。ある者はベルトコンベヤーに飛び込み、ある者は物流の動脈を断ち切ってまでそれを止めようとする。ただし、一旦は止まるように見えたその巨大な仕組みは歪んだ資本主義の中で生きる人間の欲望を燃料としてまたゆっくりと動き始め、それが日常化していく。岡田将生演じる梨本孔はその役目を引き継がれ、ロッカーの前であの呪文を見ながら、これまで同様に繰り返される自身の運命を見通し身震いする。
物流を扱った映画というのは少ない。裏側がどうなっているのか分からず、インフラとしてうまく回って当たり前ということでブラックボックス化し軽視されやすいという側面があると思う。血液が体内に上手く回らないと生物が死んでしまうように、物流が滞ると経済自体が破綻してしまう危険性があるということをエンターテインメントに落とし込み、物流の重要性を改めて理解する意味でも意義のある一本だと思った。
細部を味わうためにももう一度観たいと思った一本だった。
ラストマイラー?の視点
2つのドラマは全く知らず、見終わった後公式サイトを閲覧して初めてそう言う仕組みだったのを知った
それを知って、そう言えば雰囲気に合わない変な刑事がいたよなって納得した
映画自体は、サスペンスというよりも物流業界の問題点をドラマとして眺めていた感じだった
その点ではしっかり作り込まれていると思う
勿論、これは無いみたいな現実離れしている部分もあるにはあるけど、本質は間違っていない
物流ドライバーとしては、あって当たり前のサービスじゃ無いんだよと言う感じで
エンドユーザーに見てほしい
以下蛇足
物語の中で、物流会社が混乱して医薬品が届かなくヤバい!的な話があったけど
これはまあ起きませんね
まず、命に関わるヤバめの薬はあんな売り方はできないし
仮にできたとしても、病院は一つの業者に依存する事がまず無い筈です
後、個人事業主のドライバーさんの雨天休憩中の描写ワイパー動かしっぱなしにしてたけど
休憩中ワイパーは普通止めるよw
役者さんの顔を映さなくちゃいけないからそうしたんだろうけど
めっちゃ不自然に感じてある意味面白かった
まあ些細な重箱の隅ってヤツで、作品自体の魅力を損なうモノでは無いですね
ハマる人はハマると思いますが……。
MIU404は全話視聴済み、アンナチュラルは5話くらいまで視聴済みです。MIU404は無駄の無いシナリオ構成に感動し特に好きな作品。
そのうえであの二人が出てくるということで期待に胸を膨らませて観に行きました。
勿論世界線が同じなだけであるとは知っていたし二作品を履修されておられない方も楽しめるという評判から、本作品単体としても楽しみにしてました。
それがあっての感想なのですが、最初の事件なんかはこれから起こることが色々想像膨らんでワクワクしました。ですが、話が進むに連れてそのワクワクがどんどん萎んでいきました。つまらなかった訳ではないし起承転結の転も何回か仕掛けてあるのは分かりました。しかし、物語としての盛り上がりにこちらの心が付いていけなかった。あまり場所が変わらず、大部分が倉庫を映しての展開だからかな、とも後から考えたのですが、まず主人公に対する違和感。
この主人公がどういうスタンスなのか全く分からず感情移入出来なかった。最初はお客様の安全のために止めなきゃ!と説得したと思ったら、荷物は止めちゃ駄目、会社の利益的に駄目とか言い出し会社至上主義なのかと思えば、やっぱり止めよう!ってスタンスにいつの間にか変わっていて、彼女が何をどう思いそういう考えに変わっていったのかが私には分かりづらく感じました。
彼女が怪しいという展開になった時は「おっ」となりましたが、結局それも別に犯人だったという訳ではなく。でも私は彼女のスタンスが全く分からず、感情移入出来ないまま彼女が動き回るので最後らへんまでずっと彼女を怪しんでました。
また、犯人側や犯人の動機。犯人に関しては終盤まで疑惑に至るような登場シーンも無いので、ひょいっと突然出てきて「こいつが犯人です」と言い渡された感じで、犯人は誰だ誰だ?と色々考えながら見ていた私は肩透かしを食らってしまいました。
後から「こいつです」ってそれまで全然出てない人物が犯人として出される展開が私と同じく苦手とかモヤモヤするって人にはあまりハマらないかもしれません。
犯人と動機となる人物のやり取りなどの掘り下げも無いため、悲劇のうえに起きた事件として認識は出来るものの、感情はそういう風に動かなかったです。
そして、個人的に一番この作品観て感じて、レビューに書きたかったことなのですが、MIU404などはテーマなど分かりやすく心情に訴えかけてもくれたのと比べ、本作品は分かりづらく感じました。
言葉で説明してくれるシーンはあるし、ぼんやりと「これが伝えたいのだろうな」というのは分かりますが、肝心の暗号のようなものが意味する答えが観ている側に開示されずに、登場人物達だけが「そういうことだったのか」という反応をし、そして泣いている。ここが一番登場人物と観ている私とで見ているものを共有できなくなった場面でした。この暗号については推測は出来るものの、明確な答えを出してくれないので最後までモヤモヤがつきまといます。
私はMIU404も一話一話観終わった後更に内容の深みを実感し浸る為に解説や感想を漁ってました。そしてその作り込みに感動しました。
今作もテーマに向き合って描かれたのだとは思いますし、随所随所に伝えたいことを織り混ぜられていた印象は受けます。しかし今回は「浸る為に解説や感想を見る」ではなく、「分からなかったから解説や感想を見る」形になったのが個人的に、ハマる人はハマるとは思うけど……という感想に繋がった感じです。分かりやすい映画を好む方がハマるかは微妙なラインかもしれません。物語は全てを開示しなくともある程度きっちり答えを提示してから終わってほしいというスタンスで観ている私はそのへんが今作と噛み合わなかったためにあまりハマれませんでした。
しかし、考察が好きな方、物語を何度も観たりしてスルメみたいにじっくり味わいたい方はハマると思います。
その点で、向き不向きは少しあるかもしれないなと感じました。
作り自体は雑ではないし丁寧にされてはいると思う。ただ、感情移入したいとか、スッキリ物語の中であらかたの答えは知りたいといった部分は満たされなかった。映画や物語などに触れる時にその部分を重視される方がハマるかは分からないと思いました。
MIU404やアンナチュラルの皆、ちょっとだけの登場ではありましたが、特に完走済みということもあり、伊吹と志摩が今もちゃんと小突き合いながらもバディ組んで活動してる姿は安堵と共に嬉しさがありました。彼らはこれからも活躍してくんだろうなあ、彼らの物語はまだ終わらないんだなと思えました。陣馬さんー!って心の中で呼んで喜んだりもしてたので、MIU404やアンナチュラルの登場人物ファンには嬉しい。
シェアードムービーの醍醐味
複数の作品の世界観が一致した作品を日本で作ったという話題性、しかもどちらもヒットしたドラマという事で注目度が高かった。
アンナチュラルは当時観ており、MIU404の方は観た事なかったが、映画公開後にどちらも一気見し鑑賞。
どちらも全く観てなくとも楽しめる作品であるが、観ておくと些細な点でワクワクしてより楽しめるのではないか。
肝心のストーリーは、物流倉庫でありそうでなかった舞台。
話の繋がりも素晴らしく見応えがあった。
実感します。
最初は、番組アラカルトかと思いました。
しかし、これは、現実にある話や。
外資系のネットショップの物流倉庫。働き手は、派遣社員 、管理管理で、配送も奴隷のごとく、下請け、孫請、人を変えるだけ。これからは、AIに支配されるんだろうな!
一言で言うと完璧
大手ショッピングサイトの物流センターから出荷された荷物が爆発。
その日センター長に着任したばかりの舟渡エレナは、先任マネージャーの梨本孔とともに事態の収拾に立ち向かう。
視聴者をミスリードする様々な情報、細部まで映像を見ないと、あるいはセリフをよく思い出さないと気づかない小さなものまで含めるとあまりにも膨大な伏線の数。
間違いなく面白い。
そして鑑賞を終え、解答が示された後になっても
「もしかしてやはりコイツは○○なんじゃないか?」と思わせるように謎が残る。
過去のTVドラマと世界線を共有するシェアード・ユニバース作品ということだが、
この映画単体でもストーリーが完結し、ドラマを見ていない人でも問題なく鑑賞を楽しめ、置いてけぼりにされない。
それでいてドラマファンならでは楽しめるようにも作られており、懐かしく、あるいは新しい喜びを感じられる。
エンターテイメントととしてのテンポの良さと
サスペンスとして謎に迫っていくスピード感が非常にマッチしている。
社会問題化している物流業界の問題点がテーマでもある。
残業代の未払い、再配達コストや低賃金、それに伴うドライバー不足、それに苦しむ運送会社。メンタルを壊す労働者の増加、自殺の増加。
「私たちひとりひとりの『欲しい』『もっと便利に』という欲望がそれを引き起こしているのではないですか?」
という問いかけがこの映画の根底にある。
それを描き切るにあたって出演者の演技も素晴らしい。
とりわけ満島ひかりさんの演技は圧巻の一言である。
舟渡エレナははじめから満島さんを意識したアテ書きだそうだが、
ともすればオーバーリアクションに感じるのは彼女が外資企業の責任者だからかな?と思わせるが、
後々考えたら、舟渡エレナの反応として全く過不足がない。
素晴らしい演技だったと思う。
エンターテイメントとして楽しく
サスペンスとしてハラハラ
見終わった後も考察のしがいがあり、
ドラマのファンは嬉しく、
ドラマを見ていなくても楽しい。
社会問題を提示して考えさせられる。
よくこれだけの要素をひとつの映画作品に落とし込んだものだと、驚愕を禁じ得ない。
ポップコーンムービーではありません
結論から言うと、ラストマイルは、良い映画とは言えません。
良い映画の定義は人それぞれなので、私からするとと言うことになりますが、視覚的驚きも、新しい視点も、カタルシスも、生きとし生けるものの情動も、何もありませんでした。
たとえば、サッカーの強い国は、全国民がサッカーというものに理解があり、サッカーの観戦の仕方を心得ています。何回シュートしてどちらが勝っただけでなく、ナイスアシストだね、あそこのディフェンスが良かった、監督の采配が素晴らしい、フォーメーションが斬新だなどと言った見方をすると深く楽しめるものです。
ラストマイルを、面白い映画という風潮は、サッカーに明るくないサッカー観戦者であり、とても良くない傾向だと思いペンを取りました。
昨今の映画は、伏線回収に心血を注いでいるきらいがあり、この映画も類に違わず、そこに終始してしまっているのです。物語が進むにつれ人々の背景が明らかになり、受け手の感覚が変わっていくと言う脚本の面白みを出すために、当初はみんな怪しい人物として存在します。それ故に、中盤まで登場人物の誰にも感情移入することができません。これは致命的です。その現象に加担しているのが、テレビシリーズの二つの物語と同じ世界線の部分です。アンナチュラルもMIUも、その実はこんな人というストーリーは済んでいるので、誰も伏線を張ることはできないため、映画の新たな登場人物しかそれをすることができないからです。人気ドラマのおなじ世界線ということで集客はあったかもしれませんが、映画として、薄っぺらくなってしまったことは、残念でなりません。世界線の集結は、不要だったと思います。
映画序盤で出てきた母子ですが、この登場の仕方だと、後で事件に巻き込まれ、仲直りをするんだろうなとわかってしまいます。
配達員の親子も、最初は振るわないけれど、後で活躍するんだろうなとわかってしまいます。
そして、極め付けは、みんなそれぞれに抱えている心の病に至る出来事をきちんと描かれていないため、命の冒涜とすら感じます。
流通に対するアンチテーゼと、題材は意義のあることだと思うので、もう少し描きようがあったのではと勿体ない気持ちです。
シンパシーはないため、ドキドキハラハラするポップコーンムービーには程遠く、ハッキリ言って、企画プロデュースの失敗なのではないでしょうか。
泣いた
数多の派遣社員がどんな場所で働いてるか、物流の下請けがどんだけ買い叩かれ惨めなのか、Amazonの内情がどんななのか、カスタマーセントリックなんて綺麗事の真のメッセージは何を指すか、を描いたドラマを初めて観た。
野木亜紀子さんら脚本・監督・プロデューサーの女性3人は日本のエンタメを代表する存在だ。恥ずかしながら初めてそう思わされた。
世代交代と家父長制の終焉を象徴した映画だと思う。一部のおじさん達がいかに足掻こうが、社会はとっくに変化している。
エレナに関するミスリードには感情が揺さぶられた。満島ひかりと岡田将生、良い役者だ。中村倫也が信頼できるようになった。
にしてもリアルな内容が重すぎて、パンフを全部見られない。
かろうじて野木さんが「トリクルダウンなど起きるはずもなく、ブルーカラーは疲れ切っている。ホワイトカラーが奮起せねばこの地獄は変わらない」てなことをおっしゃってるのを見て、この人も社会を変えたいと願い行動する方の一人なのだなと心強く感じた。
作り手の真摯さに心打たれるので、おすすめ。
試みは素晴らしいし面白いが‥
友人から「アマゾンや物流の話」と聞かされ期待値も上がり観に行った。
社会派ドラマだと思っていざ見てみると、爆弾もののサスペンス・ミステリーじゃないか!!人に説明するときに「爆弾<アマゾンや物流」と伝えるのはちょっと違う。
まぁそこは置いといて、アマゾン(映画内では別会社)と運送会社の関係性などを描かれていて中々面白いながらにも、リアリティがかなり薄いところも散見できた。
例えば爆発の強さの割に死者が少ないとか、満島ひかりが演じるエレナはなかなかぶっ飛んでいて、いちセンター長の立場ながらに上に相談なしに1台何百万円もしそうな爆弾の為の検知器を複数台買ったり、日本支社の代表と直接かつ何度も連絡を取れるなど、とんでもない権限を持っている事とか。
運送会社についてはリアルな闇も映していたらもっと良かったかも。場所や時期などにもよるけど集荷センターで荷物はもっと投げているから、今回みたいな爆弾ならそこで爆発してるし、あんなにまともな配達員(火野正平)みたいなのもそうそういない。
ストーリーの違和感としては、正社員は非正規社員と違って手荷物検査などなく工場内に入れるので犯人はその中にいるのでは!?と真っ先に思わなきゃいけない事なのに、しばらくはエレナを犯人かもと思わせたいが為、あべこべ現象が起きてしまう。
あるところでエレナが犯人では?という予想が立ってくるわけだが、真犯人が分かったときのガッカリ感。外国人のような顔の女性で「誰?(キャストとして)」という感じになり、エレナが犯人のほうが盛り上がったなぁと。
他のドラマのキャストを登場させるやり方はとても面白いと同時に、異物を混入させてしまう事にもなりそうで難しいところ。個人的には星野源だけ変だな、と。始めの車のシーンで素人が演技してるのかと思った。
気になってしまうところを多く書いてしまったが、なかなか見応えはあって星4つにしました。
社会問題を合わせたミステリー!
アンナチュラルはリアルタイムで見てた!MIU404は未視聴。
•過去作は見てなかったり忘れてたけど、全然大丈夫だった!
•抱え込まずに仕事しようと思った、、
•ミステリーの内容も面白かった!
情報量と物語としてのバランスが完璧
下請け運送の日常から始まり、ロジの仕組みと派遣雇用、ネットショッピングの販促戦略、外資企業における収益ノルマ及び株価対策、物流の社会的役割、日本製造業の敗退、過労鬱と自死までの距離の近さとその失敗時の悲惨さまで過不足なく組み込まれ、
そこに
荷物を手渡す人たちの誇りや、物を購入するということがかならずしも単なる消費欲を刺激されてポチするだけとは違う人生における大事なシーンかもしれない、というところまで描ききってるわけで。
もう、脚本と、その演出編集の上手さにぐうの音も出ない感じです。
ネタバレとして書くと
最初の爆発の火の上がり方と、その後の吹き飛ぶけどなんだかんだ近くにいる人まで無事の差は「よくあるご都合ですか?」と思ってたらちゃんと答えあるし。
夜中の事務所で意味ありげに私はやれる、と独り言話してるシーンも「ミスリード用ですか?」と思ってたら「日本語でも話を聞いてくれる上司」で回収。
普通なら爆発物を家電製品の中に入れるなんてそれが逆に被害がどうなると思う?!に、その製品の強度ついては誰よりも詳しく誇りに思ってた人が。という。
全てのモヤ、に余す所なく根拠があって清々しい。
世界観を共有する2つのドラマのその後をファンの期待どうりにちょい見せしてサービス精神もばっちり。
デキるし懸命、媚びないままチャーミングだった満島さん、なによりすごい量の情報台詞を小気味よくすんなり聞かせる技量が流石でした。
最後に言及するのは順番違うけど、
出だし、通勤中、電車の窓に映る姿からはいる満島さん。
ストーリー的に「その他大勢の派遣社員とはまっっったく立場が違う、そんな存在の奮闘」になってしまう可能性を、
普通の人と同じに退屈そうに出勤する姿から入ることで「これはもしかしたら自分の物語でもえりえるかも」に引き寄せる効力があったんじゃないかと思います。
そういえば「時差」発言かあ。
テキトー発言連発だからその中に吸収されてたけど、ここにもちゃんと後ろに繋がるセリフあったのねと今気づきました。
他にもそういう、意味あるセリフあるかも。
また見たい。
可もなく不可もなく
ストーリーの内容は単純で良かったです。分かりやすい。
ただ少々作り込みが甘いのでは?と感じた部分もありました。
個人的に気になった点は二点
①まず作品のテーマになっている「物流」ですが、元々物流業界に勤めていた私から見れば内部の作りがやや甘い。(ツッコミ所が多かった)
劇中の配達員の台詞で「1日200個配れてすごい」的な発言がありますが、よほど不向きな配達員以外はそれぐらい配れます。
まぁ、これは実際現場を経験した人間にしか分からない細かいところなので、作品に影響はほぼありませんw
②自死した中村倫也さんが残したメッセージの弱さ。
そこまで頭を使わなくてもすぐ分かりました。が、「単純すぎるし、さすがにそれはないだろう」と他の方のレビューを拝見していたら、どうやら最初に浮かんだ解釈であってそう。
そもそもあの役をわざわざ中村倫也さんをキャスティングして演じてもらわなくても良かったのでは?と感じた。
仕事に疲れて自死に追い込まれるキャラクターなら、もっと切羽詰まっている背景を見せてくれないと病んだ経験が無い自分は「いやいや、転職しろよw」と思ってしまう。
なので、ここは病んだ経験がなくても引き込まれる・共感せざるを得ない、ような雰囲気が欲しかったですね。
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