ラストマイルのレビュー・感想・評価
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人命軽視の感が拭えない主人公が残念
外資の巨大通販サイトの名物特売期間「ブラックフライデー」時の宅配物に連続的に爆発物が仕掛けられる爆弾テロに立ち向かうクライムサスペンス。
満島ひかりさん扮する新任センター長、舟渡エレナの巨大集配センターでの奮闘が最初描かれるんですけど、拒絶反応感じるくらい妙にテンション高く、よくある企業に洗脳されちゃって常識すっとんじゃった管理職みたいです。
で、自社の扱う荷物が原因と思われる死傷者が出るテロが実際起こってもあまりそのことに関心がない態度でさらに違和感アップ!
「配送センター稼働率向上第一、人命第三!」ってくらいの危うい倫理観でテキパキと薄ら笑い浮かべながら突き進んでいきますから、「??・・・この人、主人公設定じゃないのか?」って疑念が浮かびました。
ただ、突き進んでいく際のバックグラウンドミュージックが肯定的(マーチっぽい)な曲調でしたから、この作品自体、狂った倫理観の元に構築されたストーリーなのかも、とも考えられます。
実際は脚本的に仕組まれた演出で、最後はうまいこと纏めるんですが、提示された人命軽視の倫理観はいくら辻褄合わせてもサイコパス感が否めず、結果的に常に共感の枠から外れたお騒がせキャラになってしまったのが大変残念でした。満島ひかりさんはこのぶっとんだキャラをしっかりトレース出来ていて素晴らしいと思いましたけど。
あと、物流環境の諸問題はなかなかその深いところを突いていて芯は外してないと思います。わたし自身、仕事で物流業務してるので深く納得しました。よく取材できてました。しかし、物流24年問題で現実世界では現場はもっと疲弊してると思います。
最後に羊運送の八木さんでしたっけ・・・彼の出した最終的な解決策は素人のソレであちゃーって感じ。感情論じゃ企業は動かないのよって脚本家の方に教えてあげたいですなあ(笑)
では。
謎のメッセージ…?
映画【ラストマイル】鑑賞してまいりました。
テレビドラマ『アンナチュラル』の大ファンでもあったので、各々のドラマの世界観を劇場版として組み合わせての作品かなって勝手な解釈のもとに、先入観を持っての鑑賞になりました。
先入観有りだった私からすると、序盤は少し展開が遅く思われたんですけど…、キャラクターの各々の説明っぽいシーンが大体で終わる頃に、急にストーリー展開が早くなっていき、自身で様々な推理をしている間にストーリー展開も早くなり、結果的に時間を気にする間もなくクライマックスへと導かれる内容かと感じられます。
各々のドラマの世界観を期待し過ぎると、ちょっと違うことになります。ただし、ドラマに出ていたキャラクターは再登場し、世界観は若干再現され、重要なシーンばかりで再現されていますので、そこは期待して大丈夫かと思います。
劇中に出てくる…謎のメッセージ…があるんですが、これもまた、答えが解き明かされる感じではないんですが、また各々の解釈にお任せって感じになっていて、そこが面白い内容かと感じました。私には、キャラクターの可哀想な切ないメッセージに感じられましたが…。
上映時間が気にならない感じの内容でしたので、是非リピーターになれたらって思いました。
社会問題に踏み込んでます+脇役に主演級俳優陣
この映画の脚本、監督、プロデューサーが手がけたドラマ二作品とのシェアードユニバース。
この作品の中には彼らも生きている世界なのでわくわくした。
ティザーで流れるシーンは序盤ですべて終わるので、予想していたすべての要素の向こう側に連れて行かれた。
主演は満島ひかりさん、岡田将生さんを中心としてディーン・フジオカさん、阿部サダヲさん。
本作は物流に焦点があたるので、司法解剖から状況を推察するアンナチュラルや、瞬発力で捜査を支える機動捜査隊のMIU404のメンバーは事件に関わることはあれど直接的に関わらないので、石原さとみさん、井浦新さん、窪田正孝さん、市川実日子さん、綾野剛さん、星野源さん、麻生久美子さんを中心としたメンバーはその世界でやるべきことをやっている。そしてそれは特別なことじゃないので、出てきても過去作を知っている人の発言や仕草なので気になる人はドラマをどうぞ。
ドラマのなかで限定的に出てきた登場人物も出て来ていて、シェアードユニバースなのだと感じた。いかんせん豪華すぎる。
よくありがちなドンデン返しや、犯人の気持ちは描かれない。
犯人の背景や心情を知りたいと思う人はいるかもしれないが、そこは描かれない。
MIU404でもそうだったが、犯人を理解した気になり犯行を仕方ないねとなるのは昨今ネットを中心に問題なりがちなので、描かない方針を続けていてよかった。
社会問題のエンタメ化は健在
この映画単体として面白かった。
『MIU404』で見せた、「最新の社会問題をドラマの核になる事件に取り込む」手法が遺憾なく発揮されていましたよ。
架空の外資企業にしてたけど、完全にモデルはAm●z○n。
まさに私がAm●z○nを使わなくなった理由の数々が目の前に展開して苦笑い。
・ろくに検品せず出荷する配送システムのいい加減さの問題
・社員も使い捨てにし、異様に高いノルマの押し付けで鬱になって退職する人間が後を絶たない問題
・下請け(物流)へのコスト削減の押し付け、無茶な送料叩きの問題
・物流末端である家庭への配送業者(ラストマイル)のなり手不足・人手不足に、過労死問題
・ブラックフライデーで、荷が届けられる保証がないのに注文を取ろうとする問題
・注文しても必要なものは結局必要なタイミングで届かないんでしょ?な問題
・やっと届いたら、中身が壊れてたり不良品だったり、絶対途中で落下させてるでしょ?問題
・不都合を下請けに押し付ける、アメリカ流の傲慢な契約の問題
・結局は株主と自社利益しか考えてない人命軽視な昨今の日米大企業に蔓延する問題
「シェアード・ユニバース」はくすぐり程度で、予備知識なしでも全然大丈夫って程度。
でも「シェアード・ユニバース」のキャラたちは、一人一人がそのプロフェッショナルな技術と信念で真相へとたどり着き、「単なる組織の歯車ではない」「Am●z○nと違う」というアンチテーゼとして描かれていたので、彼らの存在が物語に活きていたと思うから、わかればなお一層楽しめると思う。
野木脚本ファン は(そうでない人も)全員観るべき
「アンナチュラル」第1話の重層的なストーリーに魅了されて以来、彼女の脚本作品はほぼ網羅しています。
そして、これまた大好きな満島ひかりさんが主演、かつ、エレナは彼女に当て書きされたそうなので、この時点ですでに面白くないハズがない。
ネタバレ回避のため公開初日にレイトショーで鑑賞。
お客入りは…ほぼ満席!
アンナチュラル、MIU出演者はカメオ的な出演なのかと思いきや、結構ガッツリと、しかし自然な流れでストーリーに絡まっていました。
「物流の2024年問題」がストーリーの底流にあり、しっかりと社会問題を提起するあたり、単なるエンタメでは終わらせない!という野木さんの強い意思を感じます。
「邦画はサブスクに出てきたら観よう」派、でしたが、この作品は音響のしっかりした映画館での鑑賞をおすすめします。
「2.7m/s→0」ここ込められた思いに鳥肌
野木亜紀子最強説ここに立証!!
まじで!まーじーで…ビビった。笑
観終わって劇場が明るくなった時、気づいたら鳥肌たってたわ🐓
脚本家・野木亜紀子まじで恐るべし!
この人話作るのほんと上手すぎよ←
どうりで関わってるドラマや映画のほとんど好きな訳だ!
緻密に練られた物語、個性的なキャラクター、強く暖かなメッセージ性、etc、、もう最高でしかない👍👍👍
もうI LOVE NOGI❤️ってTシャツ作って毎日着たいぐらい!笑
総理大臣さんよ、官僚さんたちよ、我々の税金で飯食ってるお偉いさんたちよ、この映画を観てくれ!
ムダに真面目で働き者の日本人からのメッセージですよ。
受け取ってくれまじで‼️🎌
※一切の返品は受け付けませんのでー
ドラマ「アンナチュラル」と「MIU404」と繋がるシェアード・ユニバース・ムービーであるが、ドラマ見てなくても全然楽しめるし、ドラマ見てたら尚更楽しめる一本です。
なんかスッキリしない
いつになく客席が埋まっていた。
前人気が高いのかな。
出演者は豪華。
内容は配送業のブラックな部分を描く告発もの。
それに端を発した、爆弾テロ事件。犯人の動機も会社への復讐?
標的が違わないか。会社の信頼をなくして、経済的損害をあたえるため?
その為に一般市民への無差別テロをするのか。
どこまで真相を知っていたのかわからないが、新センター長の人命を無視した態度には嫌気がさした。
いいのか?それで、後から訴えられるぞ。顧客の安全無視で。
センター長の決裁っていくらまでOKなのかな。X線透視装置を10台ぽっちった?これは必要経費?
後から会社から権限の濫用といわれそう。ていうかクビか。
最後のシークエンスもそれで全体が丸く収まるわけでもあるまい。
150円は安いといえるかな。
ドラマファン向けのファンムービー?
アンナチュラルとMIU404は自分も好きで、良く出来たドラマシリーズという評価です。
ただ(その2ドラマを知らないと演出意図が理解できない部分もあるのに)その2ドラマの組織やキャストの存在は今回の物語には必須ではありません。
その中途半端というか無理やり詰め込みというかが仇になり、全体としてどうにも焦点のはっきりしない映画に仕上がってます。
物語は先の読めない展開で、舞台や視点も昨今の社会情勢を取り込んでいるためそれなりに楽しめるのですが、独立した映画として売るのはちょっと弱い感じも否めないので、マーケティング的に上記2ドラマ要素をブッ込まざるを得なかったとかでしょうか?
真相はどうあれ、ドラマファンに向けるのであれば上記2ドラマの組織やキャストがより密接に1つの事件に絡むような物語にすべきだと思いますし、今回の物語やキャストを推すのであれば、上記2ドラマの要素は一部キャストのカメオ出演程度にしておくべきだったのではと思いました。
ただ、隣の席の知らない人は上記2ドラマの熱烈なファンだったらしく、上記2ドラマのキャストが出るシーンでは身を乗り出して声を上げて喜んでいましたので、そもそもそういう人向けの映画だったのかも知れませんし、制作側の目論見どおりの内容なのかも知れませんが。
宣伝し過ぎた?
予想より奥行きある脚本でした❗️
サクッとみられる社会派エンタメ
犯人は誰なのか、爆発へのハラハラ、社会構造への警鐘。
端的にこの3つが楽しめる映画でした。
(犯人の部分にはやや肩透かし感があるかも…)
「アンナチュラル」や「MIU404」と比べるとヒューマンドラマは弱いですが、展開にスピード感があり、いちエンタメ映画としてよくまとまっていた印象です。
これまでの作品と大きく違う点といえば、上記2作はドラマなので、一つの視点(死体や犯人)を通して社会を垣間見せつつ、そこに主人公たちがどう関わっていくかを描く構成でした。
今回は映画ということもあり、主人公を含めた多視点を通して、社会の歪みに苦しめられる人々を描くような構成になっており、
媒体が違うので描き方が変わるのは当然なのですが、そこに違和感や物足りなさを抱く方は多いかもしれません。
また、ドラマ版では主要キャラだけでなく、死体や犯人などの一視点にも感情移入できる深いフックがあった分、今回は…………というのもあるのかなと思います。
ただ、映画のメッセージ性自体は高く
いきすぎた資本主義によって作り出される社会は、本当に我々が求めている理想の世界なのか。欲や競争本能に支配されて、自らの首を絞めていないか、
そういった作り手側の描きたいものがしっかりと感じ取れる映画でした。
ちなみに「アンナチュラル」「MIU404」の要素はオマケ程度です。
家族との感想会が終わらない
集中し過ぎて何も飲まずに固唾を飲んで見守るような気持ちで鑑賞してました。最後まで緊張感が抜けなかったです。そんな中でも毛利さんは相変わらずコミカルで面白い、なのに洞察力が鋭くてかっこいい。いいとこ取りで、ますます好きになったよ。
それにアンナチュラルやMIU404の面々が思ってた以上に出演していて嬉しかったです。一々テンション上がってしまった。
昨今の流通市場の過酷さを思うと物語の中だけじゃなくリアルに感じてとても苦しくなる。時間をかけてエレナと孔が徐々に相手のことを知っていく過程もよかった。
佐野親子や毛利さんなど脇役の魅力も存分に味わえた作品に嬉しさが万倍になった。推理ものってキャスティングやあらすじを見ただけで犯人が誰か分かってしまうことがあるけど、今作はそういうこともなく、やっぱりねっていう肩透かしを食らわずにすんでよかったし、さすがだなと思った。もしかしたらネット通販をしたことがない人や年齢層が上の人にとっては難しいかもしれない。英語にされると一瞬分からなかったりもした。考えさせられる物語なので、何も考えずに映画がみたい、という人には不向きかも。
とりあえずネタバレをくらいたくなかったので初日に鑑賞できてよかったです。また観に行きたい。
家族との感想会が終わらない。
満島さん演じるエレナのキャラ最高‼︎
見事な脚本の手柄
大手の輸送会社の配達物に爆弾が仕掛けられて配達されて、配達後に爆発するという事件がおきて、宅配業者 Daily Fast の新任の集配センターの所長が、同僚や下請けの配達業者を巻き込んで、犯人探しと爆発物の発見に頭脳戦を展開する話である。非常に良く出来たストーリーで、最後の最後まで息詰まる緊張感の連続だった。かつて脚本担当の乃木亜紀子が手がけたテレビドラマ「MIU404」と「アンナチュラル」とコラボした作りになっていて、それらを見ていればより楽しめる内容になっていた。
既存のドラマとコラボさせるということは、それらのドラマの出演者は今作の本編に出演させられないということになり、両ドラマと被りのない役者だけで本編を作らなければならないという縛りを自らに課したも同然であるので、役者陣は相当豪華にならざるを得ない。結果的に、被ったドラマの比重としては「MIU404」の方が多く、「アンナチュラル」はかなり薄くて、顔見せ程度に過ぎなかった。
犯人の復讐先は宅配業者なのであるが、被害者は罪もない見知らぬ一般人であるというところが許しがたい話で、この犯人は同情の余地のない外道である。「目には目を」という同害報復の原点から言って、犯人は復讐先の誰かを一人だけターゲットにすべきであるのに、無関係な人を 10 人以上も害しようとした訳で、これでは貞子の呪いと同じで完全にやり過ぎである。
犯人の特定に至るプロセスが特に見応えがあり、疑いを向けられる人物の怪しげな行動とその理由などが巧妙に組み上げられて話を牽引していた。無駄な登場人物が一人もおらず、誰もが物語の中で重要な役割を演じていた。これだけの登場人物にそれぞれ役割を与えるというのも物凄い構成力で、この映画の魅力は脚本の優秀さに尽きると思われる。
特に、新任の集配センター長役の満島ひかりの演技の素晴らしさが光っていた。その部下を演じた岡田将生も有能さを十分に感じさせていた。阿部サダヲは下請けの宅配業者の中間管理職を好演していたが、やや役不足に感じられたのが勿体なかった。少ない出番ながら鮮やかな印象を残した竜星涼は見事だった。電器メーカーのエンジニアから転職した宅配ドライバー役の宇野翔平は伏線回収しながら見事な機転を見せるところが魅力的だった。
音楽も無駄がなく、必要なところで十分に雰囲気を盛り上げていたし、エンディングの米津の歌も良かった。爆破シーンが特に見事で、中でも爆破の中でもがく人物の描写を見せたのは、映画に生々しさを与えていた。道具立てを全て使い切って最後までドキドキさせる演出も見事だった。
(映像5+脚本5+役者5+音楽5+演出5)×4= 100 点。
自分も物語の中にいる気分だった
ネットショッピングで頼んだ荷物が爆発した、なんて映画みたいな話だなと思うけど、この映画を見ていたら現実でも充分起こり得ることだと感じて人事には思えなくなった。
主人公が事件を解決するのかと思いきや、途端に怪しく見え出したりする展開もそうだけど、何より満島ひかりさんだから出来たであろうそのバランス感覚に見ている方も振り回されて最後まで目が離せませんでした。
物流センターの人以外にも、配送業者の人、荷物を頼んだ人、とかなり登場人物が多いけれど、どれもこの物語には必要な人だと思います。配送業者の親子が個人的にすごく好きでした。細切れな描写でも親子関係が見えてきたり、見せ場もあって良かったです。
野木さん脚本の映画やドラマはいくつか見てきましたが、どれも現実的で見る人の中のどこかしらにリンクさせたようなお話を書かれる方だなと思いましたが、今回はそれが一番強く感じました。見終わった後、あなたはどうする?と問いかけられたような気分になりました。
映画の中のセリフにもあったかと思うのですが、よく「会社のために働け」のようなことを言う人がいますけど、この映画を見ていると「会社のため、と言う人は働いてる人のことは考えていないんじゃないか」と思うようになりました。
物凄い勢いで話が展開していくので、あれってどういうことだっけ?あそこもう一度見直したい、と何度も見たくなってしまいます。
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