「結局、対岸の火事のような」ラストマイル Theo5さんの映画レビュー(感想・評価)
結局、対岸の火事のような
ミステリー部分だけ見れば、
ちゃんと登場人物各々になんか引っかかる怪しいミスリードがあって、
ストーリーの進行と一緒に事件の黒幕である可能性を追えるようになっているのがとてもお上手。
最後に真相を知って驚きはしたのだけど。
引っかかってしまうのは警察の無能感。
普通最初の爆発事件の時にもっと荷物を受け取った人の事や状況を配達員に聞くべきだと思ったし、解剖所?に焼死体が来た時はもうほとんど証拠としての価値を見出してないのはどうなのかと思った。
流通業界の闇に触れてる内容と騒がれいるみたいだけど、
総括してしまえば、倉庫会社が利益追求しすぎて宅配業者を安い賃金でこき使っているのが一番の闇なのではないのかなと。
倉庫会社の方もブラックフライデーが怖いというのも見ていてどの辺りが怖いのかが解りにくかった。
倉庫の中の人はかなり人員もいるし、便利なシステムも構築されていて、従業員は走り回る訳でもなくスマートに働いている感じがあって苦労が見え辛い。
メスを入れるにしても流通の闇っていうのがちょっと地味で、
その仕事に携わっている当事者じゃないかぎりは対岸の火事みたいで、
映画を観て「そうだったのか、許せない」と憤った人も、
次の日にはお急ぎ便で即日配達の荷物をポチッてたりしていそう。
後はドラマとのタイアップらしいのだが、
どっちのドラマも私は見た事なかったのでよく解らず、
なんか急に俳優豪華になって尺を使うシーンが不自然で面白かった。
まとめるとミステリー部分は引き込まれたし、
この人が実は・・・なミスリードを誘う演出は良かったけど、
どたばたしてて派手には思えるのだけどどこかチープ。
映画を観たというよりは当たり回の二時間サスペンス劇場を見た気分。
飛び降りた人も自ら焼死した彼女も命をかけるなら、もうちょっと他のやり方があったんじゃないかと思うんですよね。