「観られてよかったけども」ラストマイル Fpkさんの映画レビュー(感想・評価)
観られてよかったけども
見終わったあとは表題のような感想。
なんかモヤッとするなと思い、なんでだろうかなと理由をいくつか考えた。
1. 問題提起で終わっている
ロジの向上で今はとても便利になった。その分しわ寄せがラストマイルを担う配送者にいっており、数字の責任を負う現場の責任者も大変だと。解決策としては賃金アップとなったものの、そもそも問題点は賃金の低さだけではない。最後は観客に委ねる形になっているが、何かしらポジションをとって解決策が提示されたほうが良かった。
少しずれるが、大企業のシニアポジションはもっと優秀では?という印象もあり、彼らの立ちふるまいにも少し疑問が残る。
2. 配役が豪華な分それぞれの役割が薄い
アンナチュラル、MIU404の主要キャラが出てくるためドラマのファンや通しで観てきた人は楽しいだろう。でも映画の中でのそれぞれの役割がショボく、別にお前じゃなくてもいいよね?感は拭えない。過去のドラマのキャラが必要だから登場したのではなく、彼らを出すことありきで作られたんだろうなぁと想像する。皆の活躍を期待していた分、というか、2つのドラマと映画のキャラの交流や協力を期待していた分、物足りないと感じた。
キャラのおかげで笑えるシーンがいくつかあって、そこはよかったです。
3. 伏線が伏線でしかない
1つだけ開かないロッカーを1発で引き当てるエレナ、妙に具体性のある洗濯機事業の紹介など…
よくあるマンガなどの説明に慣れ過ぎでは?
回収されるんやろなぁこの伏線と思いながら観てて、やっぱり何かしら回収されるので、そうだよね~って思ってしまう。簡単な手品を見ているみたい。
どこまで綺麗にわかりやすく伏線材料を配置するかは悩みどころだとは思うが、私にとってはちょっと綺麗すぎで、食傷気味だった。
もっとわかりにくくするか、回収しない伏線や小話?もあったほうがよかったかな。
以上がちょっとモヤる要因かなと考察します。
演技は皆さん上手で、特に主演の満島ひかりと岡田将生は役に合っててよかったです。
爆弾処理後のシーンは一瞬ビールのCMがよぎったけども笑。
配送をテーマにしたことも目新しく、詳細やシステムを知ることができてよかったです。
あ、そうだ。
これは映画館の音響の質のせいかもしれないけれど、最後の米津の歌の鳴りがイマイチでした。録音が良くないのかな?曲自体は手の届く範囲で作った感じで、Lemonのような名曲ではないなぁと思いました。
正直なところ、良かったけれども、ドラマシリーズは超えなかったなという感想です。